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繰り返す命  作者: ゆう
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1-2話 "あいつ"

そんなこんなで無事保育園に入園することになった。一度通っていたのもあって廊下や部屋の場所は全て覚えていた。特になんのイベントも無く年少、年中とあがっていった。年長にあがる2ヶ月前になってあることを思い出した。

(そういえばこの時期くらいにあいつがくるんじやなかったっけ。)

その記憶は正しかったようで、その週の土曜日に自分の隣の家に家族連れが越してきた。その一家は引っ越してきた際に、買い物終わりだった母と遭遇したようで少し話し込んですでに仲良くなっていた。その翌日改めて顔合わせしようという話になったらしく、自分も同行することを強制された。

日曜になりお昼少し前に家のチャイムが鳴った。母がそれに出て家に招待した。家に招待された人達は女性と男の子だった。

「君が(かける)君?初めまして。私は(いぬい)(はな)、この子は恭也(きょうや)。ほら挨拶して。」

「………こんにちは…。ぼくは、きょうや…です…。」

そう挨拶した男の子はかなり内気で、聞き取りには問題なかったが声は小さい方だった。やはり子供の頃は最初は内気なものなのだろうか、思いながらも自分も自己紹介をする。

「こんにちは。僕は翔。家が隣だし仲良くしようね。」

そう言い右手を差し出す。いきなりの行動だったので恭也は少しびっくりしつつも、右手を差し出してきて握手をしてくれた。

「このまま少し遊ぼうよ。僕の部屋におもちゃたくさんあるんだ。」

そう言い恭也を遊びに誘う。恭也は満面の笑みになり大きな声でうん、と言い翔について行く。

「翔くん、まだ小さいのにかなりしっかりされてるんですね。」

「そうなんですよ。子供なのにしっかりしすぎてて少し怖いくらいなんですよね。」

「でもよかったです。あの子かなり内気で、引っ越す前は友達がいなくて心配だったんです。翔くんなら良い友達になってくれそうです。」

「そう言ってくれて私も嬉しいです。保育園では一人でいることが多いみたいで実は私も少し心配だったんですよね。」

「案外似てるんですね。本当に心配なさそうで安心しました。これからもよろしくお願いします。」

「こちらこそよろしくお願いします。」

そんな会話が行われているとも露知らず子供らしく一緒に遊んでいた翔と恭也だった。


――――――


(遂に小学校入学!今日は入学式だな。懐かしい顔ぶれが並んでるな〜。)

「翔くん!」

名前を呼ばれ振り向くと恭也がいた。初めて会ったころに比べかなり仲良くなった。家が隣だから当たり前ではあるが。

「よっ、恭也。もうクラスは見た?俺とお前は1組だったよ。」

「ほんと!?おなじなの?やったぁ〜。」

(まあ、俺は2回目だから同じクラスなの知ってたから嬉しさは前よりかなり少ないな。)

「やっぱおべんきょうって、むずかしいのかな?」

「さあ?そこまででもないんじゃない?案外すぐ分かるようになって楽勝かもね。」

「そうだといいな〜。」

その後親に呼ばれ、入学式恒例の入学式看板の前での写真撮影を済ませ、教室に行き担任となる先生の話を聞いて解散となった。次に学校に来た時はクラスメイト達の自己紹介や学校を案内するといったことをやった。授業の方はやはりというべきか、簡単すぎて先生や親からかなり褒められた。そして今日は初めての体育の日。やることは身体測定である。最初の種目は50m走。恭也と走ることになった。

「がんばろうね、翔くん。」

「そうだな。負けないぞ。」

(運動はあまり得意じゃないし小一の頃の身体能力なんてカスみたいな記録しかでないだろうな。前も恭也に負けてたはずだし。)

そう思いながら自分達が呼ばれたため位置につく。そして合図がなり走り出した瞬間

「わっ!」

小一の体とは思えないほどの走力で50mを走り切る。周りや先生はかなり驚きの声を上げている。

(はっや。これ小一の体では?ていうかタイムいくつだし。)

自分自身も困惑に包まれている中タイムを聞きに行く。

「先生、僕のタイムっていくつですか…?」

「えっとね…。びっくりしたんだけど6.82秒なんだよね…。」

(前の世界の俺の記録に近い……というか少し速くなってる?どうなってんだ……?)

「もう一回測ったりします?」

「そうしたいけどまだ全員終わってないし、機械の故障とかズルでもないから、どうしようかなって思ってる。この目で見ちゃったし。」

「………そうですか。」

先生の側から離れ、もといた列に近づくとクラスメイト達が、はやいね、どうやってはしったの?ズルしたんだろ!などの色んな言葉が聞こえてきた。当たり前の反応ではあるがやはり戸惑う。それを見かねた先生が、離れるよう注意しその場は事なきを得た。

「翔くんってあしはやいんだね!それにくらべてぼくははやくないから、うらやましいな!どうやったの?おしえてほしいな!」

「恭也…。どうやった、と言われてもよく分かんないから教えることはできないぞ?」

尊敬の眼差しを向けてくる恭也にすごく心が救われた翔は、少しいつもの調子を取り戻す。

「ありがとうな。」

「?なにが?」

「なんでもない。」

その後の身体測定の結果も小一とは思えない記録を叩き出し周りを驚かせた。

(やっぱ前の世界の結果よりも少し上がってんな…。まじでどうなってんだ?)

これでかなりの注目を集めたが夏休みを終えると、何か言ってくる人はほとんどいなくなり安定した生活をおくれるのだった。

(来年は今年よりも少し記録落とすか今年の結果と同じくらいにしよう。)

どうも、ゆうです。今回は保育園児から小一までのことを書きましたがかなり長くなりましたね。本当はもう少し書きたいこともあったのですが、一年の時のことをのばしたって良いことはそんなないので書くのをやめました。次は二年生の話を書こうと思っていますが、多分そこまで書く内容は変わらない気がしてるので三年生の話も一緒にいれると思います。……前回一年につき一話〜とか言ってましたが前言撤回いたします。こう考えると小学生の話はすぐ終わりそうですね。というかこの世界の話は始まりの一歩手前なので早めに終わらせる予定です。つまらないとは思いますが読んでくれると嬉しいです。この世界が終わってからがスタートですのでもう少しお待ち下さい!では!

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