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第八話 脚本!

前回までのあらすじ。


長編になるとキャラがブレてしまうという課題が浮き彫りになった翔。悩んでいると、委員長に劇の脚本を書いてほしいと持ちかけられ――

 劇!? 劇の脚本!?

 混乱する僕に、すぐるが助け舟をよこした。


「劇っていうのは先月学級会の議題にあがったやつかな?」

「うん、それ」

「先月の学級会? なんかやったっけ?」


 僕は腕組みをして記憶をさかのぼった。

 だめだ。記憶にない。なんでだ?


「なんでだって、あたりまえじゃないか。かける、あの時寝てたし」

「だから俺の心の声と会話するのを止めろ!」

「仕方ないだろ。翔の考えてることは、全てわかっちゃうんだから」


 悪びれもない笑みを浮かべる優。

 僕は立ち上がり、溜息を吐いた。


「まぁ、いいや。それで、委員長いいんちょ。その議題ってどんな内容だったんだ?」

「……」


 返事がない。

 僕は委員長いいんちょの顔を見やった。委員長いいんちょは顔を赤らめボーっと優のことを眺めていた。


委員長いいんちょ?」

「……え!? な、なにか言った?」


 慌てて返事をする委員長いいんちょ。どうにも様子がおかしい。


「議題だよ、議題。議題の内容はなんだったんだって聞いてるんだ」

「ああ、ごめんね。卒業生を送る会の出し物についてよ」

「卒業生を……送る会?」


 僕は首を傾げた。

 委員長いいんちょが呆れたような顔をして言葉を続けた。


「ほら、うちの学校って例年、卒業生を送る会の最後に三年生が劇をやるじゃない。その劇の内容についてみんなで話し合ったのよ」


 すると、話を聞いていた優が会話に入ってきた。


「確かテーマだけ決めて、あとは脚本を完成させてから……って話になったんだよね」

「うん。それで、みんなの負担にならないように委員長いいんちょの私が脚本を! って思っていたんだけど……」

「うまく書けなくて困っていた――と」

「そういうこと。さすが、神沢かみさわ君ね」


 委員長いいんちょは手に抱えていたノートを、僕らに見せるように広げた。

 僕は目を細め、ノートに顔を近づけた。


「仁義なき戦い。小笠原組……最後の戦い?」


 僕は可愛らしい文字でノートに書かれていたディープな単語を読み上げた。


「……なに、これ?」


 僕は首を傾げて、委員長いいんちょの顔を見上げた。

 バツが悪そうな顔をしている。


「……げ、劇のタイトル」

「昼ドラかっ!」


 僕が盛大にツッコむと、優がクスクスと笑いだした。


「わ、笑わなくてもいいじゃない!」

「いや、ごめんごめん。でも、テーマってクラス愛だよね。凄い解釈だなって思ってさ」

「もう……。いざ書こうと思ったら何も思いつかなくなっちゃったのよ。仕方ないじゃない」


 おお、レアショット。泣きそうな委員長いいんちょ、意外と可愛いな。


「もっとスラスラできるんじゃないかって思ってたの。でも、ちょっと考えが甘かった。まぁ、入試も近づいてきたし、ここは得意な人に任せようと思って」


 そう言って、委員長いいんちょは僕に視線を送ってきた。


 ……ん? 何か良からぬ展開になってる?


「あの、僕にも入試があるんですが……」


 僕はおずおずと右手をあげながら、反論してみた。


「私立の単願でしょ? それにあの学校、当日零点れいてんとらなきゃ落ちないから大丈夫よ」


 前言撤回。悪魔でした。

 委員長といい、優といい、俺の周りのメガネ共はどうしてこうSっ気が強いのだろうか……。

 僕は盛大に溜息を吐いた。


 困ったな。できれば今はじっくり小説を書いていたいし、正直面倒くさい。なんとか話を逸らしつつ、回避する方向で――――


「じゃあ、よろしくね。祭ヶ丘まつりがおか君」


 んっ!? こっちの意見丸無視!?


「ちょ、ちょっと待て! まだ引き受けるなんて一言も――」

「やりなよ、翔」


 慌てて叫ぶ僕の言葉を遮るように、優が声を上げた。


「……優まで」


 僕が訝しげな目を向けると、優は含みのありそうな笑みを浮かべた。


「きっと、翔の望む答えがそこにあると思うよ」

「僕の望む……答え?」


 それって、さっきのキャラの話……だよな? キャラと劇の脚本に一体何の関係が……?

