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7/9

第七話 キャラ!

前回までのあらすじ。

初投稿作品に評価が付き喜ぶ翔。しかし、その後書いた作品は全てが面白くないものだった。対策を優から聞き、翔は成長するために読み方を工夫することにした――

 十二月のある日。放課後――


「はぁ。なんでかなぁ……」


 僕は図書室の椅子に腰かけながら、盛大に溜息を吐いてそのまま机に突っ伏した。

 すぐるのアドバイスの通り、なろう内にある色々な作品を読みながら勉強し始めてしばらくが経った。いくつか納得のいく短編も書けた僕は、以前優に一蹴いっしゅうされたファンタジー小説『レジェンド オブ エンシェントファイターズ』を一か月ほど前から連載小説としてなろうに投稿していた。していたのだが……。


「何で、未だにお気に入りゼロ件なんだろ……」


 消え入るような弱々しい声が、僕の口から零れ落ちる。

 ポケットからもそもそとスマホを取り出し、画面に目をやった。表示された小説情報ページには、感想・レビュー・評価・お気に入りの四項目に綺麗にゼロが四つ並んでいる。もう十話更新しているが、こうなってくると誰かに読んでもらえているのかすら不安になる。


「景気の悪そうな顔してるな、かける


 聞きなれた声があがる。僕はもっそりと顔をそちらに向けた。

 優であった。マフラーを巻き、肩に鞄を背負っている。

 

「帰る準備万端だな。もう勉強はいいのか?」


 僕の問いに、優は肩を竦めて薄い笑みを浮かべた。


「うん。普段授業が終わったら即行で家に帰る友達が、なぜか僕が勉強し終わるのを待つって言いだしてね。早めに切り上げることにしたんだよ」

「お、お気遣い……感謝します!」


 僕はすかさず椅子の上に正座して、深々と頭を下げた。

 優は笑いながら、向かい合うように椅子に腰かけた。そして、手を僕に伸ばした。


「ほら、見せてごらん」

「……なんで相談の内容までわかるんですか?」

「わかるよ。翔の考えることくらいなら、なんでもね」


 何でもお見通しですか。さすが、人の心を覗く高性能メガネの所有者。言うことが違う。

 僕が怪訝な目を向けると、優は悪戯っぽい笑みを浮かべた。



 

 三十分後――

 僕のスマホを机の上に置き、優はゆっくりと口を開いた。


「なるほど……ね。なんとなくわかったよ、評価がつかない理由が」

「ほ、本当か!?」


 僕は読んでいた今月の図書委員お勧め書籍を棚に戻して、優の隣に移動した。


「話自体は悪くないんじゃないかな。文章もまだ目に付くところはあるけど、前に書いた時よりもだいぶ良くなったと思うよ」

「相変わらず上から目線でございますね」

「嫌ならお話をお止めに致しましょうか?」

「すみません。教えてください」


 僕は流れるような動作で両手と両膝を床につけ、スッと綺麗に土下座した。

 優は口元に手を当て、クスクスと笑った。


「よろしい」

「はぁ。それで、原因はなんなのさ」

「いくつか原因は考えられるけど、一番はキャラだと思う」

「キャラ? なんだ、キャラが弱いってこと?」


 僕は顔をあげ、聞き返した。それに対し、優はかぶりを振った。 


「いや、弱いというよりもブレているって感じかな」

「ブレてる……?」

「うん。そうだな……例えば、主人公だね。第一話と最新話、ちょっと見比べてごらん?」

「わ、わかった」


 僕は返事をして、スマホを手に取り、第一話と最新話にザッと目を通した。

 こ……これは!?

