真面目にやる気、ありますか?
「大丈夫か、チナツ!!助けに来…た…ぞ…?」
騎士団長のアレックスをはじめ私の仲間が玉座の間の扉を蹴破って入ってきた。
魔王と私の様子を見て、唖然とする。
そりゃそうだ、戦わずのんびりまったりしてるんだから。
と、私の仲間を押しのけて入って来る人がいた。
私たちの様子を見てへたりこんだ。
「魔王様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…。」
「どうした、ケビン?」
「何で、勇者とお茶してるんですかぁぁぁぁぁ…。」
じぃーと見つめてくるケビンから魔王は目をそらしつつ、話しかけてきた。
「今更だけど、戦う?」
「いいです。今更やってどうするんですか。」
「だよねー。」
アハハとのんきに笑う魔王。
ケビンはズーンと沈んでいた。少しだけ可哀想だなと思った。
アレックスが恐る恐る魔王に尋ねる。
「お前が、魔王なのか…?」
「うん。」
「本当に…?」
「うん。…そんなに信じられない?」
アレックスは何も答えず、目をそらして自分の手をじっと見ていた。
…うん。その気持ちわかるよ。
私の仲間が無言で気持ちを共有している中、ケビンは魔王に文句を言っていた。
「勇者がもうすぐ来るから真面目に戦ってくださいって言ったら、頷いたじゃないですかっ!」
「あー、うん。そうだったね。そんな気がする。」
「そんな気がするじゃないですよ!!もー、どうするんですか!!」
「えー、知らない。」
「知らないじゃすまされませんよっ!!あんた魔王だろっ!」
ドンドン口調が乱暴になっているぞ、ケビン。
「部下にもしめしがつかねぇだろっ!」
「でも、俺戦うのメンドイ。というか、ケンカしたことのない健全な日本男子に期待しすぎだろー。」
「え?」
今、なんといったの魔王。