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ローズ商会襲撃事件があってから1年の月日が流れた。

あの後、ラヌルフ家は反乱軍となった。当人達はローズ商会を所属不明の者が襲撃したことにしようとしたのだろうが、行方不明になったのがローラン王国王家直轄のバラ騎士団の団長。しかも、ラヌルフ守備隊が捕虜となっていたので襲撃の罪は明らかだった。後日、エリック率いる王国軍とレオン率いるランドック辺境伯からの討伐隊によって、攻撃が始まり数ヶ月あまりの戦闘の末、当事者以下関係者は全員死亡した。

ラヌルフ家の言い分としてはたてついたローズ商会が気に入らなかったことが理由らしい。

ただ、アリスにとってはそんなことはどうでもよかったし何も感じることはなかった。


そしてバラ騎士団はカルヴァンが次期団長になるかと思われたが本人の希望により辞退され、レオンが騎士団団長へとなった。そして、そのタイミングでいつまでも暗い状況は良くないとアリスのすすめによりレオンとロザリーは正式に婚約をした。加えてベルとウィリーについてもその後に続くように婚約をした。なお、バラ騎士団はレオンの身分や功績が考慮され、団長になってから規模を一気に拡大して今や数百人規模まで大きくなっているらしい。


「だいたいこんな感じかしら」

「アリス様、何書かれているんですか?」


アリスが何やらずっと書いていたものを不思議そうにベルは見ている。


「え?ああ、これ?これはクリスの日記だったものを少し書き換えていっているのよ」

「書き換え……ですか?」


アリスが何を言っているのかわかりにくかったのだろう。ベルはキョトンとしていた。


「ええ、この日記には一部抜けているところと欠けている内容があったの」

「そうなんですか」

「だからこうして補足して物語風に書いていっているのよ。この物語はあと少しで終わるわ」

「もしかして、今話しているやりとも書いていたりします?」


ベルが恐るおそる聞いてくるとアリスは笑顔で答えた。


「もちろんよ」

「あ、やっぱり」


話しを聞いてある程度予想はしていたらしい。ベルは少し恥ずかしそうにしていた。


「でも、クリスさんの話を物語にするんですか?」

「ええ、変かしら?」

「いえ、そういうのは当人の了承を得るものなんじゃ……」


そういうとベルは少し気まずそうにしている。


「大丈夫よきっと。クリスなら苦笑いしながらでも了承してくれると思うわ。だって……」


そういうとアリスは窓の外を眺めた。つられるようにしてベルも窓の外を眺める。


「そう……かもしれませんね」


そんな話をしているとドアのノックする音が聞こえた。


「どうぞ、入ってらっしゃい」

「失礼します」


そう言って聞きなれた声と共に二人が入ってきた。


「アリスさん、お待たせしました。どうかされましたか」


こうしてまた、忙しいローズ商会の仕事が始まるのであった。


最期まで読んでいただきありがとうございました。

当作品は振り返ってみれば何度も心が折れていましたが最後までかけたのは読んで下さる方々をはじめ、ブックマークや評価をして下さった方々のおかげです。本当にありがとうございました。


※追記2016/06/03↓

登場人物の名前の由来となっています。せっかく頑張って考えた名前なので


ローズ商会メンバー

   アリス「高貴」

   クリスティーヌ(クリス)「キリスト教」

   ロザリー「薔薇」

   メアリ「聖母マリア」


カルロス

  ロジャース商会

   ウィリアム「兜、守護者」

   アラン「小さな岩、ハンサム」



  孤児院

   マリア「愛された」

   カルヴァン「契約仲間」

   ベル「善良な人」

   ウィリー「車輪」

   ユリック「」


女神様

   アイリス「虹」


ローラン王国

   ヘンリー「支配者の家」

   エリック「強い」


ランドック出身

   フローラ「花、花の女神」

   レオン「雷」

   ルイス「名高い戦士」


追記2016/06/03↑



当作品は一応これで終わりとなっています。実際クリスは死んだの?生きているの?そのような疑問が残る書き方となっておりますが、これもまた絵がない小説ならではの書き方として読者の方々の想像で判断していただければと思います。



ここからは私の感想となりますが、個人的には何度戦闘シーンを書いてみても主人公が人を殺す場面に出くわすたびに私は想像するだけで不快感があり、何度も作業を中断してしまいました。なお、途中のタイトルにあった分岐点で血塗られた日記(没作品)となるか血を避けようとする日記(投稿作品)となるかが確定しています。

分岐点で主人公(と作者)が不快な感情を抱かなかった場合は第3章で、戦闘シーン後、カルヴァンは戦死してから女神様と合流し、岐路は魔女としてガイア帝国を突っ切っていく血のルートとなっていました。(ちなみにその内容は全没なので削除しました。)


予定では同じシリーズとして、クリス編以外にアリス編と他3名の物語が組み合わさることで微妙にわかりにくい部分や辻褄があっていないように見える部分が埋まって完成となる予定です。ただ、他3名の投稿は現時点で未定です。



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