そのイタズラはとってもズル過ぎると思います
今までフルリアナスへ登校する時はいつも憂鬱だった。
理由は僕が超能力を使えない、いわゆる落ちこぼれな生徒だから。
目の前に威風堂々とそびえ立つフルリアナスの校舎を見上げる度に気後れがする。もちろん今日もだ。
今までと何も変わっていない自分にため息が出たけど、でも今朝の憂鬱の理由はこれじゃない。
教室に着いたらもうカリンはいるのかな……。
僕を見たら彼女がどんな顔をするのかがまったく予想できない。だから不安でしょうがない。
顔を合わせたら「おはよう」って自然な感じで挨拶をした後、まずは昨日CALLroomで怒鳴った事を謝るのは当然だ。でもその次はどうすればいいんだろう? 次に行うべき最善な行動が分からない。
「何があっても私があなたを守るから」
落ちこぼれな僕を心配してくれたカリンに向かって、「またそんな事を言ったらきっと君の事を嫌いになる」だなんて心にも無い事を怒鳴ってしまった事は本当に悪いと思っている。それにあんな事を言ってしまったけど、初恋の女の子を本心から嫌いになれるわけがない。
だけど、カリンに釣りあう男になるためにPSIの特訓をしようと決意した僕の気持ちとは裏腹に、肝心のカリンはそんなことを微塵も望んじゃいなかった。
僕はそれがショックだった。頭から自分を完全否定されたような気がした。
あの時、守られるだけと知った自分の存在がなんだかとっても空しくて、同時にむしょうに情けなかった。でも僕が能力的に救いようの無いカスだということは悲しいけど揺るぎない事実。なのに自分の無能さを認めたくないばっかりに、カリンにあんな暴言を吐き捨てた。
自分が身のほど知らずな何様発言をしたことは充分に分かっているし、こんな生ける産業廃棄物がカリンのような才色兼備の女の子に好かれていること自体が普通に考えればありえないぐらいの奇跡なんだってこともよく分かっている。
だけどそんな大いなる奇跡に恵まれても、大好きな女の子に守られ続けて一生を生きていくなんて僕はやっぱり嫌だ。この気持ちは冷静になって一日が経過しても変わっていない。
……諦めるしかないのかな……。
カリンのことは大好きだけど僕もこの気持ちを割り切れていないし、超能力のまったく無い僕は、遅かれ早かれいずれはカリンのお荷物になってしまうのが目に見えている。それにこのままカリンと付き合ったとして、もし何かのきっかけでカリンが僕の右腕の秘密を知ったらきっと僕に対して責任を感じてしまうだろう。
それだけは絶対に避けなくっちゃいけない。あの娘の人生を僕が縛るようなことはしたくないから。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
フルリアナスの正門を重い足取りでくぐり抜け、校舎へと向かっていた僕を呼び止める声がする。
「タイセー・イセジマ」
振り返るとそこにはカリンに絶対的な忠誠を誓う従者さんが無表情で立っていた。
「あっ、レドウォールドさん!」
「貴殿に話があるのだが、しばし時間をもらえるか?」
「あっ、え、えっと、はい、いいですけど……、カ、カリンは?」
レドウォールドさんの周辺をキョロキョロとチェックする。でもレドウォールドさんの隣には誰もいなかった。
「お嬢様は本日欠席なされる」
あちこちに視線を走らせている僕に、レドウォールドさんは機械的に答えた。
「えっ具合でも悪いんですか!?」
「あぁ、ご気分が優れないそうだ」
きっと昨日の僕の暴言のせいだ……。カリンも僕と顔を合わせづらいんだろう。一刻も早く謝らなくっちゃいけない、そう強く思った。
「カリンは明日来ますか!?」
と息せき切って尋ねると、
「さぁな」
戻ってきた返事は相変わらず冷たい。
「私もあの方に長くお仕えしているが、あのような覇気の無いお姿を見たのは初めてだ」
そう話すレドウォールドさんの表情は硬い。
「……部外者の私がこれ以上ここの敷地内にいるわけにはいかん。放課後、フルリアナスの門前で待っている。いいな?」
「分かりました」
すぐに首を縦に振ったが、それでもレドウォールドさんの表情は微塵も緩まなかった。明らかに気分を害しているのが分かる。
