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102話 赤面


「「すみませんでした」」

「……う、うん」


 少年達が目を覚ます頃には服を着て、仮面も付けていた。そして少年達はすぐに謝ってきた。


「許してくれますか?」

「うっ、うぅ〜ん……」


 裸を見られたシンシアとしては、頭を下げるだけじゃ許したくない。しかし相手は今のシンシアと同じくらいの年齢、もしくはもう少し年上の子だ。ここで許さないのは大人気(おとなげ)ないとも思う。


「……裸……見たよな」

「み、見ました」

「「見ました」」


 やっぱり見たよな。特にこのリーダーみたいな人なんて完全に見てたよな。どこをとは言わないけど。


「ふぅぅ〜〜〜…………」


 思い出して再び恥ずかしくなったシンシアは、大きく深呼吸をして動揺を抑えた。

 やばい、また顔が熱くなってきた。


「ぅ……わ、分かった。今回は特別に許す……」


 赤くなった顔を見せないよう俯き気味で少年達の方を見てそういった。


「っ! ありがとう!」

「優しい!」


 こ、こいつら許されたからって急に態度変えやがった。


「名前なんて言うの?」

「えっ、シンシア……だけど」

「シンシアちゃん! また明日遊ぼうな!!」


 そういうと少年達は部屋から出ていった。


「…………はぁ……」


 はたして許して良かったのだろうか。小さい子供達だから再び同じような事をしないとも限らない。そもそも……裸を見た相手を許していいのか?

 分からない。乙女の気持ちがさっぱり分からない。俺の判断は間違ってなかったのだろうか。


 あっさりと帰っていた少年達に不安を感じつつも、シンシアはベッドの中に潜って熱くなった顔を抑える。


「……恥ずかしい……」


◆◇◆◇◆


 階段裏、少年達の秘密の会議の場所で再び会議が行われていた。


「すっごい可愛かったな」

「俺……初めて見た……」

「皆そうだよ……シンシアちゃん可愛いな」

「っ! お前らまさかシンシアちゃんに惚れたのか?」


 リーダーがメンバーを茶化すように言うと。


「なっ、ないない!」

「そんな事ないよ! 俺好きな人いないもん!」

「俺も好きな人とか作らないから」


 皆一斉に顔を赤くして横に振る。

 しかし1番顔が赤いのはリーダーだった。

 シンシアの裸を真正面から見てしまい、何か不思議な感覚がした。


 女の子の身体ってああなってるんだ……男のとは違うんだ。


 後で自分の部屋に戻って触ってみようと思ったリーダーだった。


◆◇◆◇◆


 次の日、朝からシンシアの部屋にサラがやってきた。


「1人で眠れた!?」

「うぅうるさい……今寝てるじゃん……」


 合鍵を使って部屋に入ってきたサラは、すぐに寝ているシンシアの布団の中に飛び込んで抱きついてきた。


「っ! なんかシンシアちゃんとは違う匂いがあるよ!!」

「匂いかよ……昨日寝る前に子供達が来たんだ…………よ……どうでもいいだろ……」


 昨日の事を思い出して再び顔を赤くするシンシアに、サラは驚いて目を見開いた。


「何があったの!? 何されたの!?」

「か、関係ないだろ……」

「ダメだよっ! シンシアちゃんはまだ子供なのに! そんな事しちゃっ!!」

「そんな事って……別にそういう事した訳じゃないから」

「そ、そうなんだ」


 サラは何をしたと勘違いしてるんだ。

 シンシアは再び布団の中に潜って熱くなる顔を隠した。


「本当に……何があったの?」

「……ただ子供達が俺を男と勘違いして風呂上がりに襲いにきただけだよ…………」

「…………その子供達は謝ったの?」


 突然声のトーンが低くなったサラにシンシアはピクンと震える。心まで凍りつかされそうな程の怖い声に、ビックリしてしまった。


「謝ったから大丈夫だよ……」

「そう、なんだ。じゃあ今日はずっと一緒にいようね!」

「なんでそうなる……」


 家に侵入してくる不審者よりも、ずっと後を付けてくるストーカーの方が怖い。

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