お願いです 特訓に集中させてください
次の日の朝、ベッドから起き上がろうとしたら身体中が痛くて思わず顔をしかめる。
たぶん昨日レドウォールドさんに食らった超電撃の影響だ。
自分で言うのもなんだけど、痛みには我慢強い方の僕が数時間気絶したぐらいだから、レドウォールドさんはあの時かなりの本気でダイナモを発動したんだろうなぁ……。
レドウォールドさんがあそこまで容赦がなかったのは、僕が何も知らない無垢なお嬢様をあんな場所に連れ込んだからなのか、それとも密かにカリンが好きだからなのか。答えは未だ分からない。
それに敵は無敵の従者さんだけじゃない。
このままだといずれカリンはアシヤバラっていう財閥の御曹司と結婚させられてしまう。ぐずぐずなんてしていられない。今日からイブキ先生にみっちり特訓してもらって早くPSIが使えるようにならないと……! よしっ! 頑張るぞ!!
気合MAXで寝返りをした僕の鼻先に誰かの髪の毛がふわりと当たった。
「うわっ!?」
慌てて頭を後ろに引いて目を凝らすと、僕の目と鼻の先ですぅすぅと穏やかな寝息を立てているのは二番目の姉だった。この爆睡状態を見る限り、昨日僕が寝た後に勝手にベッドの中に入ってきたようだ。何やってんだよ姉さん……。
でも実の姉とはいえ、キサラ姉さんはすごく美人だから間近でここまでの無邪気な寝顔を見せられたら血は繋がっていてもやっぱりちょっとドキドキしてしまう。
「キサラ姉さん起きてよ。なんで僕のベッドで寝てるのさ」
ベッドから半身を起こして眠っている姉さんの肩を軽くゆすってみたけど、起きる気配はまったく無い。キサラ姉さんは一度眠っちゃうとなかなか起きない人だからなぁ……。
顔に覆いかぶさっているアプリコット色の髪を片耳にかけてあげて、もう一度「おーいキサラ姉さーん、朝ですよー」と右のほっぺを指でぷにぷにと突ついてみる。
すると二番目の姉は突然、「タイちゃん大好きっ」と寝言を言ってまたむにゃむにゃと夢の世界に旅立っていった。はぁ、ダメだこりゃ。
「ふぉはよう、ヒャイセー」
僕の声を聞きつけた一番上の姉が部屋の中に入ってきた。
シヅル姉さんの口調が不明瞭なのは、口に含んでいるのがいつものまん丸棒付きキャンディーじゃなくてヴィンヴィンと激しく振動している電動ハブラシだからだ。
姉さんは電動ハブラシの電源を一旦オフにすると、「よく眠れたか?」と尋ねてくる。
「眠れたか、じゃないよ! なんでキサラ姉さんがここで寝てんのさ!?」
「うむ、どうしても眠れないって深夜に私のところに来てな。ならタイセーと一緒に寝ればいいと送り出してやった。その結果がそれだ」
「なんでそんなこと言うんだよ!? キサラ姉さんがまともになるようにこれから一緒に治していこうって話し合ったばかりじゃん!」
「今回は仕方ないだろう。キサラを落ち着かせるにはお前の側にいさせるのが一番の薬だからな。そもそもキサラが眠れなくなったは昨日お前がなかなか帰ってこなくてずっと心配し続けたせいで神経が高ぶってしまったせいだ。お前が原因なんだぞ?」
「う……」
「それに昨日は猫カフェに行ってたという話だが、お前が猫好きだなんて初めて知ったぞ。私の記憶ではお前は今までそんな所に入り浸っていたことなどないはずだがな。なぜ急に猫カフェなどに行く気になったんだ?」
シヅル姉さんの冷静な分析に返す言葉が無い。
これ以上昨日の件で探りを入れられるとやがてはカリンにまで話がいっちゃうかもしれない。ここはなんとかうまくごまかさないと……。
「別に猫は好きだったよ? それに猫カフェのことはクラスの子から行ってみなよって勧められたんだ。僕のクラスは僕以外全部女の子だからそういう話題がよく出るんだよ」