 思わず、僕は両手で自分の顔を覆った。

 

「……何コレ……別人じゃん」

「ね。話し方から性格、行動原理まで。全てにおいてブレまくりでしょ?」

「そうですね」


 それは、なぜ今まで気付かなかったのか不思議なくらいのブレっぷりであった。

 顔が熱い。恥ずかしい。死にたい。


「書いている本人の方が、意外と気づかないものなのかもね。他のキャラもブレてるから、正直会話文とか読んでても、誰が誰だかわからないことが多かったな。登場キャラの多いこの作品では致命傷だね」


 とどめの一撃を放たれた僕は、ガックリと肩を落とした。


「小説を意識的に読むようになって、キャラについても少しは考えをもって書いてたはずなのにな……。どうしたら良いんだ、これは……」


 元気なくそう呟いた瞬間、背後から声をかけられた。


祭ヶ丘まつりがおか君?」


 振り返ると、三つ編みメガネの小柄な少女が立っていた。両手でノートを抱くように持ち、不思議そうな顔をして床に正座する僕を見下ろしている。

 予想だにしなかった相手に、僕は不審者を見るような視線を送った。


委員長いいんちょ?」

「いつも言ってるけど、私の名前は委員長いいんちょじゃなくて、真栗まくりです」


 小さく溜息を吐き、委員長いいんちょは困ったような声で反論した。

 彼女の名は粟屋あわや 真栗まくり。うちのクラスの学級委員長である。華奢きゃしゃそうな見た目に加え、三つ編みメガネ。地味ではあるが、顔立ちは整っているので見た目はそこそこ可愛い。

 それにしても、委員長いいんちょの親は一体何を願ってこんな名前をつけたのだろう。真の栗って……。


「粟屋さん、何か翔に用があったんじゃなかったの?」

「あっ、そうだった!」


 優の言葉に委員長いいんちょがハッとした顔をする。そして、思い出したように声をあげた。


「あのさ、祭ヶ丘君って小説書いてるんだよね?」

「え!? な、なんで……」


 なんで知ってんの!? 

 僕は目を丸くさせ、パチパチとまばたきをした。


「有名だもん、みんな知ってるよ」


 委員長いいんちょの口から衝撃の事実が告げられ、僕はその場で崩れ落ち、床に這いつくばった。 

 うあああああぁあぁ。別に恥ずかしいことをしているわけではないのに、なんだか急に恥ずかしくなってきたぁああぁ。

 込み上げる恥ずかしさに耐えかね、僕は這いつくばったまま、うねうねと体をくねらせた。


「あの……動きおかしいけど、大丈夫? っていうか、祭ヶ丘君にお願いがるんだけど……」


 僕は体の動きをピタリと止め、顔をあげた。


「……お、お願い?」

「うん。あのね、脚本を書いてほしいの。劇の」


 …………………………はぁ!?

 はじめましての人も、そうでない人も、改めましてこんにちは!

 そして、お久しぶりです。どうも、いべちゃんです。

 まずは、本作品に目を通していただき、ありがとうございました。


 さて、普段あとがきなんて書かない僕ですが、折角なので有効活用しようと思います。

 キーワードやまえがきにも書きましたが、読者参加型アンケートシステムというのを導入しようと思います。

 まあ、システムといってもあとがきにアンケート項目載せて、それに感想を使って答えて頂く……といった簡素なものですが。

 感想を普通に書くも良し、アンケートに答えて頂くも良し。両方書くも良し! なわけです。


 アンケートの目的は、『この作品の質の向上』及び、『なろうに関わる人が興味あるけど聞けないあんなことやこんなことを情報共有できる場を設けたい』といったところです。

 答えて頂いた内容の中から、作品内に反映させていただくこともあると思いますので先にお伝えしておきます。


 おかげさまで多くの方からご協力頂けている読者参加型アンケートシステム。現在は第二回アンケートになって質問項目が変わってます。


 では、第二回アンケートです。

(作家様用)

【1】なろうを始めて良かったなと思ったこと。逆に良くなかったことでも可。

【2】自身の作品に挿絵をいれたいか? できればその理由も。

【3】読んだ作品に感想・評価をつけるかつけないかを分ける最大のポイントは?



(読み専様用)

【1】なろうを始めて良かったなと思ったこと。逆に良くなかったことでも可。

【2】挿絵があった方が読みやすいか? できればその理由も。

【3】読んだ作品に感想・評価をつけるかつけないかを分ける最大のポイントは?


 と、今回はこんな感じになっています!

 アンケートへの参加、評価等頂けるとありがたいです。多くの人の目にとまり、なろう監修作品とかになれれば、読者の皆様へよりリアルな作品がお届けできるようになるなぁとか妄想しています。ご協力お願いします。


 では、皆様。第八話でまたお会いしましょう~。

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