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繰り返す命  作者: ゆう
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2-4話 三人でお出かけ

朝、目が覚めると隣で可愛らしい寝息をたてる凛がいた。翔の身体に回していた腕を優しくどかし、そろそろ起きる時間だったため凛を起こす。

「凛さん。起きて。」

体を優しく揺するも凛はう〜んというだけで中々起きない。もう少し強めに揺するも、やはり起きない。翔は凛の頬をつねってみることにした。これで起きるという確証はないものの多少強引でもいいだろうと思ったからだ。人さし指と親指で挟み、つねった。

(うおっ、すべすべだ。柔らか〜。人のほっぺって触ったことないけどこんな柔らかいんだな。いや、女性だからというのもあるのか。う〜ん。にしても柔らかいしすべすべもちもちで、触り心地がいい。)

少し夢中で凛の頬を触っていると凛が目を覚ました。

「あっ、起きた。」

「う〜ん。やめて〜。」

だが少し寝ぼけているようだ。

「ちゃんと起きないともっとやりますよ。」

「起きるからぁ、やめてぇ。」

流石にしつこいか、と思いつねるのをやめる。凛は上体を起こし欠伸をした。

「おはよぉ、翔君。」

「おはようございます。そろそろ起きる時間なので起こしました。そして自室に戻って準備をしてください。」

「えぇ〜もう少し寝かせてほしいな〜。」

言いながらベッドに仰向けにして倒れる。

翔はベッドを降りて歯磨きやらをしようとした。

「あぁ〜ん。無視しないでぇ〜。」

そう言う凛に翔は、ならはやく起きてください、と言った。


いつもより少し騒がしい朝をむかえた翔は内容は変わったがいつも通り特訓をした。体術を学び、ナイフの扱いを学び、能力を鍛える。翔は自分の力が少しずつ強くなっているのを感じた。能力も上手く扱えるようになっていた。それから数日経ちいつも通り特訓をしようとしたとき、翔はあることを思い出した。

「桜さん、凛さん、今日特訓する前に少し時間いただいていいですか?」

「どうかしたのか?」

「いや、実は今日恭弥の誕生日なんですよ。だからせめて手紙ぐらい送りたいなぁ、と。」

そう、今日7月17日は恭弥の誕生日である。

「あぁ、なるほどな。手紙か。10歳のくせにそんなものを書くとはな。」

「いいじゃないですか。メールのやりとりもできないんだし多少原始的でもいいでしょう。」

「まあいいだろう。休憩をはさまないと、肉体に疲労がたまっていくだけだからな。」

「翔君、申し訳ないんだけど恭弥君ていうのはどういう子なの?」

翔はそういえば話したこと(桜は翔の情報をみる義務があったため恭弥の事を書類上では知っている。)はなかったなと思い出して凛に恭弥の事を話した。

「仲いいのね。」

「えぇ。俺の一番の親友です。」

翔は自分の過去を少し思い出しながらそう言った。

「なら、今日一日特訓はお休みして、皆でお出かけしない?」

「えっ、流石に手紙出すだけなので一日休むのはちょっと。」

「いいのよ、桜ちゃんもさっき休憩をはさまないとやってられないって言ってたじゃない。」

この話を聞いていた桜は特に異論を出すことなく、別にいいぞ、と言った。

「よし。なら準備して出かけましょう!」

凛はかなりはしゃいでいた。


そんなこんなで翔は手紙を書き終え、街の方に向かった。特訓中街を遠くから見ることは何度かあったが、行った事はなかったため少しわくわくしていた。手紙を出すのはかなり手間取った。一番の理由としては部隊の人に送るから、だった。部隊にいる人に何かの輸送物を送る場合その地の基地に行き色々手続きをしてようやく送れるのだが、その手続きがかなりの時間を要した。午前中に終わると思っていたが気付けば昼前である。だが無事に手紙を出せた。今は凛オススメのおいしいご飯が食べられるカフェに来ている。