「あぁそういえばお前はクラスで唯一の男子なんだったな。女子に囲まれて毎日がハーレム気分というわけか」
「そんな気楽なもんじゃないよ姉さん……。男子は僕だけだから常に女の子に気を使わなきゃいけないし、これで結構大変なんだからね。一人でもいいから僕のクラスに男子が入ってくれたらどんなにいいかって思うよ」
「そうやって嘆いても現実は変わらんぞタイセー。起こりえないことを願うより今の生活をもっと充実できるように改善策を考えるほうがはるかに建設的だと私は思うがな」
そう言うとシヅル姉さんは電動ハブラシの先で僕の隣にいるキサラ姉さんを指差した。
「見ろタイセー、安心しきったキサラの顔を」
僕らがずっと喋っているのにキサラ姉さんはまだすぅすぅとよく寝ている。
「キサラはこうしてお前の側にいるだけで毎日が充実しているんだろうな……」
「でも本当にキサラ姉さんのことはなんとかしなきゃダメだよ姉さん。実の弟が好きだなんておかしいんだからさ」
「ん? 私も好きだが?」
「だから止まれよヘンタイ!!」
あぁなんで朝っぱらから実の姉とこんな不毛な会話をしなきゃいけないんだろう。
「安心しろタイセー。確かにお前も私の攻略対象だが、私は止まろうと思えばちゃんと止まれる。だが今のキサラは…」
無理だろうな、と呟いて再び電動ハブラシで歯を磨き出したシヅル姉さんの顔はちょっとだけ物憂げだ。
「シヅル姉さん、僕らこれからどうすればいいのかな」
「それはキサラのいない所でまたあらためて話しあおう。とりあえず今は学校に行け。早く支度しないと遅刻するぞ」
「うん」
ぐっすり眠っているキサラ姉さんとよいしょとまたいで顔を洗いに行く事にする。
キサラ姉さんのことも気にかかるけど、今の僕が一番やらなきゃいけないことはPSIを使えるようになることだ。それを一番に考えなくっちゃ。急いで学校に行こう。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
フルリアナスの正門が見えてきた。
今日は放課後になる前にやらなければならないことがある。マツリに今日一緒に遊びに行けないことを伝えなくちゃいけない。強引に約束させられたとはいえ、一度約束したのをこっちの都合で反故にするのは気が引けるけど、今は特訓の方が大事だ。
教室に入ると来ているクラスメイトは約半分。カリンはまだ来ていないみたいだ。
「おーす!! タイセー!!」
机に腰をかけて足をブラブラさせていたマツリが僕にとびっきりの笑顔で声をかけてきた。そしてぴょんと机から降りると、
「タイセー、今日の約束忘れてないよなっ?」
と念を押してくる。
あー、こっちから切り出す前にそっちから来ちゃったか……。
今ここで遊ぶ約束をキャンセルすることを告げたらこの娘は怒ってまた以前のバイオレンス少女に戻ってしまうかもしれない。
「マツリ、そのことで話があるんだ。ちょっと来て」
「なんだよ? 話ならここでいいじゃん」
「いいから来て。すぐに済むから」
強引にマツリの手をつかんで教室を出ると、外靴を履かせて校舎裏に出る。
薄暗くて人目のつかないこの場所にマツリを無理やり引っ張ってきたのは、もしまたこの娘がバイオレンス少女に戻ってしまった時のことを想定しての対策だ。どうせ痛めつけられるなら、周囲に見られないほうがこの娘のためにもいいだろうし。
「あのさマツリ。ごめん実は………な、なに!? どうしたの!?」
いざ話を切り出そうと後方を振り返ると、マツリが猫のような目をこれでもかってぐらいにまでキラキラとさせて僕をうっとりと見ている。
「お前おとなしそうな顔して結構大胆なヤツだったんだな!! 朝っぱらからあたしをこんなところに連れ込むなんてやるじゃんか!!」
ええええ――っ!? なんか思いっきり誤解されてるううううう――!!
