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僕とカフェとサイボーグ  作者: iTachiの隠れ家
分岐α:扉の向こう、ただ一つの道。
102/122

記録100α:米空母艦隊、死滅

―――緊急伝令、緊急伝令。ロシア第二帝国及びアメリカ合衆国から宣戦布告が通達されました。

敵軍はウラジオストクを既に出港。北海道に向かって進んでいます。

ロシア軍による同盟国華興大聯邦への攻撃が開始。これにより中国戦線の瓦解は時間の問題となりました。

王慶斉は依然として沈黙を貫いておりますが、いずれ退却を開始するでしょう。


―――追加伝令。日本全国に設置されていた米軍の基地に残っていた全兵士の処刑が終了。直ちにアメリカ合衆国メディアに流します。


―――敵軍発見。衛星写真から米空母艦隊を補足。北海道沖約三百キロメートルの位置に展開。トマホークミサイル及び樺太からの敵戦闘機多数発進を確認。


―――被害報告。稚内に設置されていた観測所が原因不明の爆撃により破壊されました。ステルス機による爆撃であると推測。


◆ 北海道沖 上空 米露連合飛行部隊


「こちらアルファ。敵戦闘機部隊を確認。F3戦闘機三機です。オーバー」

「たかが三機程度だ。こっちは二十機以上だ。慎重に撃墜しろ」

「了解」


F35-xとSu57が編隊を組み直して迎撃準備を整えた。正面から猛スピードでF3三機が突っ込んできているのがレーダーからも分かった。


「ミサイル発射」


五機の戦闘機から順番にミサイルが発射された。

ミサイルは敵機に順調に近づき。


そして、急に躱された。


「奴ら、フレア無しで回避しやがった...」

「何ッ!?フレアは出ていないのか!?」

「ああ、確認できなかった。油断するな。総統な手練れだ。もしかすると『あいつ』が指揮している編隊かもしれない!」

「了解」


その時、フッとレーダー上から敵影が消失した。


「敵機ロスト!繰り返す、敵機ロスト!」

「まだ遠いはずだ!よく探せ!」


ビーッ ビーッ ビーッ


ミサイル接近の警報装置が鳴り響いた。


真下の雲から一発のミサイルが上がってきて、Su57の尾翼をかすめて爆発した。


「クソッ!制御を失った!ベイルア―――」


ミサイルの飛んできた方向から銃弾が空を切り裂き、そして機体を貫いて登場した。


「敵だ!真下!に居る」


ここで、米露連合飛行部隊のパイロット全員が一瞬で事を理解した。


「クソッ!管制塔と連絡が絶たれた!」


何者かが管制塔との連絡経路を遮断したのだ。

パイロットたちが冷静を取り戻そうとしていた時、真下から敵機の反応が確認された。


「来るぞ!避けろ!」


誰が言ったかわからない無線の後、三機の戦闘機は至近距離でミサイルを発射した。

しかし高度に改造されたF35-xとSu57はミサイルを回避することに成功した。

今度は反撃だと機体を安定させた途端、今度は上空から弾丸の雨が降り注ぎ、米露それぞれ一機が破壊された。


そこからはもはや蹂躙と呼ぶに相応しい光景であった。

司令部と綿密に連携を取りながら、近くの基地から発射されるミサイルや無人機と共に戦う第六世代型戦闘機F3と、改造されたとは言え時代遅れとなったF35、Su57では到底太刀打ちできるものではなかった。

敵の機銃に容赦なくコックピットを銃撃されるうちに、段々と無線の声は小さくなっていった。


そして隊長機がまさに撃墜されんとしていた時、彼は真上から迫ってくる戦闘機に『とあるマーク』が施されていることに気づいた。

隊長は、残っている機体に向けて最後のメッセージを残した。


「今すぐ離脱しろ。死神だ」


彼が見た最後の光景は容赦なく機銃を撃つ、タバコを吸っている死神のペイントの施されたF3の姿であった。


◆北海道沖約三百キロメートル、太平洋艦隊


「これより敵海軍と接敵する可能性が非常に高まる。総員、心してかかれ」


太平洋艦隊の艦長は原子力空母『カーネル・トランプ』の操舵室で、奇妙な違和感を抱えていた。


ここに来るまで、日本軍と一回も接敵していないのだ。

それに、先んじて行動していた原子力潜水艦部隊も何の敵も発見できなかったのだ。


これにはなにか裏がある。彼は総革新していたが、今更太平洋艦隊を足止めすることなど不可能だと分かっていた。

たとえ太平洋艦隊が敵の策略にハマってすべて海の藻屑と消えたとしても一ヶ月もあれば太平洋艦隊はまた復活する。

本国はそこまで、この空母を除いて旧式装備の集まりとなった艦隊のことを重要視していないのだろう。


ジュバンッ!