「はぁ…。疲れた…。」

「意外と長かったね…。」

「もう少し楽にならないもんなのか?」

三者三様の愚痴を吐く。

「とりあえず、おいしいもの食べてあとは楽しみましょ?」

「そうだな。」

二人は机の上に置いてあった二つのメニューをみてなにを頼もうか決めている。翔は隣に座る凛にメニューを見せてもらっている。凛に強制的に隣に座らされたのである。このカフェはかなり色んなものを取り扱っていて、コーヒー類は勿論のことパスタやハンバーガー、スープなど幅が広い。翔はハンバーグとりんごジュースを頼み、桜はミートソースパスタ、凛はカルボナーラとアイスカフェオレを頼んだ。注文を終わったあと店を眺めてみるとかなり趣のある内装であることに気付いた。シックな感じとでもいうのだろうか、落ち着いた雰囲気のある内装である。凛曰くここのものは基本的に高いと思われる値段をしているが、それ以上においしいものが出てくるらしい。桜も凛に連れられ何度か来たことがあるらしくここにハズレはないとのこと。それに下準備だけして注文が入ってから作り始めるためか時間はかかるが出来立てのものがくるからそれもおいしさの秘密ではと言っていた。三十分程経ったころ頼んでいた料理と飲み物がとどいた。見た目だけで凄くおいしいというのが伝わってくる。

「凄くおいしそうですね…」

「冷めないうちに食べてしまおう。」

翔は珍しく桜が目を輝かせているのを見てそれほどのものなのか、と喉を鳴らす。

「「「いただきます。」」」

翔はハンバーグをナイフで切る。少し切っただけで肉汁がじわりと出てきた。そして一口ほどの大きさに切りフォークで持ち上げる。中にはみじん切りにされた玉ねぎが混ざっているだけで他のものは一切ない。そのシンプルなハンバーグを口に運ぶ。

「……!」

なにもつけていない状態のハンバーグなのに肉と玉ねぎの旨味をしっかり感じ、噛むたびに溢れる肉汁に熱さを感じつつもしっかり味わう。

「うっま…」

そう自然に言葉がこぼれる。次はデミグラスソースに付けて食べてみる。素の状態でもとてもおいしかったが、当たり前ではあるが更においしくなった。このデミグラスソースほ自家製でハンバーグにあうように作っているらしい。そんなこんなで口に運ぶ手は止まらず気付けばハンバーグはなくなっていた。

「ごちそう様でした。おいしかった…」

「ふふ、でしょ?気に入った?」

「はい。今度機会があったらまた来たいです。」

「じゃあまた食べに来よっか。」

そう言って翔達はお店を出た。


ご飯を食べたあとは凛主導のもと、街を歩き回った。服屋で色んな服に着替えさせられ、ファッションショーみたいな事をしたり。逆に桜や凛が色んな服を着て、翔に感想を聞いたりなどしていた。翔は十歳にやらせるようなことでもないと思った。桜は自分が着るとなった途端物凄く嫌な顔をしていた。道中、桜と凛は色々な人に声をかけられていた。その人達はファンであるとか、人類を守ってくれていることへの感謝だとかを口にしていた。能力を使えるといっても戦闘を得意としなかったり、能力が上手く使えなく戦って人類に貢献しようとしてもできない人達は能力が発現する前の世界のように普通の生活をおくっている。声をかけられた時の桜と凛は照れながらも喜んでいた。きっと彼女らの心の励みになっているのだろう、と翔は思う。いつか自分も感謝される日が来れるように頑張ろうと思った。そんなこんなで三時を少し過ぎたあと、思い出したかのように桜が言った。

「そういえば行きたい所があるんだった。」

「どこにです?」

「能力やらクリーチャーやらを研究している場所だ。」

「あぁ、あそこね。確かに行っといたほうが今後役に立つしいいかもね。」

「凛さんも知っているんですか?」

「知ってるもなにも、多分お世話になっていない人はいないと思うわよ?」

「とりあえず移動しながら説明しよう。」

このあとかなり詳しく説明してもらった翔は、自分の中で簡単にまとめた。

(ふむ、つまりはその研究所は桜さんの言う通り、能力、クリーチャーを主に研究する場所で、戦闘においての防護服やら武器やらの製作もしているところ、か。確かに早めにあって顔を覚えてもらうのはいいかもしれない。俺の能力ももう少し詳しく知れるかもしれないしな。)

