1-3話 未来を変える動き
どうも、ゆうです。突然ですが、まだこの物語はスタートを切っておりません。第1章(で良いのかな?)はまだ終わってないですからね。それにしても小学校卒業させたいなんて言っていた気がするんですが、できなかったですね。はい、前言撤回です。少しこの先のことを変えました。なので小学校を卒業できませんでした。卒業という物自体は物語に何の影響も出ないので良いのですが。とにかくまだ物語のスタートは切っていません。言っておきますと第2章がスタートという感じです。ぜひ見てほしいものです。楽しみに待っていてください。では。
今年の四月から二年にあがった。教育レベルが急に上がるわけでもないため一年のときとあまり変わらなかった。恭也は勉強が好きであることは前の世界で知っていたが、改めて小さい時からみるとこの時代から好きなんだということを認識した。そして恭也は翔のあの一件から運動も積極的にやるようになり、小二ながら所謂文武両道というやつになった。そんな翔は、一度やったものであるため勉強は特にやらなかった。だが二年になるときに心機一転し何か習い事をしようと決めた。前の世界からピアノに興味がありやってみたいと思ったが、思ったときには既に遅く、習う事はできなかった。そのため今回こそは、と両親にピアノをやりたいと言いピアノ教室に通うことになった。やってみるとかなり難しく、慣れるのにかなり時間がかかったが、先生曰く、小学生でもこんなに上達の早い子は中々いない、と言われた。どうやら普通はドレミを滑らかに弾くだけでもかなりの練習が必要らしいが初日の20分ほどで出来てしまい、今では本格的に曲の練習に入っている。そんなことをしていると気づけば夏休み前日になっていた。
「え〜、明日から夏休みです。ケガや病気には十分気を付けて、9月から元気に登校してくる皆を見せてください。あと宿題は忘れてこないようにね。じゃ号令しようか。」
起立、きをつけ、礼、さようなら〜。
それが終わると一気に夏休みムードに入り皆で遊ぶ予定を立てていた。そんな中、翔はいつも通り恭也と一緒に帰宅するために呼びに行った。
「恭也〜、帰ろ〜ぜ〜。」
「翔くん。分かったちょっとまってて。」
「了〜解〜。」
準備が終わったようなので一緒に昇降口へ行き、校門を出ると
「翔くんと翔くんのお父さんお母さんといっしよにどこかお出かけするって、きいてる?」
「え?聞いてない。なにそれ。」
恭也から少し驚くことを言われた。前はこんな事は無く、あったとしても恭也と2人で少し離れたところにある大きめの商業施設に行くくらいだった。
(未来が変わった…?確かに過去の行動を変えてれば未来は変わる、という話を前の世界で聞いてはいたけど本当にあるとは…。ならあの未来ももしかしたら変えられるかもな。)
「翔くん?どうかした?」
「ん?あぁいや、なんでもないよ。ただいつ行くのかなって。それに、場所も知らないし。」
「ぼくもまだそれはしらないんだ。どこにいくのか、たのしみだね!」
「そうだな。」
その日の夜、旅行について親に聞いたところ本当に行くらしく、場所は山のコテージに泊まりに行くというもの。3泊4日らしくかなり豪華になるらしい。ただ、条件として旅行までに宿題をほとんど終わらせるというものだった。翔に関しては前の記憶があるため問題集については1日で終わらせることができた。恭也についても問題集は3日かかったが終わらせられた。自由研究がかなり厄介だったが共同で作業をし1週間かかったがそれなりのものが出来た。子供の力ではこんなものだろう、という感じの結果である。そういうことで無事、旅行の数日前には全ての宿題を終わらせることが出来た。そして旅行当日、車で3〜4時間ほどの距離にあるコテージに到着した。周りはもう山、森林、川の大自然に囲まれていた。初日はコテージの周りを軽く探検しただけで終わってしまい、子供心に火がついてしまった2人は消化不良を起こしていた。そして2日目
「今日は昨日行けなかった場所に行こう!」
朝の8時前元気よく声をかけてきた恭也に、寝起きの翔は軽い鬱陶しさを感じつつも、自分もはやく探検したいと思っているためすぐに準備をし外に出た。
「昨日はどこら辺までやったっけ。」
「きのうは目の前のところしかやってないよ。だから今日はあっちに行こうよ!」
そう言って指を指すのはコテージの裏側である。
「確かになんか気になるよね。でも、一応管理人さんに行っていいか確かめといたほうが良いんじゃない?」
「えー。はやくいこうよー。」
「これで勝手に行って怒られたら後がめんどくさくなるでしょ。だから聞きに行くの。すぐ終わるから。」
ぶー、と膨れ顔になりながらも大人しくついてきた。確認すると奥の方は野生の動物がいるため危険だけど、手前に神社があるらしくそこまでは平気だと言われた。そいうわけで早速出発することにした。
「こっちもあまりかわらないね〜。」
「まあ、森だからね。景色映はしないでしょ。」
「じゃあ、神社の方に行こうよ!おくに行かなければ見てもいいんじゃない?」
「迷わないように気をつけないとね。そこまで奥になければいいけど。」
そして5分ほど歩くと古くなって苔が生えてはいたが神社が見えた。ただ人がいる気配は全くと言っていいほど無く、不気味に見えた。
「日ざしがあるとは言え、なんかこわいね。」
「ん〜、なんだろうねこの感じ。」
この時の翔は、何とも言えぬ妙な気配を感じ取っていた。そのまま神社の境内をうろうろとしながら見ていると小さな祠を見つけた。小さなと言っても1.5mほどの大きさのため翔には大きく感じた。
(………?)