「タイセー」
レドウォールドさんの左目が強烈な光を携えて僕を捉えた。右目はいつも金色の髪に隠れて見えないけど、僕に向けられた怜悧な視線は片目だけでも充分すぎるほどのプレッシャーだ。
「……逃げるなよ?」
「は、はいっ! 行きます必ず!」
そう答えるとレドウォールドさんは無言で僕の前から消えた。厳しい表情の従者さんが去り際に残していった威圧感に身体が硬直しているのが分かる。
レドウォールドさんが僕に聞きたい事、それはおそらく昨日のCALLroomでの詳細だろう。カリンに謝る前にレドウォールドさんに制裁を受けることになりそうだ……。
「お! タイセーじゃん! なにそんなとこで固まってんだよ!」
かなり強い力で背中をドンと押され、強張っていた身体の緊張が一気に解けた。
「おーっす!」
そこには猫によく似た目を輝かせたマツリがいた。
「あ、マツリ……」
「お?」
マツリは急に不審そうな眼差しになると、僕の顔を覗きこむ。
「大丈夫か? なんか顔色あまり良くないぞ?」
「そ、そっかな?」
「あぁ、血の気引いたみたいな顔してる。まさかどこか具合でも悪いわけじゃないだろうな?」
すぐ間近で女の子にジロジロと顔を眺められ、思わず適当な答えを口にした。
「た、ただの睡眠不足だよ、きっと」
「睡眠不足~? あーなるほどな! 夜中にエロサイトでも見まくってたんだろ?」
「みっ、見てないよ!」
「ハハッ、なーに焦ってんだよ? ま、具合が悪くないならいいんだけどさっ!」
また背中を勢いよくドンと叩かれ、二度むせてしまった。念動力が得意なせいか、普段の何気ない動作も結構な破壊力だ。
「それなら今日授業サボって裏の林に昼寝に行ったらどうだ!? あたしも付き合うよ!」
「えっ、それはちょっとマズいと……。今夜は早く寝ることにするから」
「ちぇっ、タイセーと二人っきりになりたいのになぁ」
マツリはちょっぴりむくれた顔で僕を見ると小さな唇を尖らせ、「じゃあ今日帰りにどっかで遊ぼーぜ! あ、もちろん二人っきりでだぞ!?」と誘ってくる。
「今日の放課後は用事があるんだ」
「じゃあ明日だな! 明日はあたしがタイセーを予約する! 明日は絶対に先に帰るなよ!」
……ダメだ、どうにも違和感が拭えない。
フルリアナスに入学してから昨日の朝まで、僕はこの娘からずーっと “ エロタイセー ” と呼ばれていたので、名前の頭に “ エロ ” が無いとどうにも落ち着かない。なんだかんだ言っても意外とあの二つ名に馴染んでたってことなのかな。
「明日が楽しみだなー! どこに行こうかなー! タイセー、行きたいところがあったら考えておけよ? お前に合わせるからさ!」
すぐ横でマツリが嬉しそうにニコニコと笑っている。その笑顔を見ていると、何だか優しい気持ちになれていることに気付いた。
マツリには入学してすぐの頃からエロ呼ばわりされたり、色々理不尽な乱暴をされたりと、正直閉口していたけど、でも僕に色々と話しかけて構ってくれてたのはこの娘だけだったんだよな……。
女子のみのクラスに入れられて友達も出来なくただひたすらに孤独でモノクロだったあの日々に、マツリ・テンマがほんの一時だけ色をつけてくれたこと自体はちょっぴり嬉しかった。その気持ちは本当だ。
「そうだ! 聞いてくれよタイセー! 昨日嬉しいことがあったんだ!」
マツリは猫目をクリクリと動かし、僕の腕をいきなりガシリと掴む。
「わっっ!?」
腕挫十字固でもかけられるのかと焦ったせいでマツリの手を強引に振りほどいてしまった。身体に染み付いた条件反射って怖い。
「ご、ごめん! つい……」
慌てて謝ると、僕のこの態度にショックを受けたマツリがションボリとした表情で「いいんだ」と深く俯く。
「だって今までが今までだもんな……。散々タイセーをいたぶってきたんだからそうやって思わずあたしのことを警戒しちゃうのも分かる。でももうお前に乱暴とか絶対にしない。約束する。誓うよ。ホントに今までごめん。反省してる」
マツリはそう言うとまるで借りてきた猫のようにしおらく素直に頭を下げた。
……す、すごい、完全にキャラが変わってる……!