「かなり大きいから今だに迷うのよねぇ。」

「それは凛が覚えようとしないからじゃないのか?」

「ひど〜い。そんな事ないもん。私に必要なとこは覚えてるもん。」

「それ以外は必要ないから覚えるつもりがない、と言ってるもんでは?」

「……そうとも言えるかも。」

「そんなに大きいんですか?」

武器や防具を作るため大きいだろうとは予想していた翔だが、この二人の会話では予想より大きいかもしれないと思った。

「かなり大きいな。武器、防具を作るし、クリーチャーの解剖とかもするからな。研究室が足りないと言っているくらいだ。」

「それだけじゃないわよ。本部よりも大きし、一種の要塞みたいな見た目してるからいざ襲撃にあったとしても能力者なしである程度自衛もできるように設計されてるのよ。そのときは一般人のシェルターのような役割もするらしいからかなりのスペースを確保しとく必要があるんだって。」

ここで翔に一つ疑問が浮かび上がった。

「らしい、というのは?」

「そもそもここ自体がかなりの大きさを持ったシェルターだし、私達部隊の人間が襲撃にあう前に撃退するからそこまでの事態に陥ったことないのよ。」

「そろそろ見えてくるぞ。あれだ。」

そう言って桜は指をさす。見えてきたのは立方体の形をした建物。まだそれなり距離があるらしいが、かなり大きく見える。予想していた数十倍の大きさを持つ建物に翔は驚愕する。地下にも広がっているらしいので、見えているこれは一部らしい。

「とりあえずここだな。」

桜はまだ距離がある場所で立ち止まる。近くにはよくわからない機械が置いてある。

「……?ここで止まってなにを?」

桜はその機械に向かって何かをしている。

「実はもう研究所の敷地内なのよ。敷地内にはゲートって能力を持つ子がいて、その子に頼んで入り口近くまで送ってもらおうとしてるの。そこに機械があるでしょ。それにどこに行きたいかを選択するの。そうするとそこに行くためのゲートが開いてくぐるとそこにつくのよ。」

桜は場所を選択したのか、翔達のもとに戻ってきた。すると空間に歪みが生じ、ゲートが開いた。桜と凛はそのゲートに向かったため翔もついて行く。くぐった先は研究所の入り口だった。そして中に入る。

「さて、お前に会ってほしいやつがいるんだ。」

「会ってほしい人、ですか。」

「会う前に説明しておこう。そいつは多分この世界で一番の天才だ。だが変態だ。」

「変態…」

「あぁ。そのおかげか、あいつは自由に研究、製作ができる。今も何かに没頭してるだろうな。で、そいつに会いに来た理由だがナイフの解析をしにきた。ナイフは持ってきたな?」

「はい。」

翔はリュックの中に入ったナイフに布越しに触れる。何故か家を出る前にナイフ持ってこい、と言われていたがその理由に合点がいく。

「よし。なら行こうか。少し遠いが多分通うことになるから覚えておけ。」

まず、入り口正面の受付に行き、その人の所に行きたい事を伝える。そうすると色々確認したあと、受付の奥に案内され地下へと続くエレベーターに乗る。特別な人達のみが使えるエレベーターだそうだ。そしてものの数十秒で目的の階に到着する。そして部屋のような空間のある場所を通り、扉を開ける。かなり広い研究室がそこにはあった。