「いやいやいやいや違う違う違う!! そういう目的でここに連れ込んだんじゃないよ!」
「照れなくていいって! あたしはいつでもオッケーだぞタイセー!」
「うわわわわ! マ、マツリ! 僕の話を聞いてよ!!」
マツリががっちりと抱きついてきたので彼女の巨乳がむぎゅむぎゅと僕の身体に当たりまくる。
この娘のおっぱい、やっぱり大きいなぁ……。ランコ・コダチとどっちが大きいんだろう? ……っていうかそんなエロいことを考えてる場合じゃなかった!!
「マツリごめん!! 今日君と放課後遊べないですっっ!!」
そう叫んだ瞬間、マツリが唐突に僕から離れる。
あーあ、やっぱり怒っちゃったみたいだ。だって僕を見上げる猫目の色が金色になりだしているもの。どうやらマツリお得意のサイコキネシスで吹っ飛ばされるのも時間の問題みたいだ。
「なんで遊べないんだよタイセー!! 昨日あたしと約束しただろ!?」
「聞いてよマツリ。実は今日から放課後にイブキ先生にPSIが使えるようになる特訓をしてもらうことになったんだ」
「ひどいぞタイセー! あたしの約束が先だったろ!? イブキとの特訓は明日からにしてもらえよ!」
確かにマツリの言い分ももっともだ。でも僕には時間がない。ぐずぐずなんてしていられないんだ。
「マツリ、僕、一刻も早くPSIを使えるようになりたいんだ。だから約束を破って悪いけど僕はイブキ先生のところに行くよ」
マツリは金色の瞳で悔しそうに唇を噛んでいたけど、「じゃあ今日がダメなら明日だ! それならいいだろ?」と彼女なりの妥協案を出してくる。マツリの一生懸命さがひしひしと伝わってきて、心が重くなった。
「ごめん。しばらくの間放課後はずっとイブキ先生に特訓してもらうつもりなんだ。だから無理」
二度も誘いを跳ねつけられ、マツリは完全に黙り込んだ。僕ももう「ごめん」しか言える言葉のストックが無い。
「本当にお前はあたしの言いなりにならない奴だな」
顔を伏せたマツリの口元からボソリとそんな言葉が漏れる。
「ごめん」
「……いいぜ、イブキと特訓しな」
「ホント!?」
「あぁ。絶対に言いなりにならないお前のそういう所にあたしはすごくイラついてたけど、お前のそういう所が好きでもあるってことが分かっちまったからな。でも超能力が使えるようになったらその時はあたしとデートするんだぞ?」
―― マツリの三度目の誘い。
気に入らない事はすべてバイオレンスで思い通りにしてきたこの女の子がここまで譲歩してくれている。これだけ一生懸命なこの娘の想いに僕もきちんと誠意を持って答えなくっちゃ。そうじゃないとこの娘に失礼だ。
「マツリ、それも出来ない。ごめん」
「なんでだよ!? 特訓が終わるまで待つって言ってんじゃん!!」
「僕、カリン・タカツキが好きなんだ。だから出来ない」
「…………」
さっきよりもずっと長くマツリは黙り込んだ。うつむいているから彼女の瞳の色が今も金色になっているかどうかは分からない。
「もしデートしてくれないとあたしはまたお前に乱暴するようになるかもしれない。お前はそれでもいいのかよ?」
下を向いているマツリの声が小さく震えている。この娘の心情を想像して胸の中心が痛くなった。
「今のマツリはそんなこともうしないよ」
そう伝えると、マツリがガバッと顔を上げる。
「なっなんでお前にそんなことが分かるんだよ!? 適当なこと言うな!! あたしはやるっていったらやるんだぞ!?」
「適当じゃないよ。僕自身がきっとそうだろうなぁって思っただけ。だからもしマツリが本当に乱暴したかったらしてもいいよ。僕、結構我慢強い方だし」
「…………」
マツリはまた顔を伏せてしまった。
でも僕はやっぱり今自分の言った事が正しいと確信する。だって顔を上げたマツリの瞳は金色じゃなかったから。
