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記録0:2050

報告開始、近衛隊初等教育プログラムを起動―――

 時は二〇四〇年。中国の台湾への侵攻を皮切りに第三次世界大戦が始まった。


 主戦場と化した東アジアでは、中国、ロシアを中心とする中央連合と、日本、インド中心の世界連合が激しい戦闘を繰り広げた。米国はほとんど支援のみで、戦闘にはほとんど参加しなかったが、圧倒的な物資支援のおかげで、二大国相手にある程度は太刀打ちが出来た。


 しかし、東京に戦略核兵器が使用され、Jアラートが発令されたが、東京湾付近で中国の潜水艦からの発射のために発令が遅れ、尚且つ都民の危機感の無さにより、死者三百万人、重症者五百万人という結果になった。


 これに政府は機敏に動けず、自衛隊率いる治安維持組織のクーデターが発生。政府は一晩で倒れ、日本はその後わずか二日ほどで旧憲法と民主制を捨てることとなった。米国がこれを黙認するわけもなく、日本への物資輸出の停止を宣言すると見られた。しかし中国側に付いた日本との第二次太平洋戦争という不安が米国国民の中に広がり、妥協案として戦時中のみの物資輸出政策が取られた。


 インドは、対中国ではヒマラヤ山脈で戦線が膠着し、中国との目立った戦闘はなかった。しかし、ロシア、中国の支援を受けたパキスタンとの戦争になり、インドはこれに苦戦。しばらく東アジアには顔を出さなくなった。


 朝鮮半島では同じく中国、ロシアの支援を受けた北朝鮮が韓国と戦闘状態に入った。しかし、韓国は米軍の大々的な支援と日本の援軍により善戦し、朝鮮半島を統一することが出来た。


 そして、北朝鮮の核兵器の発射を未然に阻止した米国の特殊部隊の力もあってか、北朝鮮製核ミサイルによる日本の報復攻撃が開始された。

 日本の新しいトップ層による核ミサイル全弾発射は戦時中社会に大きな衝撃と恐怖を与えることとなった。


 結果的に着弾二発、死者四百万人に留まったが、沿岸部は核により汚染され、中国の経済特区はもはや機能しなくなったと言って同然だった。


 そして戦争終結は二〇四八年に、仲介国のスイスのジュネーブで行われ、日本は北朝鮮権益を獲得し、北方四島を取り返した。

 そして韓国は北朝鮮の統治権だけを得て、国境がなくなったため、北朝鮮からの難民が流れ込み、政治が混乱している。

 インドはパキスタンを全土併合し、パンジャーブ自治領を設置。元パキスタン領地から核爆弾とそれを製作可能な工場を全て破壊した。

 米国は中国の上海に基地を置き、シンガポールの保護権を獲得した。


 中国は台湾を正式に中華人民共和国として編入し、中国の統一を宣言。そして日本と韓国も支援のもと復興が約束された。

 ロシアでは大統領独裁体制の批判から、ロシア大統領が安定した権威を求めてロシア帝国を再建した。そしてまずは旧ソ連領土の全併合を行い、反発こそあったものの、国力が戦争で跳ね上がっていたロシアになすすべもなく併合されていった。


 結果的に戦争は引き分けとなって終了したが、核兵器の使用により被害は甚大で、戦後世界はまたも米国とロシア二強の時代となってしまった。


 たが、先の大戦と違い、日本が民主化をしておらず、軍国主義色に塗れていた。


 中国は戦後から一年の二〇四九年に各地で大反乱が勃発。

 南部には一君万民を掲げた軍閥派、上海周辺は急速な自由民主主義を推し進める自由派、北部はどこかの国の差し金で突如復活した満州国、西部の高地に出現した少数民族率による帝国主義を推し進めようとする帝国派、そして中心部、北京やその周辺一帯を依然として支配している中華人民共和国に分裂してしまった。


 そして戦争の被害は戦争国以外にも波及していた。


 欧州ではロシア帝国に対抗するため、米国の権威失墜で使い物にならなくなったNATOの代わりに対ロシア、対米国の軍事同盟のEV(Europäische Verteidigungsstreitkräfte)が『ヨーロッパ防衛軍』として誕生した。本拠地及び提案国がドイツのため、ドイツ語表記となっている。

 これに付随しEUも一新し、英国も加入しトルコもEU、EVそれぞれに加入した。


 そして中東ではイスラエルが暴走し、第六次中東戦争が勃発。イスラエルは米国とイギリスと日本、インドの支援を受けて中東のイスラムシーア派テロ組織と正面戦争に臨んだ。


 戦争の結果は自明であり、一瞬で破壊されたテロ組織はアフリカ大陸に逃亡し、現地のアフリカ連合に合流し、アッラーのご加護の下というスローガンで現地民を鼓舞した。

 国境線を引き直し、今まで武器に当てていた多額の財産をすべて再教育に注ぎ込み、言語を英語に統一した。そして戸籍を急速に完成に持ち込みイスラム教シーア派とスンナ派を混合した宗派に強制回収した後、元テロ組織による兵士確保と治安維持によってアフリカの治安と産業は著しく伸びたのだった。


 ここで名もなきテロ組織集団は一つにまとまり、世界への聖戦ジハードを次のスローガンにし、組織の名前を『アル・ハラータ』として、中心都市をアレクサンドリアと定め、郡県制を利用し、アフリカ大陸を百の群に分け、そこに中央から完了を派遣し統治させた。

報告終了。お進み下さい

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