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2-0 再起

 どれくらい寝たのだろうか。目をあけると真っ暗だった。

 刺されたはずのお腹に痛みはなく、体も重くない。もしかしたら結構時間が経っているのかもしれない。

 クリスは少し目をあけて、周囲を見渡してみる。


「え……」


 クリスは周りを見回してみたが何もなかった。


「以前、どこかで見たような……」


 クリスは身体を起こしてみる。そして、記憶を辿りながら今居る場所を考えていると、突然、光が差し込み徐々にその光から人影らしきものが見えた。


「お目覚めになりましたか」


 その人影は女性らしい。優しい声で俺に言った。


「あ、ああ」

「お待ちしておりました」


 どうやら待たせていたらしい。光はやがてやさしい光となり彼女の姿がはっきりと見えた。

 その姿はまるでアニメの世界にでてくるような美しい女神様だった。

 ただ、年齢は12歳くらいであろうか。とても若く……というより幼く見えた。


 ……ん?なんだろうこの既視感。


「おおクリスよ、死んでしまうとは情けない」

「いや、某RPGのテンプレセリフは要りませんから」

「あら、そうですか。あなたの希望に合わせたつもりだったんですけど」

「私、そんな妄想していたの!」


 あれ?反射的にツッコミを入れたけど、てことは私は死んだのか?

 そういえば、以前しんだときもそんなことがあったような。


 クリスは過去に見た夢を思い出し、思わず頷いた。


「ご納得いただけましたか。」

「いや、ああ……はい」


 相変わらず心を読むのね。


 この会話も何か既視感があるような。

 クリスは徐々に死んだことを実感しつつあるが、不思議と冷静なままだった。


「ところで俺はどうしてここへ?」

「ああ、それはですね。私があなたに能力を与えたのですが、それら能力は加護によって備わった能力でしたので」

「一旦ここに呼ばれた。ということですか」

「そのとうりです」


 女神様はにっこりと笑顔を向け、言葉を続けた。


「それにしても、ずいぶんとお早い死でしたね」

「余計なおせ……そうかもしれませんね。1年ちょいくらいでしょうか。それにしても女性として生活することになるとは思いませんでしたよ」

「あら、ごめんなさい。確認を忘れていましたので」


 いや、見た目でわかるでしょ!……というのは人の思い込みなのかもしれない。女神様だって本当は女性かさえわからない。

 そういえばヒトデとか性別ない生物もいるんだっけ。


「失礼を承知で申し訳ありませんが、その、補償か何かで蘇生とかないんでしょうか」

「ええ、ありますよ?」

「そうですよね。やっぱりな……え?」

「ありますよ」


 女神様はにっこり笑顔を向けている。

 どうやら本当にあるらしい。


「あの、その条件は何でしょうか」

「条件は3つありますね。生き返って欲しいと思ってくれている人がいること。生後3年間までであること。私の判断基準で加護を与えるにふさわしい存在であること」

「俺は満たしているんでしょうか?」

「満たしていませんね。私の判断基準で加護を与えるにふさわしい存在であることが」


 うん、満たしていないらしい。

 加護を与えるにふさわしい存在でないという言葉が腑におちないが。


「てダメじゃねえか!」


 クリスは思わず叫んでしまった。


「はい、ダメですね」

「それじゃ俺は死ぬの?主人公なのに死んじゃうの?」

「主人公って。まあ誰しも主人公と言えばそうなのかもしれませんが・・・

そういう発言をこの場でされても困りますよ。私がわざわざあなたを呼んで話そうとしていたのは生き返れるという話なんですが」

「ん?どういうこと?」


 今否定された蘇生を女神様はできると言い出し、クリスは首を傾げた。


「あなたには加護を既に与えていますよね」

「ああ、あの能力のことですよね」

「はい、その能力の1つを返還してくだされば、蘇生させて上げますよ」


 詳細に話を聞くとどうやら生き返るには能力を手放す必要があるらしい。

 加護を与えるにふさわしい存在だから加護を持っている。

 だから加護を返還することによって蘇生ができる。

 そういう事らしい。ただし、これは例外で3年以内とか生き返って欲しいと思われていることも条件として満たしている必要があるそうだ。


 なんかややこしいなぁ。

 加護と命が同等というのもなんだか腑に落ちない。

 まぁ、何がともあれこのまま死んでもどうせ能力はなくなるのだ。

 だったら……


 クリスは決心した。


「わかりました。それでお願いします。」

「あらそうですか。じゃあ、どの能力を消失させますか」

「消失する能力……それは」


 女神さまに消失する能力を伝えた。


「あ、あと蘇生後の時間はどれくらい経っているのでしょうか」


 生き返ったら知らない世界というのも困るので一応確認しておく。


「そうですね。あの世界の時間定義だとこの世界での1分があの世界では1時間といったところでしょうか」

「ちなみに今は時間はどれくらい経過しているんですか。」

「あなたが目をさますまでに多少時間が経っちゃってますし、1時間くらいでしょうかね。」


 つまり3日くらい経っているらしい


「ちなみに今の私の状態は?」

「怪我の手当ては済んでいて、現在意識不明となっていますね。まぁ、あなたが望めばそのまま死なせてあげるんですが」


 女神様は笑顔で恐ろしいことを言う。


「いや、生き返らせてもらえると嬉しいです」

「そうですか。わかりました。あ、あと今度はちゃんと信仰心も持ってくださいよ」


 そういえば過去に……て何で知っているんですか。


「……善処します」

「善処してくださいね。それは蘇生を行ないます」


クリスがそう答えると、女神様は笑顔を見せ、なにやら呪文らしきものを唱えている。


「お行きなさい。人の子よ。再びあなたに祝福があらんことを……」


 徐々に意識が遠のいていく中、俺はその言葉を聞いていると頭が真っ白になっていった。

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