第二話
知っているだろうか。
一昔前には、ぶら下がることを目的とした運動器具があったのだ。
今となっては意味不明に思えるが、当時は流行っていた……らしい。
何しろ母親から聞いた話なので、本当かどうか怪しいが、もし、本当ならば俺は時代遅れということになるだろう。
何しろ現在進行形でぶら下がっているのだから。
いや、正確には足から逆さまにぶら下がっている。
まさに、吸血鬼モドキ!……と言いたい所だが、今どき逆さまにぶら下がる吸血鬼なんてはやらないな。
最近のフィクションの吸血鬼は、怪力、不老不死とかいいとこだけあって、ニンニクや聖水が効かないタイプばかりだからな。さらに、血を吸わなくてもOKという吸血鬼である意味がよくわからないものまである。
個人的には、古き懐かしき吸血鬼も好きなんだがな。
さて、話が逸れたな。
まず、なぜこうなったのか説明するとしよう。
****
現状打破の為に歩き出して数分後、木々の間を抜けようとした時だった。
プチッ
足に何かが引っかかった感触と何かがきれる不吉な音。
「おわぁぁぁぁぁぁっ!」
情けないことに俺は悲鳴をあげながら、あっという間に縄に両脚を絡め取られ、空中に釣り上げられてしまった。
そうして、今に至る。
……ああ、そうだとも、罠だ。どっからどうみても、間違える方が難しい罠だ。
ワイヤーを使ったよくある罠。単純極まりない。
とわいえ、引っかかってしまったのなら、しょうがない。抜け出すとしよう。このままぶら下がっていて、いいことなど一つも無いからな。
なに、この程度の罠など簡単に抜け出せる……はずだった。
この罠から抜け出すには足の縄をほどくか、切ってしまったらよい。
問題は俺の身体能力では、身体が90°以上持ち上がらないことだった。
くそっ、こんなことなら体を鍛えておくんだった。
しかし、後悔先に立たず。今更そんなこと考えても仕方がない。
考えるべきは、どうやってこの現状を打破するかだ。
まず、今の状況を整理しよう。
⒈見知らぬ森にいる
⒉対人用?の罠にかかる
⒊自力で解除不能
⒋あれ、積んでないか⁉←今、ココ
……まあ、罠があるなら誰か様子をみにくるだろう。それまで、待つとしよう。
……はぁ、最悪だ
どうも、積木崩しです。
まず始めに
更新遅れて、すみませんでした。m(_ _)m
まさか、更新日を間違えるとは…