「さあ、到着だ。」

「おお…散らかってますね。」

「それは仕方のないことだ。そろそろ来るぞ。」

すると奥からドローンが飛んできた。

「久しぶりだな。」

「久しぶり〜。」

「お久しぶりです、桜様、凛様。何のご要件でしょう。」

そのドローンは流暢に喋りだした。まるで本物の人のように話す。

「今日は調べてほしいことがあるのと武具の点検にな。」

「かしこまりました。…ところでそちらが七人目の方ですか?」

「そうだ。紹介が遅れたな。翔だ。ほら、挨拶しろ。」

「えっと…翔です。よろしくお願いします?」

機械に挨拶するのは違和感が凄いため疑問形になってしまう。

「ワタシはサポートAIのアイです。よろしくお願いいたします、翔様。では案内いたします。」

様と付けて呼ばれることに恥ずかしさを感じる翔をよそにアイと名乗ったドローンは奥に行く。奥にはなにかをいじっている人がいた。

秀人しゅうと様、お客様でごさいます。」

秀人、と呼ばれた人物は翔達に顔を向け

「客?……おお!桜じゃないか!久しぶりだね。」

「久しぶりだな。」

「長い間顔を見せないから心配していたんだよ。もう大丈夫なのかい?」

「平気だ。」

「そうか。ならいいんだ。それで何か用があってきたんだろう?」

「あぁ。調べてほしいものがあるんだが平気か?」

「平気だよ。今少し詰まっていてね、気分転換になるものがないか考えていたんだよ。」

「そう言う割には何かいじっていたようだが。」

「手遊び的なものだよ。特に役立つものでもないさ。」

そして秀人は桜の奥にいた凛をみる。

「凛も来ていたのか!君も何か用かい?」

「いえ、私は挨拶をしにきただけです。このあと私の武具の点検をしに行こうと思ってるので少ししたら出ますね。」

「そうなのかい?少しゆっくりしていけばいいに。というわけではないな、君の武具はかなり複雑だからそれなりに時間がかかるのか。仕方ないな。」

「すいません。またゆっくりできるときに来ますね。」

「そのときは話し相手になってくれ。」

「ふふ、はい。では行きますね。桜ちゃん、終わったら連絡してね。」

「わかった。」

そう言って凛は部屋を出た。そして秀人は凛の隣にいた翔に気づく。

「その子は?」

「知らないのか?七人目だよ。」

「七人目がでたのか!」

座っていた椅子から飛び出し翔の前に来る。そして秀人は翔を手で触れ観察する。

「おお…本当に七人目だ…。初めて知ったよ。ここにいるとアイから聞かない限り情報が降りてこないからね。それにしても七人目か…。」

「あの…ちょっと…やめてほしいです…。」

「ああ!すまない。昔からの癖でね。自己紹介がまだだったね。僕は研究者の早乙女秀人(さおとめしゅうと)だ。僕のことは好きに呼んで構わない。僕の所に来たということは僕に世話になることがあるということだと思うから僕の能力を説明しておこう。僕の能力は解析、分析といったところかな?とりあえず目で見たもの、手で触れたもの、はたまた匂い、味、音、それらの分析ができる。よろしく。」

そして秀人は手を差し出す。

鏡谷翔(かがみやかける)です。よろしくお願いします。」

そして翔はその手を握る。

「さて、調べてほしいものというのはこの子のことかな?」

「いや違う。翔、出せ。」

「はい。」

翔はリュックの中からナイフを取り出す。そしてそのナイフを秀人に手渡す。

「これかい?」

「あぁ。頼んだ。翔以外だと鞘から抜けなくてな。あたしの目には異様な気配が漂っているのが見える。」

「ほう、それは興味深いね。ただ残念なことにこのナイフは普通のナイフだ。」

「なんだと?それは本当か?」

「えっ、本当ですか?」

「僕が嘘をつくように見えるかい?」

「いえ…。」

「確かに鞘からは出せないね。不思議だ、性質は普通のナイフでこれと言った特性はないのに出せない。おもしろい。一応出してもらっていいかい?」

「わかりました。」

翔はナイフを鞘から出し、持ち手を秀人に向ける。秀人はそれを受け取り、刃に触り目を凝らしながら観察する。

「うん。特に変わりはないね。普通のナイフだ。桜が見えているものを見ることができたらなにか思うことがあるのかもしれないが、見えないからね。僕から言えるのはこれは普通のナイフだ、ということだ。僕の見解は以上だよ。」

そう言って鞘にしまい翔に返す。

「ナイフのことも気になるが、今は翔、君に興味が尽きない!少し見てもいいかい!?見させてくれ!」

両肩を掴まれ懇願される。

「あぁ、はい、どうぞ?」

よし来たと言わんばかりに、翔に触りまくり観察する。

「十歳にしては凄い筋肉と脳のシワだね。桜厳しい訓練かなにかやらせすぎじゃないかい?」

「これぐらいしないと任務で生き残れないだろ。」

「それはそうだが…まあいい。健康だからね。問題はないっちゃない。そして満足だよ、少し乱暴しすぎたかな?すまないね。」

グチャグチャになった翔の服を正し桜に体を向ける。

「他になにかあるかい?僕は平気だよ。」

「なら……」

そこからは桜の新しい武器、防具の設計を考えたり、翔の防具を考えたりということをした。他にも能力ことについて話し、今後どのように特訓していったらどうかなどを言ってもらった。かなり長く話していたのか、長くなると聞いていた凛から連絡が来た。時間も時間なので今日は解散ということになった。