いや、これはもはや変化というよりは崩壊レベルかもしれない。昨日の朝までは “ 僕に対してのみ異様にバイオレンス ” という看板を背中にしょっていた乱暴者の女の子のはずだったのに、今ではまるで別人だ。
あまりの激変ぶりに驚いて思わずマツリの顔を穴の開くほど見つめると、マツリは強張った表情を隠そうと不自然な照れ笑いを浮かべる。
「あー……、あはははっ、や、やっぱ一度謝ったぐらいでそうそう許せるもんじゃないよな! あたし、先に教室に行くわ! じゃ、じゃーなタイセー!」
ぎくしゃくした動きで手を振り、元・バイオレンス少女は僕にくるりと背を向けた。うわ、もしかして傷つけちゃったっ!?
「ままっ、待って!」
どっちかというと自分は鈍くさい方だと思っていたけど、今回は珍しくいい瞬発力を出せたみたいだ。逃げるように去ろうとしたマツリの内肘を掴むことに成功する。
「昨日嬉しかったこと、まだ教えてもらってないんだけど?」
引き止められてびっくりしたような表情をしているマツリにそう伝えると、元・バイオレンス少女は急に顔を赤くする。
「あっ、やっ、そ、その……、べべっ、別にそんな全然大したことじゃないんだ! あたしが嬉しかっただけでタイセーが聞いてもそんな面白いわけじゃないしっ! だからやっぱその話はナシでいいっ! ナシでいいからっ!」
しどろもどろなその口調が何だかすごく新鮮で、思わず自然に笑顔が出た。きっとこれも僕が知らなかったマツリ本来の一面なんだろう。
「そんなの聞いてみないと分からないよ。教えてよ」
逃げ出さないように腕を取ったままで「何が嬉しかったの?」とさらに促すと、マツリは恥ずかしそうに僕に向き直ってくれた。
「あ…あのさ、き、昨日の事なんだけど……」
「うん」
「あたしさ、昨日の朝カリンとケンカしたろ?」
「!」
唐突にカリンの名前が出てきたので心臓が跳ねた。もしかして今後ろに来ているのかと錯覚し、横目で校門付近を確認する。だけどそこには誰も立っていなかった。なんだかホッとしたような、でもやっぱり寂しいような、折り合いのつかない二つの感情が僕の中で中途半端にミックスされている。
「あたし、あの時カリンに思いっきり吹っ飛ばされたろ? あれ、どうやったのかが知りたくてさ、放課後にイブキにやり方を聞きに言ったんだ」
「えっ!? じゃあ先生に昨日ケンカしたことを話しちゃったってこと!?」
「いやそれがさ、イブキの奴なぜか全部知ってたんだよ
」
マツリは不思議そうに二度大きく瞬きをする。
「イブキと顔を合わせた途端にさ、“ 今朝タカツキさんから受けた能力について知りたいのね ” っていきなり言われてさ、超ビビッた」
……さすがは僕らのことはなんでも見透かしているイブキ先生だ。現代に甦った魔女だけのことはあります。
「最初は透視であたしとカリンのケンカをどこかで見てたか、クラスの誰かがこっそり密告ったかって思ったんだけど、どうやら違うっぽいんだよな。イブキってさ、ちょっとトロくさいところあるし、今まであいつのこと舐めてた部分があったけど、まさか肉体接触無しで相手の思考を読めるなんて思わなかったよ。あいつも伊達にここの教師をやってないってことだよな。そんなことが出来るのはヨナぐらいかと思ってた」