向かい合って立ち尽くしている僕らにツインテールの女の子が元気よく駆け寄ってくる。
「あっ! タイセーくんめーっけ! もうっ、教室にいないからクルミ、あちこち探しちゃったじゃないですかぁ~!」
「あ、カシムラさん……」
走ってきたのは同じクラスで僕の保護欲をかき立てるとても小さな女の子、クルミ・カシムラ。僕の心の妹だ。
「クルミッ、今タイセーと取り込み中だ! あっちに行ってろ!」
僕との話し合いを邪魔されたと感じたマツリが猫目を吊り上げて怒鳴る。
「えぇ~、だってクルミはタイセーくんの彼女なんですよぉ~? マツリちゃんの方があっちに行くべきだと思いまーす!」
「……ハ? なんでお前がタイセーの彼女なんだよ?」
「だって昨日ランコちゃんとクルミ、どっちが魅力的かってタイセーくんに聞いたら、タイセーくんはクルミの方が可愛いって、クルミを選んでくれたんでーす! そしてその後、二人で相合傘で一緒に帰ったんですよ! ねーっタイセーくん!」
「……おいタイセー、どういうことだ?」
うわわわわ! マツリの瞳がまた金色になり始めてます!!
カシムラさん! 君はなんてタイミングで現われて、しかもなんて爆弾発言をしてしまってるんだよ!! しかも今の爆弾発言は僕が彼氏だってこと以外はすべて本当のことだから逃げ場が無いし!
「あ、え、えと、今のカシムラさんの話は、色んな誤解が複雑に絡まった結果で……」
へどもどと聞き苦しい言い訳を始めた僕の前にまた新しい女の子が舞い降りる。
「ここにいたのねタイセー」
上空からふわりと現われたのは美しき淫欲狩人、ランコ・コダチだ。
「あーっ! ランコちゃん何しに来たんですかぁ!? タイセーくんをかけた勝負はもうクルミの勝ちで昨日で決着がついてるんですよ!?」
カシムラさんが怒ってるけど、そちらには見向きもしないでコダチさんは僕のすぐ前にストンと降りた。そしてモデル立ちで優雅に腕を組む。
「タイセー。私、あの後メディカルルームでよく考えたわ。そして結論が出た。私は本気であんたが好きになったんだと思う」
真っ直ぐな瞳で僕を見るコダチさんの表情はすごく真剣だった。入学してからずっと隣の席だったコダチさんのこんなに真面目な顔を僕は初めて見た。
「コダチさん、僕」
「言わなくていい。あんたの気持ちは昨日聞かせてもらったから。でもあんたが好きだって結論が自分の中でこうしてはっきりと出た以上、このままで終わるつもりはないから覚えておいて。このランコ・コダチが本気になった以上、このままおとなしくあんたを諦めるっていう選択肢はありえないの。今のあんたは他の女が好きかもしれないけど、絶対に振り向かせてやるからおとなしく股間を洗って待ってなさい。言いたいのはそれだけよ」
「待てよランコ! あたしだってタイセーが好きなんだぞ!?」
「ふん、邪魔者が何人増えても同じ事よ。カリンにもあんたにもクルミにも絶対に負けないから見ていなさい。最後に笑うのは私、ランコ・コダチよ」
食ってかかるマツリをチラリと一瞥したコダチさんは冷静な声で居丈高な宣戦布告をぶちかましし、それにカッときたマツリが応酬する。
「あたしだって乳がでっかいだけで威張ってるお前になんか絶対に負けねーよ! タイセーはあたしのもんだ!!」
「今のそっくりそのままあんたに返してあげるわ。おっぱいが大きいこと以外なんの取り得もないのはあんたの方じゃない」
「なんだとーっ!?」
「ホントのことでしょ。上から下まで魅力たっぷりのランコとあんたじゃまったく勝負にならないってことよ」
「もーなんですかぁ二人して勝手なことばっかり言ってー!! タイセーくんはクルミの彼氏なんですぅ~~!! 人の彼氏を取ろうとしないでくださぁ~い!!」
しゅ、修羅場だ……。
目の前で激しく言い争う女の子たちの剣幕になすすべがない。
情けないけどここは一時退却するしかない!!
