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二、親友一人

十月二十六日、言葉の言い回しなど一部修正、話の流れは変わりません。

「りんちゃーん、おはよう!」

「おはよう、いつも通り朝からテンション高いね。」

「ありがとう、りんちゃんはいつも通り朝からかわいいね。付き合わない?」

「ありがとう、お世辞でも嬉しいよ。それから付き合わないよ。」

「あらら、また振られた。いつになったらりんちゃんが私になびくのかな?

 それからお世辞じゃないよ。ちょーぜつかわいいよ。」


この朝からテンション高い子は凰華。

男装したらとってもイケメンになる。だが女だ。

それに普段の振る舞いは私とは違ってなんか女の子女の子してる。別に男っぽいわけではない。


後、性同一性なんちゃらっていうのではないらしい。

そして本人が言うには特別百合というわけでもないらしい。

好きになったのが私だっただけだと中学の頃、真正面から言われた。

その時は初めて告白されたのが女の子で混乱するやら、ストレートに好意を告白されて照れるやら、

身の危険(主に貞操)を感じるやらで百面相してたらしい。

まあ、のちの付き合いで(付き合ってるわけではないのであしからず)いい人(いい人ではないのry)だと分かって今では一番の親友だ。

というか普段話すのは彼女だけだし。

別にクラスの子と仲が悪いわけではないけど集団で群れてるところに入って行くのは勇気がいるし。


「りん、ボーっとしてないでほらいくよ。」

「あっ、うん。」

そういって凰華が私の手を引っ張っていく。あっ、何気に手をつながれてるし。

「ちょっと、引っ張っていかなくても歩いて行けるよ。」

「いーや、危ないよ。りんってよくぼーっとしてるし。」

あっ、それはゆうかさんと話してるからで、っていつの間にかゆうかさんいなくなってるし。

「りん、何か落とした?」

「ううん、なんでもない。」

きょろきょろしてたから間違えられたみたい。


「あっ、おうかコンビに寄るから次の道右ね。」

「なんで?そこまで時間に余裕があるわけじゃないよ。」

「朝ご飯適当に買っていくだけだからそんなに時間はかからないよ。」

私がそういうとおうかは少し考え込んだ。やっぱり時間は気にするよね。

じゃあ、先に行っててと言おうと口を開いたところでおうかに機先を制された。

「私のお弁当少し上げるから朝ご飯はそっちにしときなさい。」

「えっ、いや別に菓子パンでいいし。」

「だめっ、他にない時はそれでいいけどあるんだからそっちを食べないと。」

「いや、あるってそれおうかのお弁当だし。それに昼ごはんはどうするの。足りないでしょ。」

「学食で食べるし」

「えーっとそもそもなんで菓子パンがダメなの?」

「朝ご飯はちゃんと栄養を考えて取らないとダメなんだよ!そうしないと肌が荒れたりするんだよ!

 鈴のこの綺麗な肌がカサカサになると考えるともうだめっ!

 だから朝ご飯は私のお弁当からちゃんと栄養バランスよく食べなさい!」

「え、えーっと、はい。」

「うむ、よろしい」

おうかの剣幕に思わず頷いてしまった。

それにもうコンビニへの道を通り過ぎてしまったから今からコンビニへ行くのは遠回りだし。

ここはありがたくおうかの候意を受け取っておきましょう。


「じゃあ、ごちになります。」

「うむ、ところでりんくん。今週の土曜日はあいているかね?」

このタイミングでこれには笑うしかない。

「今のところ空いてるよ。それで、どこに行くの?」

「デートでもどうかなぁ、と。」

「いや、だからどこに行くの?」

そうやって誘ってくるのは長い付き合いでお見通しだ。

それにデートって言ってるけど内容は普通に友達で遊んでるようなものだし。

おうかは過剰なスキンシップとかそういう事とか求めてこない。

まあ、だからこそこうやって普通に一緒にいるわけだけど。

「新しくできた遊園地か前言ってたデパートとかどうかなって。」

「あの遊園地って高いでしょ。ちょっと無理かな。」

お母さんが死んで一人になってから、大学卒業程度までならちょっと贅沢しても暮らせるぐらいの

お金はあるけど大きな出費は避けたいし。

「いや、私が誘ったんだから全部私が出すよ。」

「いやいや、さすがに今回のは額が大きすぎるでしょ。万単位でおごられるのはちょっと。」

今までもデートの時にちょっとした小物とか買ってもらったり、お昼おごってもらったりはあったけど

遊園地に行くとなるとね。諭吉さんが・・・。

「むー、じゃあ入場料とフリーパス代だけ出すよ。」

「もうそれほとんどでしょうに。」

後の出費はお昼代とかお菓子代とかお土産とかだけだし。


「しょうがない。じゃあ前言ってたデパートだね。面白そうな店とか調べておくよ。」

「うん、いつも通り駅集合だね。時間は決まったメールしてね。」

「りょーかい。」

「ねえ、ところでそろそろ手を放してよ。さすがに学校付近で手をつないで歩くっていうのは。」

「・・・・・まあ、仕方がない。」

おうかはあっさり手を放してくれた。

おうかは私のしてほしくない事はしないようにしてくれる優しい子だ。

本人に言ったら打算で動いてるだけだよーって返してきそう。意外と恥ずかしがり屋さんだからね。





ps,おうかの弁当はおうかの手作りで特に卵焼きが美味しかったです。



サブタイトルの通り親友、というか友達が一人という・・・・・

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