スパイが敵国のスパイに恋される話
深夜テンションで書いた小説を無理矢理人様に見せれるようにしたものです。
深夜テンションで書いてたり、私がスパイについて無知だったりと不安要素満載ですが読んでいただけると嬉しいです。
私の名前はアリア=スカーレット。しかし周りにはフェルミ=アンジェラを名乗っている。
何故か?それは私がスパイだからだ。
今はとある企業の持っている情報を入手するために母国を離れ、海外の企業に就職していた。
しかしもうすぐこの生活も終わりを告げる。
目標の情報は入手したからだ。
後は入手したデータを上に報告すればいいだけだ。
…長い生活だったな。
私がそう思いながら夜道を歩いていると後ろから聞き慣れた声が聞こえた。
「フェルミさん。これからうちに来ませんか?美味しいワインが手に入ったんです。」
そう言って私の元に現れたのはカミラ=ロティーナ。一応私の同期だ。…スパイ先の方の。
カミラとは同期の女性同士と言うこともあってかよく気が合い、休日はよく遊んでいた。
スパイの仕事が終わればこの国ともおさらばだ。そう考えるとこれが彼女と遊べる最後の機会になるかもしれない。仕方がない、ここはカミラに付き合いますか。
「お邪魔させてもらうわ。」
「それじゃあ早く行きますよ。」
そう言って彼女は無邪気に笑い、歩き出した。
私もそれにならう。
ここからカミラの家は案外近く、直ぐに到着することができた。
「さ、上がって上がって。」
「お邪魔します。」
そう言ってカミラの家に上がる。
この家に上がるのは何度目だろう。もう第二の家って感じだ。
「てきとーに座っといて。ワインとお菓子持ってくるから。」
「ありがとう。」
そう言って私は机の前に座る。
少し待つとワインとお菓子を持ったカミラがやってきた。
「お待たせ。さあ飲んで飲んで。」
「いただきます。」
そう言い少しワインを口に入れる。
うん、飲みやすくて美味しい。
続いてお菓子を頬張る。ワインの味に合っていて美味しい。
しばらく私たちはくだらない雑談で盛り上がった。
そろそろワインもお菓子も無くなるなって時にカミラが口を開いた。
「そろそろかな。」
「ん、何がそろsーー。」
急に眠気が襲ってきて私は目を閉じてしまう。
「おやすみ、アリアさん。」
目を開けるとそこには見慣れた天井があった。
カミラの家の天井だ。ついでに言うならばベッドの上の天井だ。
カミラの推しキャラのポスターが貼ってある。
…あれ、私、何してたんだっけ。
確かカミラと飲んでて…そのまま寝ちゃったんだっけ。
あれからどれくらい寝たんだろう。結構寝た感覚がある。悪いことしちゃったかな。
そう思いながら私は起き上がろうとした。
ガチャガチャ
そんな嫌な音がして私は起き上がれなかった。
あれ…?
私は恐る恐る自分の手を見た。
そこには予想通り手錠がついていた。
嘘!何で…いや…カミラの事だ。どうせドッキリとかに決まっている。落ち着け、私。
「あ、起きた?」
「うん、おはよう。で、これ何?」
「見ての通り手錠だよ。」
「そう言う事じゃなくて…何でこんなのつけられてるの?」
「いろいろと理由はあるけど…アリアさんが可愛いから、かな。」
今この子なんて言った!?可愛いはどうでもいい。いや、嬉しいけども!
それよりも今、私のことをアリアさんって呼んだ。
私の本名を知っている人は親戚を含め数えるくらいしかいないはず…。
「…何で私の本名を知っているの?」
「あ、認めるんだ。まあ、いいや。私も同じような職業だからかな。」
まずい…。多分カミラは私がスパイと言うことはもちろん、何を調べたか知っている。そもそも調べた情報が正しいかも怪しくなってきた。
「…私を殺さずに生かしてる理由は?先に言うけど何も喋らないよ。」
「さっきも言った通り、アリアさんが可愛いからだよ。」
「意味が分からない。」
正直、私は自分のことを可愛いと思ったことはない。それに仮に私が可愛いから何なのだ。そんなことは何のメリットにもならないはずだ。
「じゃあこう言えば分かる?好きだから。」
え、なになに!?どう言うこと!?
いきなり好きと言われて私は面食らってしまう。
…いや、今はそれはどうでもいいはず…それよりもこの状況を打開しないと。
「…あなたの目的はなに?」
「あなたと生活すること、かな。」
「それは無理、あなただってずっとこの家にいるわけではない。あなたがこの家から出たら私は自力で脱出することができる。」
「で、その後どうするの?」
「どう…って母国に帰って…」
そこで彼女の言いたいことがわかった。
敵に素顔も名前も何もかもバレているスパイなど価値がない。
それに私が持っている情報も嘘かも知れなければ、相手に脅されたり拷問を受けたりで寝返っている可能性もある。
そんな者を生かしておくほどこの世界は甘くないのだ。
「ねえ、取引しない?」
「取引…?」
「ええ、私が情報を操作してあなたが死んだことにする。そしてこの家で匿ってあげる。そのかわりにあなたは私と生活を共にして。」
私は少し考えたあと、
「……分かった。」
と呟いた。
カミラと生活を送り始めて3年が経とうとしていた。
私はその間、逃げようとはいっさい考えずに彼女と生活を共にしていた。
逃げると私の身が危ないし、などと自分の心に言い聞かせているが本当はこの生活を気に入ってしまっているのだと思う。
彼女と過ごすこの生活を。
それに…
「こんな拘束具をつけてるんじゃ逃げらる訳ないよね。」
私は自分の薬指を眺めながらそう呟いた。
楽しんでいただけたでしょうか?
他の作品も投稿していので、もし良ければそちらもごらんになってください。