女の子たちに気付かれないよう、身体の向きは変えないままでそろりそろりと後ずさりをする。そして校舎の角をバックで曲がり終えた瞬間に身を翻して脱兎の如くこの恐怖の女人戦線を離脱した。
あぁどうしたらいいんだろう。僕のメデューサ様がこの事実を知ったら今度は三つ巴ならぬ四つ巴の女バトルがここフルリアナス内のどこかで勃発してしまうかもしれない。僕は今自分の特訓のことだけで頭がいっぱいなのに……。
「ぐぎゃぁあああああぁぁ!!」
―― エ!? な、なに!?
突然の不気味な叫び声に走っていた足を止めると、少し先の大木の下で一匹の黒ネコが僕に向かって毛を逆立てていた。あのネコ、コシミズさんの使い魔だ!!
走っているうちにいつの間にか裏山の方に入りかけていたらしい。片目が潰れた黒ネコは僕に向かってまだ盛んに威嚇している。待てよ、あのネコがここにいるってことは……。
急いで周囲をきょろきょろと見回してみると、黒ネコのいるすぐ側の細い木の後ろに赤いチェックのスカートの端がちょっとだけはみ出ていた。隠れようとしたけど木が細すぎてちゃんと隠れ切れなかったみたいだ。
「そこにいるの、コシミズさん……?」
もしかしたら呼ばれてビクッとしたのかもしれない。チェックのスカートがちょっとだけ揺れた。
「コシミズさんだろ? お、おはよう」
挨拶をしても返事は戻ってこない。昨日彼女の手から叩き落してしまったハンカチをまず返そうと近づいた時、幹の後ろから小柄な女の子が飛び出してきた。やっぱりヨナ・コシミズだ!!
「あのっこれっ!」
制服のジャケットからハンカチを出そうとしたけど、コシミズさんが逃げ出そうとしているので焦ってうまく取り出せなかった。
「待ってよ!!」
ハンカチを出すのを後回しにしてコシミズさんを必死に呼び止める。
するとコシミズさんは一瞬だけ足を止めて僕のほうを振り返った。そして不思議な色をした切れ長の澄んだ瞳で僕を控えめにじっと見た後、風にかき消されそうなぐらいの小さな声で言った。
「君なんて嫌い」
浴びせられたその言葉に思わず足が止まる。
PSIがまったく使えなくて色んな同級生に笑われたりバカにされてきた僕だけど、そんな今にも泣きそうな悲しげな顔で「嫌い」と言われたのは生まれて初めてだった。
足音もほとんど立てず、黒ネコと共にコシミズさんが逃げていく。
小さくなっていく彼女の後ろ姿とは反対に、心無い言葉で傷つけられたショックが僕の中でどんどんと大きくなってくる。
でも僕にコシミズさんを責める資格は無い。
だって先にその言葉を言ったのは僕だ。今と同じ心無い台詞を僕は昨日あの娘に投げつけてしまっている。
コシミズさんと同じ立場になってようやく気付けたよ。
昨日の僕のあの一言がどれだけあの女の子を大きく傷つけてしまったかってことに。