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鋼鉄の巨人と、信じた仲間の閃光と俺の強さ(前編)

 第一階層を突破した挑戦者たちの数は、すでに半分近くに減っていた。彼らを待ち受けていた第二階層は、がらんとした石造りの広間。しかし、その床と壁には無数の継ぎ目があり、一歩踏み出すことすら躊躇われる不気味な雰囲気を漂わせていた。

「ここは…一体…」

エルザが警戒しながら魔力を練る。その時、先程カイを侮辱した貴族の男――ブラムが、焦りからか、独断で前へと駆け出した。

「ちんたらするな!先を越されるだろうが!」

彼は名門の出であることに高い矜持きょうじを持っていた。最下級の泥鉄に先を越されるなど、彼のプライドが許さなかったのだ。カイが何か言うより早く、ブラムが広間の中央に足を踏み入れた瞬間、凄まじい地響きが塔を揺るがした。

ゴゴゴゴゴ……!

床の継ぎ目が閃光を放ち、壁の一部が巨大なパーツとなって組み上がり始める。石と石が擦れ合う轟音の中、一体の巨人がその姿を現した。全長は5メートルを優に超える、鋼鉄のゴーレム。その頭部には、不気味な紅い単眼が光っている。

「なっ……!ば、馬鹿な!こんな魔物、青銅階級の試練に出るはずが…!」

ブラムが恐怖に顔を引きつらせる。鋼鉄のゴーレム。それは本来、『白銀』階級の討伐対象となる、厄災級の魔物だった。

「逃げろ!あんなものに勝てるわけがない!」

「試験官の罠だ!」

他の挑戦者たちが絶望の声を上げ、蜘蛛の子を散らすように後退する。しかし、入ってきた扉はすでに固く閉ざされ、退路はなかった。

「ぐっ…うおおお!」

ブラムは恐怖を振り払うように剣を構え、ゴーレムに斬りかかる。だが、彼の剣はゴーレムの分厚い装甲に甲高い音を立てて弾かれ、傷一つ付けることができない。

「無駄だ!物理攻撃はほとんど効かない!」

エルザが叫ぶ。ゴーレムは巨大な腕を振り上げ、ブラムを蝿でも払うかのように叩き潰そうとした。もはやこれまでか、とブラムが死を覚悟した、その刹那。

閃光のごとき影が、彼の体を突き飛ばしていた。

「――っ!?」

ブラムが尻餅をついたその場所を、数瞬後、ゴーレムの鉄拳が叩きつけ、石畳を粉々に砕く。彼を救ったのは、ブラムが誰よりも蔑んでいたはずの少年、カイだった。

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