ミサイルの音でも、榴弾の音でもなかった。歴戦の兵士である彼も、全く聞いたことがない音だった。


「何の音―――」

「緊急警報!飛行甲板を謎の飛翔体が貫通!格納庫内の戦闘機に命中し爆発しました!消火活動は既に行われて延焼の心配はありませんが...これは一体何の兵器でしょうか!?」

超電磁砲レールガンだ!全艦、離れろ!」


艦長の言葉虚しく、飛行甲板には次々と穴が空いていき、周囲の艦船も何度か被弾して船に穴が空いていた。


「射程は二百キロじゃなかったのか!?クソッタレ!」


その時、飛行甲板に一発の爆弾が落ちてきた。


CIWSも、レーダーも反応しなかった。


爆弾は飛行甲板にふれるなり破裂し、そして大きな煙を上げた。


艦長には、これがなにか分かっていなかった。


そして十分後、太平洋艦隊は行動不能となるレベルまで人員が死滅していたのだった。



「戦果は?」

「敵戦闘機編隊、太平洋艦隊の撃滅が完了しまシタ。しかし、こちらは北海道に敵軍が上陸、その数、およそ十万人程度でショウ。これが先遣隊と考えるのが合理的デス」

「李さん。ありがとうございます」


総合作戦司令室の椅子に座りながら、私は次の作戦を考えていた。

まずは太平洋艦隊を接収してスクラップに...戦闘機はバラして研究部品に。さて、中国戦線は...まあ、あの爆弾を送りましょうか。


「李さん。『天照』の準備を。横須賀に置いてあるはずです。早速中国に送りますよ」

「はい」



「王国家首席!敵はもう成都まで来ています!撤退を!」

「ああ、そろそろ、行くか。次は、一旦重慶に入る」

「重慶...未だ死体の山ですよ?」

「構わない。あそこは、人口密集地だったがために、大量の要塞戦がある。それを、うまく使うんだ。それに、日本も最大限の、支援をすると、約束した。分かったら、準備を」

「了解」


側近に命令を出して、各部隊に撤退命令を出した。防衛戦は地形的な線。つまり山脈、川。そして事前に倒壊させておいた高速道路。だ。これらを要塞として運用し敵の進行を少しでも食い止める作戦だ。

補給の悪い米軍は日本に行き、そして日本界に本格的に進出したいロシア第二帝国は必ず南部にあるこの華興大聯邦を破壊するつもりだ。


そしてその経路はある程度読めている。

成都方面にいる敵軍はただの囮。

本隊は南京方面から海岸を伝って華興大聯邦の首都である広州を攻め落として指揮の低下から国家体制の瓦解を目論んでいるに違いない。

ならば、広州を固めて―――というのは一般的な考えだ。


嘗てソ連軍がドイツ軍を首都モスクワで迎え撃ったのを知っているだろうか。

この作戦は、双方にとって重要な戦いで、特に防衛側のソ連にとって、いちばん大切なものとなっていた。

スターリンは最後までモスクワに残って指導を続けて士気を高め、そしてドイツ軍を打ち倒した。

そして現在のロシア軍は、無駄に伸びた補給線。前線に詰まっている大量の兵士、武器、弾薬、各種装備。これだけ補給線が伸びていれば、どこかに粗はできる。

そこを突いて、補給線を断ち切るだけでは意味がない。敵の士気を完全に下げることが目的となるのだ。

今のところ勝ち続きのロシア軍はまだ決定的な敗北を知らない。


先の大戦の日本軍のように何度か敗北でも経験していれば話はまた変わってくるだろうが、決定打となる敗北を長い間知らない軍隊は弱い。これは昔からの定石である。しかし同時に、猛烈に士気が高いのも難点である。

対日戦で米露軍が苦戦する前になんとか戦いたいところだ。


そんな事を考えながら、僕は広州でロシア軍を迎え撃つ作戦を考えた。

お読み頂きありがとう御座いました。次回もこうご期待!


次回『北海道上陸作戦』

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