「えっ、じゃあコシミズさんって無接触で相手の情報を読み取れるの!?」
「だって接触感応をさせたらうちのクラスであいつがダントツじゃん。直に触られたら記憶の隅から隅まで見られちまうと思ったほうがいいな。触らない時はどの辺りまでイケるのかは知らないけどさ」
「……隅から隅まで……?」
顔から再び血の気が引いていくのが分かった。
じゃあ昨日コシミズさんが僕にギュッと抱きついてきた時、僕の過去の記憶は完璧に読み取られてしまったってことだ……!
「ねぇマツリ! コシミズさんっていつも何時くらいに学校に来てるか知ってる!?」
コシミズさんを探さなきゃ。
僕の中を覗いて知ったすべての事を絶対に誰にも話さないようにもう一度強く念を押しておいた方がいい。
「ヨナならいつも朝早く来て裏山で猫と遊んでるみたいだな」
「……ネコ? それってコシミズさんの飼いネコなの?」
「いやノラらしいぜ。あいつ感能力メッチャ高いからさ、動物との意思疎通もイケるっぽいんだ。暇さえあれば裏山に行って猫と会話してるみたいだな」
「じゃあもう裏山に来ているかな?」
「ヨナに何か用でもあるのか?」
「い、いや、別にそういうわけじゃないけど」
「……話し逸れちゃったな。もうあたしの話はいいよな?」
マツリのテンションが下がっていることに気付き、ハッとする。話しの途中だったのに僕がコシミズさんのことばかりを聞いたせいだろう。さっきから考える事が多すぎたとはいえ、デリカシーが無さすぎた。
「あ、ごめん! 聞かせてよ、さっきの続き!」
「……本当に聞きたいか?」
マツリが僕を見る視線は疑わしげだ。
「聞きたい聞きたい! すごく聞きたい! それでイブキ先生は何て言ったの?」
全力で頷くと、ようやくマツリはまた話し出してくれた。
「でさ、イブキは実際に見ていないから推測になるけど、って言ってたけど、あたしがあの時ぶっ放した力をカリンはそのまま一時的に溜めて、反動で弾き返してきただけってオチみたいなんだ。かなりの威力だったからカリンもあたしと同じくらい念動力があるのかと思ったけど、あれは単に自分の攻撃を自分に食らっただけってこと。なーんかマヌケだよなあたし」
「へぇ……。それ、どうやったら弾き返せるの?」
そう尋ねた後で少し後悔する。
超能力が全然使えないくせに発動方法を尋ねてみて笑われないかな。
そんな自虐的な気持ちが一瞬胸をよぎったからだ。
「あれのやり方か?」
「う、うん。良かったら教えてくれるかな……?」
でもそんな心配は杞憂だった。マツリは馬鹿にして笑うどころかニッコリ笑うと誇らしげに教えてくれる。
「念動防壁ってあるじゃん?」
「うん」
「まずそのバリアの厚みをさ、これでもかってぐらいにまですっごく薄くするんだよ。イブキは膜ぐらいまで、って言ってたな。それからここがちょっと難しいんだけど、バリアと身体の距離は通常よりも若干大きめにスペースを取って、そのバリアにゴムっぽさを足すんだ。後は攻撃が来たらそれを身体の前でこう……ぐいーんと前に受け止めてさ、後は反動でエイッとぶっ放す感じ? …………ごめんあたし説明ベタだな……。言ってる意味よく分かんないだろ?」
「いや、なんとなくイメージ出来たよ。つまり、すごく薄くしたバリアに弾力性を足して、それで受け止めた攻撃を弾き返すってことだよね」
