115話 自分の居場所
「ちょっと来なさい!」
「んぐっ!? まっ、まだ食べ物がっ!!」
2人の様子を見た姉が、シンシアを抱き上げてどこかへと走り出していった。
そうして連れられてきたのは自分の部屋。姉はすぐに電気を付けてシンシアをベッドに座らせ、物凄い形相で睨んできた。
「どういう事? アンタホモだった訳?」
「ち、ちげぇよ……別にアマデオの事好きな訳じゃねぇし……」
そんな事を言っているシンシアは完全にツンデレにしか見えない。
「心は男なのよね?」
「……ああ」
「女の子が好きなんでしょ?」
「まあな」
「アンタとあのガキの関係教えなさいよっっ!!」
「うわっ!?」
突然シンシアの胸ぐらを掴んで、シンシアは咄嗟に目を瞑る。
基本的に暴力を振るう事はないのだが、こういうのが怖くてついつい目を瞑ってしまうのた。
「子供なのよ!? シンシア、アンタ高校生だったじゃない!」
「分かってるよ! 別に俺はアマデオの事好きじゃねぇよ!!」
「じゃあなんで顔を赤くして目逸らしたの?」
「それは……」
それが自分でも分からなくて、その謎の感情を認めたくなくてシンシアは急に目線が泳ぎ始めた。
昨日の夜、俺が誘って一緒に寝た、なんて事は絶対に言えない。それを言ってしまったら俺は完全に嫌われる。
「なんでハッキリ言ってくれないの……私……姉なのに……弟のアンタが好きで……」
「え…………?」
きゅ、急に姉ちゃんは何を言い始めてるんだ?
「アンタと暮らしてた時も……本当は好きで好きで、ても素直になれなくてキツい事言って……結局何も伝えれずに死んじゃって……」
「姉ちゃん?」
「最近記憶戻ってこんなに可愛くなった弟を見て……もっと好きになって、それで色々とお世話してあげようと思ったのに……あんな子供とそういう関係になって……」
待て待て待て待て待て……姉ちゃんが俺の事を好きだった? 今までの素振りからして完全に嫌っていたような気がするんだが。
「ね、姉ちゃん落ち着いて」
とりあえず泣き始めた姉ちゃんをベッドに座らせて落ち着かせる。姉ちゃんが俺の前で泣くのは初めて見る。
「……アンタ本当に自分があの子供の事どう思ってるか分かってないの……?」
「…………分からない……」
どういうか迷った。
自分でも認めたくない感情を認めて、それを今泣いている姉ちゃんに伝えるべきなのか。それとも自分の感情に嘘をついて分からないというべきか。
しかし、やはり自分でも認められない物は認められない。
「そう……やっぱりまだ子供ね、アンタも」
「な、なんで馬鹿にされなきゃいけないんだ」
「アンタ女が好きなんでしょ?」
「そりゃ……好きだよ」
そういう姉ちゃんは身体ごとシンシアの方に向けてきた。
そして優しくシンシアの頬を片手で触れると、いつもの姉の雰囲気とは違った笑顔を見せた。
その笑顔が可愛くて、息遣いまで少し荒くなっており、シンシアはドキドキとこれから何をされるのか期待していた。
「ね、姉ちゃん何を……」
「徹底的に私の事を好きになってもらう。その為にまず今のお互いの身体を知らないといけないね」
力強い姉の腕に肩から押し倒されたシンシア。
姉の腕はゆっくりとシンシアの服を脱がせていく。小さな子供の着替えとは全く違う、大人の脱がせ方。
「抵抗しないの?」
「…………嫌じゃ…………ないから……」
正直、こうして人に好意を抱かれるのは凄く嬉しい。自分の事を好きだと行ってくれる人になら……。
「必要としてくれるなら……俺に居場所を作ってくれるなら……めちゃくちゃにしていい……よ」
「あの子供に嫉妬されるかもよ?」
そう言われてアマデオを思い出す。
それと同時に、アマデオにも嫌われたくないという感情が芽生えてきて少しだけ姉の手を押し戻した。
「……やっぱり、アンタあの子が好きなんでしょ」
「ちがっ……分からないけど……嫌われたくないし……」
「大丈夫。あの子の事を忘れるくらい気持ちよくしてあげる」
「ひゃっ……んっ……」
シンシアは、女の身体を知り尽くした姉にめちゃくちゃにされて、そのまま快楽に溺れていった。
◆◇◆◇◆
何度も絶頂を迎えて気絶したシンシア。やっと目を覚ますと清々しさを感じた。
「気持ちよかった?」
「…………しゅ……凄かった……」
未だ呂律の回らないシンシアを、愛おしく撫でる姉。
「またっ……またしてほしいっ……」
「もうそろそろお父さんに会いに行かないと心配するよ。帰ってからもっと楽しい事しよう」
「分かっ……た」
既にシンシアの頭の中には快楽の事しか入っていなかった。
あぁ〜! シンシアちゃんサラがいなくなってからどんどんダメになっていってるぅっっ!!
でもっ……レズの誘惑に負けちゃうぅっ! ホモの誘惑に負けちゃうっっ……悔しいけど……書いちゃうっビクンビクン。