67.マヌエッタ(商売係)
毎度どうもです。王国の福の神エリザベート様の商売係、マヌエッタとはアタシのことです。エリザベート様のひらめきを商売にして、どんどんジャンジャン儲けるのがアタシの役目です。商売繁盛、千客万来で笑いが止まりません。あっはっは。
エリー様には、お金が好きなマヌエッタだからマネちゃんね、と言われてます。はい、お金大好きです。
でもエリー様に会うまでは自転車操業で、家族で夜逃げの危機でした。いよいよ終わりかって日に、エリー様が借金肩代わりするから、商品化手伝ってと話を持ちかけてくれたんです。そんなうまい話あるかいって家族全員疑ったんですけど、他に道はないから腹くくったんです。
あのときエリー様が来てくれなかったら、うちの家族生きてなかったです。我が家では食前のお祈りをエリー様に捧げてるし、家族全員エリー様の肖像画入りペンダントを首からさげて、しょっちゅう祈ってます。エリー様は我が家の救いの女神です。なーむ〜。
なーむ〜というのは、エリー様が以前やってたのを見て、真似してます。なんだかかわいらしくてエリー様にピッタリです。
エリー様の商品案は食品から医薬品まで幅広いです。エリー様の最近のお気に入りはスライムです。スライム最高〜、使いすぎて呪われないか心配、なーむ〜と言ってました。
最近売り出したスライム傷包帯は、傷の上に貼ると化膿せずにすぐ治ると評判です。兵士や冒険者に売れまくってます。ウハウハです。ウハウハというのもエリー様から教わりました。エリー様は王国の賢者で、難しい言葉をたくさん知っています。
スライム商品は秘密が多く、アタシも全容は知りません。秘密兵器のスライム製特殊ボディースーツというのがあるらしいのですが、それは国家機密で父さんとエリー様だけが扱えます。エリー様は、マネちゃんにはまだ早いって言ってました。残念です。アタシも早く一人前になりたいです。
「おーい、マネ、邪魔するぞ」
「データさん、突然どうしたんですか?」
「孤児院が金欠だと、なんとかしろ。聖女の丸投げでこっちに飛んできた。エリー様は聖女に甘いからな……」
「リリアンヌさんは考えるのが苦手な人です。エリー様が言ってました。人には向き不向きがあって、みんなが全部できる必要はないって。得意なことを伸ばして、補い合えばいいって。リリアンヌさんは笑ったり泣いたりするだけで尊いんですって」
「そうか、意味は分からんが、エリー様がそう言うならそうなんだろう。それで、孤児院の資金繰りについては何か考えがあるか?」
「ちょっと待ってください。エリー様から困った時のサシスセソをもらってます。えー読み上げます。『さすがです。知らなかった。スライム。洗濯。掃除。なーむ〜』……」
「なんだそれは……」
「は、分かりました。孤児院でスライムを養殖して、洗濯や掃除に使うんです。それなら技術のない孤児でもできる」
「スライムって、子供が扱えるのか?」
「大丈夫です。最近開発したスライム手袋を使えば、安全にスライムが操れます。例えば、孤児がスライムを連れて工場などに行き、洗濯や掃除をしてお金を稼いでもいい。スライムとスライム手袋を合わせて売り出してもいいかもしれない……」
「さすがだな、エリー様は……。一体どこまで先を見通しているのだ……」
「エリー様は福の神で救いの女神ですから。なーむ〜」
さあ、忙しくなりますね。子供用のスライム手袋を作って、実用実験と耐久試験が必要です。スライム養殖の段取りも決めなければ。
「え? なんですか? 四天王で最弱? それは商売に関わることですか? 関係ない? だったらデータさんが決めてください。アタシ最弱とか興味ないです。最売れなら大歓迎ですけど……」
ああー忙しい忙しい。やることいっぱいー。ははっ。
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