何故か気になり、その祠に手を伸ばし小さな戸を開けた。その中には縦長の木でできた箱が入っていた。開けようとした時
「翔くん〜。なんか見つけた?」
思わず我に返り開けるのを中断した。
「うん。なんか箱があった。もって帰ろうかな。」
「えっ、それもってかえっていいの?ダメなやつなんじゃないの?」
「…?なんでだろうね。なんか持ち帰ったくなった。多分大丈夫。」
漠然としてはいたが、持っていても平気だろうという感じがした。
「そろそろ戻ろうか。お昼だよ。」
「わかった。もどろう。」
そのあと来た道をひき返してコテージに着き、箱を自分のバックの中に入れてお昼ご飯を食べた。残りの時間は大人を交えてゲームで遊んでいた。そして旅行が終わり、残りの数日外に出て遊んだりカードゲームにはまりお小遣いを使ったりなど楽しい夏休みを過ごした。あの箱は開けられず部屋に置いてあったままだった。未来を変えれるということを思い出し翔は早速行動に出た。この先にあることに対処できるようにするため、医者になりたいと言うと両親は驚きつつもそれを承諾し、参考書を買ってくれた。その参考書は小二が使うとは思えないほどのものだったので両親はひどく困惑したが、これが良いという力説をして買わせた。そこから恭也とは遊ぶことは少なくなったが、恭也は元々勉強が好きなので遊ぶ以外のときは一緒に勉強をするようになった。小三に上がるころには翔は高校の範囲を網羅できるようになり、恭也は中学の範囲に手を入れつつある状況になった。ただやっていて疑問がいくつか出てきた。1つは翔の頭が良いこと。前の世界では恭也が近くにいたことで勉強していたが、そこまで頭が良いというわけではなかった。そして2つ目は記憶力が良いこと。もとから暗記科目が得意で英語や社会では恭也に並ぶほどの高得点を取れていた。数学や理解は持ち前の記憶力で公式丸暗記でやっていたが普通と言えるほどの点しか取れなかった。最後は理解力が良いこと。数学や理科の難しい問題の解説を聞いても自分の中で何回か噛み砕きながらではないと時間がかかっていたのに、今では説明を聞くまたは読み自分の中で思い起こすだけで理解できるようになっていた。良いことではあるが、疑問だらけであった。翔は考えても何も始まらないと思い、ここからは医学の勉強に専念することにした。半年も経つ頃にはある程度の病気の名前や症状などを理解し、未来を変える準備がほとんど出来た。そしてその日が来た。この日は翔の誕生日であり、前の世界で両親が死んだ日でもある。この日は朝から家族で出かけていて昼食を食べ終わり次の目的地に行こうとした時、暴走し時速が100kmは超えているであろうトラックが突っ込んできた。両親は翔を守るために翔を突き飛ばした。翔は擦り傷程度で済んだが事故にあった両親は父親は即死だったが、母親は少し運が良かったのかまだ息があった。重傷ではあるものの助かる命だった。だが救急車が来るのが遅れてしまい、母親は命を失った。これが前の世界であったこと。そして今回もそれが起こる時間までやってきた。思った通り、と言うべきかは定かではないが暴走トラックが突っ込んできた。両親が翔を突き飛ばす、突き飛ばされる直前父親を引っ張り少し位置をずらしたが父親は即死だった。せめて母親だけでもと駆け寄る。母親はまだ行きていた。医学の知識があるため救急車が来るまでの応急処置を開始した。前の世界よりは速く救急車が到着し応急処置の完了していた母親はその後無事息をとりとめた。父親は死んでしまったが、母親は生かすことに成功した。それから1週間が経ちお見舞いに行くのに電車を利用するため駅に行った。駅で電車を待っている時誰かに後ろから押され翔は電車に轢き殺された。
その時に見たのは誰か知らない人だった。
(…こいつ……誰だ…?なんで俺が殺されなきゃいけない。せっかく母さんが助かったってのに。くそっ……。まだ生きていたかったのにな。でも助けられただけ良いもんかな………。2回目生きられただけありがたいと思うか…。死にたく……なかったなぁ……。)
ドンッ、という鈍い音が駅全体に響き渡り翔は絶命した。
次に目を覚ますとそこは病室だった。