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公爵令嬢(兄の婚約者)襲来

 前のを分けたの(やり方が判らないので)で一度消しました。同じ物の再投稿です。

「お嬢様――!」とずっと私を無視して、衣装を分別したりしていた、マーナが突然叫んだ。私は体を起こしつつ、ぼ―としていたら、高笑いと美しい声が聞こえた。


「あらあら、学園一の才媛がそんなお姿皆さまにお見せしたいわね」


私は声の主を無視してマーナに言った。「なんで通したのよ……あ、無視された……」


 コンスタンスはモーガン公爵令嬢で我が家と同じ公爵家であるが、より王家に近い家柄のため、序列が上だ。


「何でここにいるのよ……淑女の鏡様……」


と私は立ち上がりつつ言った。


「明日伺うって昨日手紙だしたわよね。色々話し合いですわよ。母上もいるけどさすがに下にいると」


  公爵夫人来ているの……


「ああ。そうでした。大変失礼致しました」そこまで言うと私は別室に行き簡単に着替えて出て来た。


「兄上がここまで通したの?話し合い私も参加するの?」


「はい、そうですわ。未来の妹よ……で、わたくしの婚約者であられるあの方はお母上様とわが母の相手をして下さっておられます。そこに合流する前にあなたに報告があります。あのエミリーが王弟妃に内定しました」と彼女は背筋を伸ばしつつ堅苦しく言った。て、エミリー……王弟妃?


「え……て……本当?」 


 私の反応を見てコンスタンスはマーナに視線を向けた。マーナは、


「旦那様、いえ公爵様はもちろんご存知です。お嬢様に言うの忘れてました。噂程度でも聞いたことはあるかと思っていたのですが。内定したは確かに申し上げておりません」


と私に対してはしたことがない態度で言う。


それを聞いてコンスタンスは「ちゃんとしないと、遅れるわよ。情報は重要よ」と指を立てつつ断言する。まだボーとしていて、なんか頭痛い。


「たしかに噂はきいたことがあるわ。でも男爵令嬢よ……」


「そうですが内定ですのよ。卒業式の前の芸術週間あたりの頃に正式発表です」




「確かに昔からエミリーと王弟殿下は顔見知りでしたよね」と私が呟くと、コンスタンスが


「そういえばあなたがクラレンスの王女とやりあったのも発端はエミリーよね?」


「ええまあ」


「あの話凄いわよね。もう伝説。で、あの後王女様に宿泊所のお部屋に突撃されたのでしょ……それでお姉さまと言われるようなったとか」


 そうなのだ。あの後、色々あったらしく私は宿泊場所の離宮の部屋にいた。晩餐会後の両親にかなり怒られた。この時に赤毛の少女がこの国の王女であると知った。予測はしていたけど……その後夜遅く王女が離宮に入り込み使用人たちがいる中堂々と私の部屋まで訪問してきたのだ。メリルが一緒にいたが仕方なく通したら寝台にドカッと座り腕を組み黙りこくってしまった。私たちも同じですごく重い空気が流れた。やがて王宮から迎えが来て彼女は連れられて行った。去り際にくるっと振り返り「お姉さまって呼びます!」と叫んで去って行った。これもあり、非公式ながらクラレンス王室より謝罪された。私のやった事も有耶無耶になり……


帰国後兄とナイジェルは定期的に連絡を取り合う仲になり、その中で王女が私に近づくために(?)自分やロスニア王室の王太子を狙っている事などを教えてくれた。うーん怖い。


「怖いですね……」とコンスタンス。この話彼女はもちろん知っていて、兄とも共通の話題として話しているだろうに私から聞きたがる……


「ごめんなさいね。私一年に一回はあなたから聞きたいのよ」


「そう……」わたしはいつも何でと聞くが、コンスタンスはニッコリしつつ何となくと言うのだ。


「あなたに近づけなくて王女はかわいそうだけど、たしか十歳の時にはトーレード王国の双子の王子様と婚約が内定して、貴方が嫁ぐ前に輿入れされるらしいので、会わなくて済むのでよかったじゃない」で肩をたたいてくる。


「それはそうですけど……」




 「そういえば、クラレンスの王太子様って謁見したことある?」と、コンスタンスが尋ねてきた。


「その時のガーデン・パーティーで拝見したのみです。でも途中で退席されました。王女様は最後までご臨席でしたわ」


「あの頃はかなりご病弱で、内気な性格でいつも王女様に引っ張られていたと」


「はい。まあ、あの王女に勝てる人はなかなかいないと思いますが……あの頃は王女の方が社交的で王にふさわしいと言われてたそうです。真面目で勤勉な王子様に対して王女様も頭は良いのですがその頭脳をどう勉強やお稽古事をサボろうかと使っていると噂されるようになり、王子様が立太子される流れになったそうです」


「ちょっと誇張が入ってそうね……」「伝説みたいなものかと」


「クラレンスは安定しているそうじゃない。こんなくよくよしないで堂々と構えなさい」「はい」




 我が国とクラレンス王国の住民の結婚は庶民同士では険悪な状況でも行われていたが(そこに国家が関わる事はない)貴族同士では下級のみしかない。両王室はやがて王族同士の結婚も視野に入れているなかで、両国の公爵家の子女が年齢的にも釣り合うので(五歳差)ロイヤル・ウェディング前の段階として計画されたのだ。そして、ナイジェルと令嬢の結婚にモーガン公爵が反対したのと、私の兄のライアンとの婚約が内定したのもあって、私が結婚することになったのだ。でも、それは私たちの知らなかった事なのだ……


 といっても両国の王家に釣り合う王族が居ない(クラレンスの現国王のの王女は問題の王女一人だけどいわゆる従妹はおられる。また庶子はおられることはおられる)ので、ロイヤル・ウェディングはかなり先の事になるだろう。


「今までの感覚的な二国間の距離とは違ってこれからは近い国になるのだから何時でも遊びに行くわよ。実際本当に近いしね」「お待ちしています」




「しかし、その時に王女様がエミリーと王太子様との間に起こった話を知っていたのよね」


「はい。まあ、王族にまつわる話や噂は皆好んでしますし、話が盛られて広がっても仕方ない面もあります。隣国でどのようになっているかは存じません」

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