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122話 会う方法


「セシリータさぁ〜ん……」

「どうしたんですか〜? ふふふ」

 セシリャの妹のセシリータに甘えると、嬉しそうに頭を撫でてきた。


 こういう時だけお姉さんのような気分を味わえて嬉しいのだろう。


「暇」

「一緒にお昼寝しましょうか」

「セシリータさんいつも寝てるよね?」

 お昼寝しようと提案するセシリータにシンシアは軽くツッコミを入れる。


 普段、玄関の近くを通って受け付けにいるセシリータを覗くといつも寝ているのだ。


「夜はちゃんと起きてるから大丈夫なんです」

「ここに人が来るのって大体日中だよね。夜行性なだけじゃん」

「むぅ〜……ケチ」

 悔しそうにテーブルに両手を伸ばしてパタンと倒れるセシリータ。


「ま、寝てやらない事もないですよ」


 そういうとセシリータはバッと顔を上げてこちらを見つめた。少しすると口元を緩めて 「にへへ」 なんて力の抜けた笑い声を上げて、後ろにあるセシリータの寝室に連れていかれた。

 それからしばらくお昼寝をして、目を覚ましたのは夜だったという。





 そんな日から2日経った朝、お父さんに客が来た。といってもクラリスさんだろうと分かっている。

 自分の部屋でのんびり待っていると、予想通りクラリスさんがやってきた。


「行きましょうかシンシアさん」

「待ってました!」

 即座に飛び起きたシンシアは、ドタドタとローブだけ肩にかけてクラリスの元に走って近寄る。


「何か持っていく物とかはないかしら?」

「ああ、会って話をするだけだからな。敢えて持ってくとしたら……仮面くらい?」

 しかし仮面も基本的に付ける必要は無い。1度素顔を見たことがある人の前で隠す必要はないからな。




 1度父さんと姉ちゃんにも行ってくると伝えて、クラリスと共に学園までやってきた。

 今日はアイリ達に会う前に学園長に会いに行く。それから余裕があれば皆と会って話す予定だ。


「久しぶりだな〜シンシアちゃん」

「久しぶりですゼウス様……?」

 何故語尾にハテナが付いたかというと、ゼウス様と呼んでいいのか学園長と呼んでいいのか迷ったからだ。


 この人はゼウスという最高神であり、この学園の学園長という不思議な人だ。家族持ちで母親。結構美人さんである。


「今日は神様に相談しにきたんだろ? ゼウス、でもクロア、でもいいよ」

「ゼ、ゼウスを呼び捨てにするのは気が引けるのでクロアさんで……」

 そういうとクロアさんは笑顔で構わないと言ってくれた。


「最近読んでいた小説が最終回を迎えてな。久しぶりにこっちに来たら色々と大変な事になってたみたいだな」

「色々……ですか?」

 そこまで大変な事は起きていないと思うが。


「邪神復活やら、世界滅亡の予言書が出たって話だ」

「あぁ〜それならギルドの調査隊……異世界人の方やサラがなんとかしてくれましたよ」

 調査隊と言うよりも異世界人と言った方が伝わりやすいだろう。


「それで、サラが女神の仕事に戻ってしまったからまた会いたい、と」

「……まだ話してないんですけど、よく分かりましたね」

「ゼウスだからな」

 話していない事を当てられて驚くと、ドヤ顔を見せられた。


 さて、それが分かっているのなら何か良い解決策を見つけてくれるだろう。もし無理だとしてもゼウスならどうにかしてくれるはずだ。

 と完全に他人任せな思考は良くないがな。


「そうだな〜……サラは1度決めた事は絶対に守る意志の固い女神だからな。このまま待っててもサラから会いに来ることはないだろう」

「じゃあどうすれば……」

 サラから会いに来ることはない、と言われて少しショックを受けてしまった。


 するとゼウスはシンシアを観察、というより品物を選ぶような目で見つめてきた。


「な、なんですかっ……恥ずかしいですよっ……」

「よし。シンシアちゃん、男装して天使のふりをして神界に行こう」

「男装して……えっ!?」

 男装してという言葉にさえ驚いたシンシアは、更に続いた言葉で更に驚きが重なり驚きの声を出すしかなかった。


「て、てて、天使のふり? 神界に行く?」

「そうだ。見たところシンシアの中には神の魔力が少しだけ入っている。男装してシンシアだとバレないようにして、見習い天使だと言えば誤魔化せるかもしれないぞ」


 俺が……見習い天使のふり……だと? それも男装って……。

 男装は元男の俺にかかれば大丈夫だとは思うが、天使のふりをして神界に行くなんて、もしバレたら雷が落ちてきそうだ。


「ほ、本当に大丈夫なんですか?」

「私が色々とサポートしてやる。任せろ」


 不安しかない。

最近ちょっと色んな書き方 (文章の組み方等) を試行錯誤しています。

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