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主題なき春のラプソディ  作者: 青山 樹
第四章 『光の先へ』
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第一話 『そういう属性なんやろ』

 心地よい木々のざわめきや鳥のさえずりが聞こえる。

 森の気配を感じさせる緑と土の豊かな薫りがした。

 おれは体を起こし、目を開け、周りの様子を眺めてため息をつく。

 どういう場所なのかまるでわからない場所にいたからだ。


 そこは石造りの舞台らしき場所だった。

 円形の舞台は広々としていて、表面には魔法陣を思わせる幾何学的な模様や文字が描かれている。

 舞台の周りには巨大な黒色の石柱が円を描くように等間隔に並んでいた。

 石柱は全部で十二本あり、舞台のそばには石柱よりも大きい巨大な一体の石像がたっていた。

 どことなく宗教的というか、神秘的な雰囲気を感じさせる見た目の人型の石像だ。


 もしかしたらここは神殿の遺跡のような場所なのかもしれない。


 あたりは深い森に囲まれ、人の姿は見えず、まさに聖域といった感じだった。

 空からは舞台に向かって暖かな日の光が降り注いでいる。


 その光を感じながら、まさかとおれは思った。


「ここって、死後の世界の入り口とかじゃ、ないよな……」


「はっはっは。安心したまえ。君はまだ生きているぞ」


 聞きなれた合成音声がどこからか聞こえた。すぐ目の前に、委員長の立体映像が映し出される。

 死後の世界でないことがわかったのはいいけれど、どうせならもっと別の方法でわかりたかった。


「なんであんたが出てくるんだ。ていうか、ここはどこなんだ」


 すると今度は頭上から、これまた聞き覚えのあるやわらかい声が聞こえてきた。


「ここは『教団』が守護する聖地、はじまりの園と呼ばれる場所だ」


 緑色に輝く光の粒子をまといながら指導者が空から降りてきて、委員長の隣に立った。


「おいおい、どういうことだ。なんであんた達がそろってここにいるんだ?」


 その疑問に答えるように、委員長は言う。


「不思議なことではない。委員会と結社は、共に『教団』を頭とする組織なのだから」


「教団?」


「そうよ」


 遠くから『少女』の声が聞えた。

 振り返ると、舞台に上がってこちらに近づいてくる『少女』の姿が見えた。真新しい感じのするセーラー服を着ている。その姿は、今まで見てきた服装の中で一番よく似合っていた。


 しかし、なぜだろう。

 セーラー服を着ている『少女』の姿を見ると、なぜかものすごく、心がざわついてしまう。

 何かが、何かが引っかかるような気がする。


 『少女』は今までと変わらない落ち着いた口調で言う。


「教団とは、古の時代から創世の書を守り続け、それに従って世界をつくり、動かしてきた組織なの。そして」


 委員長と指導者は『少女』のもとへ進み、両隣に立つ。


「委員会と結社は教団が世界を動かすためにつくった組織で、委員長と指導者は教団の最高権威者である長老が操っているの。委員長の映像と音声を操作しているのも長老、指導者の体に意識を乗り移らせているのも長老、つまり一人の人間が必要に応じてこの二つの組織を操っていたのよ」


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