「じゃあまた来れるときに来るといいよ。あと、翔の能力は僕に聞くより早紀(さき)に聞いたほうがいい。」

「早紀?」

「ここに来るときに使っただろう?ゲートの能力を持った子だよ。似通っているからそっちに聞きに行ったほうがいい。今度来るときに話を通しておこう。」

「ほんとですか!ありがとうございます!」

「いや、いいんだ。それじゃ凛が待っているだろう、早く行きなさい。」

「あぁ、またな。」

「また来ます!」

「次来るのを楽しみに待っているよ。」

凛とは入り口で合流した。終わってからそれなりに時間が経っていたので凛は少し怒って、唇を尖らせていた。

「遅〜い。かなり待ったよ?」

「すまんな。話が盛り上がってな。」

「すいません…」

謝ると凛は怒りをおさめた。

「もう。夜ご飯こっちで食べて帰りましょ。あそこのカフェ以外にもおいしい場所が沢山あるのよ〜、そこに行きましょ。」

「そうするか。」

「どんな料理屋なんですか?」

「えっとね〜、このあと行くのは海鮮がメインの場所よ。新鮮でおいしいのよ〜。」

凛は両手を頬に当て目を閉じ少しよだれを垂らしながら想像している。想像しているだけなのに幸せそうな顔をしている。それだけおいしいという証拠なのだろう。

「楽しみです。」


そこの料理は凛が絶賛するだけの事もあってか凄くおいしかった。海鮮がメインのお店であるため魚を使った料理が幅広くあった。刺し身、丼、寿司、フライまであった。その後家に帰り、風呂に入り就寝の準備をした。翔にとって今日という日は何気ない普通の日を過ごしたからか、とても満足していた。普段の生活が不満か、と言われればそうでもないが今までの経験からしても非日常であることには変わりない。明日からはまた特訓の毎日だが、今日街でみた人々の顔を思い出し、それを守るために戦えるようにならないと、決意を固める。

「もっと、成長しないと。」

そうして目を瞑る。疲れていたのだろう、すぐに意識は闇の中に落ちる。


桜は一階のリビングにいた。そこで今後のことについて考えていた。

(時間的に見ればまだ翔は任務には出せない。だがクリーチャーを倒すうえでのレベルを考えると、普通に戦えるだろう。だが、万が一戦わせたとき死に至るような怪我をしたらどうする?今のあたしに助けられるか?)

桜は落ち着いて深呼吸をする。すると凛がリビングに入ってきた。

「桜ちゃん?どうしたの?」

「いや、この先のことについて考えていた。」

「この先…翔君を実戦に向かわせるのね。」

「あぁ、だが今のあたしに助けられるか、と思って。もし、なにかあったとき、あたしは、」

「大丈夫よ。翔君は、凄い勢いで強くなってるじゃない。それに、」

「それに?」

「簡単に死ぬようなことはないと思うわ。そんな感じがする。」

約束だってあるしね、と心中で凛は付け加える。

「それにそんな心配してたら逆に自分が危なくなるかもしれないし。あの子の気配が見えるんだから、そうは見えないでしょ?」

「そうか、確かにな。あいつはなぜだかやすやすと死ぬようには見えないな。ありがとう。頭がスッキリした。」

「ふふ、よかったわ。じゃ、私は寝るわね。おやすみ、桜ちゃん。」

「おやすみ。」

再び一人になったリビングで桜は改めて決意し、覚悟する。この先になにがあっても、手の届く範囲は絶対に守ると。それが自分の命を失うようなことでも。

「………あたしも寝るか。」

桜は、ぼんやりと付いていた電気を消しリビングを出た。

どうもこんにちは。ゆうです。


少しバタバタしていて書けていませんでした。

多分また書けない日が来て投稿できなくなるかもしれませんが気長に待ってほしいです。

(なるべく頑張りますが…)

そして今一つ迷っていることがありまして、Xアカウントを作るかどうかなのですがどうしましょう。ということです。作ったほうが多少なりとも宣伝とかできる…と思っているのですが、どうなんでしょうね。でも今のところ作る気でいます。作ったらフォローしてほしいなぁと思います。(小話とか入れ忘れた話とかちょっとした背景だとかを言っていくつもりです。)


では、また次の話で。次は物語が進む…かも?

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