1-1話 もう一度始まる人生
目の前に死んだはずの両親がいた。思わず両親を呼ぼうとするが、上手く発音ができない。理由を考え自分の姿をみると赤ん坊の姿だった。赤ん坊というのは純粋な生き物なので嬉しさが顔に出たのだろう、両親は笑顔になりながら抱きしめてくる。それが自分を更に嬉しくする。
「お母様、お父様。この子の名前を決めてあげてはどうですか?」
にこかやかな顔を浮かべた看護師が名付けをすすめる。
「もう決めてあるんです。私達が考えに考え抜いて決めた、いい名前。」
「この子の名前は翔です。意味は色々ありますが、1番は元気に体を動かすことのできるという意味合いがつよいですね。」
自分の名前の思わぬ理由付けを聞き自分が誇らしくなった。
その後、無事我が家に帰り赤ん坊生活を余儀なくされるのだった。
3年後
(だいぶ話すのに慣れてきたな。あとはそろそろ文字を書きたいかな。)
あれから3年経ちかなりできることが増え、色々とやっていた。歩くのは足が発達し始めた1歳になる直前ぐらいには立つことに成功していた。その時の両親の喜び方はかなり衝撃的だったので頭に焼き付いてる。そして1歳になったすぐあと軽い単語なら話せるようになり、またもや両親を仰天させた。
「来年には保育園か幼稚園に入園ね。どこにしましょうか。」
「それなら知人がやっている保育園があるんだけどね。ここからそれなりに近くて設備がかなり整っているから安心して任せられる所があるよ。」
「いいじゃない。じゃあそこにしておきましょうか。」
ふと両親が自分の入園先の話をしているのが聞こえた。そこは前回の人生でも通っていたところなので久しぶりに行けると思い回想する。
(保育園をやっているということは園長かな、確かに父さん達と年齢が近いような気もしなくもない。じゃああの園長、父さんの知人だったんだ。初めて知ったぞ。……眠くなってきた。そろそろ寝るかぁ。)
「おとうさん、おかあさん、ねむいよぉ。ベッドいこう?」
なるべく子供っぽい声を出しながら呼ぶ。
「もうこんな時間か。じゃあ俺が連れて行くよ。」
「わかったわ。おねがいね。」
「よ〜し。翔、ベッドに行こうか。抱っこするぞ〜。」
(やっぱり抱っこは何時になっても慣れない…。恥ずかしいな。見た目が子供だということを忘れないようにしないと。)
そして父さんにベッドに連れて行かれ、寝るのであった。
どうも。ゆうです。今回は入園前のお話を書きました。まだ第1章といったところなので物語的にはそこまで面白くはないと思うのですがどうだったでしょうか?
次回は保育園を卒業して小学校に入学するところまで書く予定です。保育園はわりかしさらっと終わらせる予定なので薄くなると思います。小学校は6年分あるので濃くなるように頑張ります。1話で1年分くらいの想定なので6話で小学生編が終わります。中高はもう少しのばさないとつまらなくなりそうなのでのばしますが。では、長くなりましたが次回お楽しみに。