 まぁ、よくわかんないけど、優の言った通りにしてみようか。気まぐれでそんなことを言うとも思えないしな。

 僕は頬を掻いて、渋々しぶしぶ頷いた。


「……はぁ。わかった、やるよ」

「本当? ありがとう」


 委員長はにっこりと笑った。




 そして、一か月が過ぎた――


 僕は無事私立入試を終え、四月からの進学先を決めた。

 そして、同時に進めていた脚本もなんとか形にすることができた。


 が、しかし――


「うん、話は面白いよ。だけど……」

「そうね。話はおもしろいと思う。でも……」


「「キャラがブレてる」」


 優と委員長いいんちょは見事にハモって指摘した。

 そう、未だに僕の課題は解決できていなかった。

 今日は出来上がった脚本を二人に見せるため、放課後、自宅に二人を招待したのだった。だが、見せる前から自分でもわかっていた。


「……さいですか」 


 僕は盛大に溜息を零した。

 

小笠原組おがさわらぐみのみんなから好かれている組長オヤジ小笠原おがさわら 鬼一きいちが他の組の連中に拉致らちされ、それを命がけで救い出そうとする組合員たちの物語。さっきも言ったけど、このストーリーはとっても面白いし、ラストの展開も胸が熱くなる。かなり出来は良いと思う」

「私もこのストーリー好き。私が最初イメージしたのは、まさにこういうのだったの」


 二人が交互に称賛の言葉を口にする。

 たぶん、その言葉に嘘はないのであろう。だが、素直には喜べない。現実問題、課題が解決できていないのだ。

 

 くそぅ……。脚本を書けば課題が解決できるんじゃなかったのかよ、優!?


 僕はジト目を優へを向けた。すると、優は机の上の脚本を手に取った。


「脚本を書けばキャラがブレなくなる。一応俺なりに考えがあったんだけどね。ひとつ予想外の事が起きたんだ」

「予想外のこと?」


 優はおもむろに脚本をパラパラとめくり、ページを開いてある部分を指さした。

 それは脚本にあって、小説にはない部分。台詞の上にかかれる文字。


「キャラの名前?」

「そう。そこが、未だにキャラがブレてしまう理由なんだ」

 はじめましての人も、そうでない人も、改めましてこんにちは!

 そして、かなりお久しぶりです。どうも、いべちゃんです。

 今までのあるある話から少し展開が変わるので、手が止まってしまいました。すみませんでした。山は越えた。これからはがんばります。

 以降はテンプレですが、アンケート文です。



 まずは、本作品に目を通していただき、ありがとうございました。

 さて、普段あとがきなんて書かない僕ですが、折角なので有効活用しようと思います。

 キーワードやまえがきにも書きましたが、読者参加型アンケートシステムというのを導入しようと思います。

 まあ、システムといってもあとがきにアンケート項目載せて、それに感想を使って答えて頂く……といった簡素なものですが。

 感想を普通に書くも良し、アンケートに答えて頂くも良し。両方書くも良し! なわけです。


 アンケートの目的は、『この作品の質の向上』及び、『なろうに関わる人が興味あるけど聞けないあんなことやこんなことを情報共有できる場を設けたい』といったところです。

 答えて頂いた内容の中から、作品内に反映させていただくこともあると思いますので先にお伝えしておきます。


 おかげさまで多くの方からご協力頂けている読者参加型アンケートシステム。現在は第二回アンケートになって質問項目が変わってます。


 では、第二回アンケートです。

(作家様用)

【1】なろうを始めて良かったなと思ったこと。逆に良くなかったことでも可。

【2】自身の作品に挿絵をいれたいか? できればその理由も。

【3】読んだ作品に感想・評価をつけるかつけないかを分ける最大のポイントは?



(読み専様用)

【1】なろうを始めて良かったなと思ったこと。逆に良くなかったことでも可。

【2】挿絵があった方が読みやすいか? できればその理由も。

【3】読んだ作品に感想・評価をつけるかつけないかを分ける最大のポイントは?


 と、今回はこんな感じになっています!

 アンケートへの参加、評価等頂けるとありがたいです。多くの人の目にとまり、なろう監修作品とかになれれば、読者の皆様へよりリアルな作品がお届けできるようになるなぁとか妄想しています。ご協力お願いします。


 では、皆様。第九話でまたお会いしましょう~。

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