「そうそうそうそう!!」
自分の言いたかった事が伝わっていた嬉しさでマツリは何度も頷く。
「でさ、あたし念動力が得意じゃん?だからあなたもすぐにできるはずよってイブキに言われてさ、昨日の放課後居残りで特訓したんだ。イブキに見てもらってさ。そしたらあたしも出来るようになったんだ!」
「へぇすごいじゃん! いぃ…」
いいなぁ、というみっともない本音がつい口元からこぼれそうになって慌てて口を閉じる。
「せっかくだからタイセーも見てくれよ!」
「うん、いいけど……。でも僕PSIが使えないから攻撃できないよ?」
「直接でいいって! 手であたしを押して見れば分かるからさ! ほら、今身体の前にサイコバリアを張ったから、ちょっとここ触ってみ?」
「そこ!? で、できないよ!」
だってマツリが指しているのは自分の両胸だ。
「だーかーらー! フィールド張ってるから絶対に触れないって! ためして見ろよ!」
恐る恐る左手を伸ばしてみると、……ホントだ!ピンと張った丈夫なゴム膜を五本の指の腹でグイグイ押しているような感覚がする! マツリの胸に手が届かないや!
「すごいよ! 本当にゴムみたいになってる!!」
「なー? ちゃーんと届かないだろ?」
マツリは鼻高々の様子だ。
「よーし! 今度はもーっと強度を上げてフィールドの弾力をガンガンに上げてみるからさ、もう一度押してみな!」
「う、うん、分かった!」
「いいぜ!思いっきり来い!!」
「行くよ!」
ふに。
な、何? このチョーやわらかい感触……。
自分の左手に目を凝らすと、五本の指はマツリ所有の “ まん丸柔らか半球体 ” に思いっきりめり込んでいた。ぼ、僕、思い切りマツリの胸をわしづかみにしているの!?
不可抗力とはいえ、女の子のおっぱいを掴んじゃっている事実にパニくる僕を、キラキラとイタズラっぽく光る目で面白そうに見るマツリ。
あぁっ! 念動フィールドを解除したんだな!? 騙されたっ! 完全に騙されたよ!
「どーだタイセー、あたしの胸は? でっかくて触り心地サイコーだろ?」
マツリがさらにグイグイと胸を押し付けてくる。最高だけど!! 最高だけどさ!! で、でもこれは非常にマズいです!! こんなところ誰かに見られたら僕、停学になるかもしれない!!
「これからは暴力を振るわない代わりにこっち系でガンガンお前を攻めるからな! 覚悟しろよタイセー!」
エエエ!? 暴力もイヤだけど、そっちも困るよっ!! そういう女体を駆使した肉体攻撃はランコ・コダチだけで手一杯です!! もう本当にスイマセン、勘弁して下さい!!
「ぼ、僕、用事あるからこれで!」
脱兎の如く逃げ始めるとマツリの声が追いかけてくる。
「タイセー! 明日の放課後は絶対空けとけよー! 分かったなー!!」
明日の放課後はマツリに拘束されることは確定みたいだ。どうしよう……。いや、そんなことよりも今はコシミズさんだ! 裏山目指して一目散に走る。
「ん……?」
必死に走っている最中、背中にふと強い殺気のような気配を感じて足を止めた。
でも背後には誰もいない。人っ子一人いない。
気のせいだったのかな……。
もう一度だけ周囲を見渡してやはりどこにも人影が無いことを確認した後、コシミズさんがいる可能性の高い裏山に急いで向かうことにした。