第十四話:手荒な目覚まし
尚人は外に出ていた。辺りはそろそろ日が昇ろうとしていた。砂漠は昼は暑くても夜は冷える。
今はちょっと冷えるが過ごしやすい。走るのには最適だ。
「今日もひとっ走りするか」
ストレッチをしながらそんなことを呟く。尚人はこの二年間欠かさずに朝の走りこみはやっていた。
いつかまた走れるときが来るのを信じて。
ストレッチも終わり走ろうとしたときだった。村の外に何か航空機が降りようとするのが見えた。
遠くからでよく見えないがヘリではないのは確かだ。少し見てくるか。
尚人は航空機が着陸した方へと走っていった。
「あの航空機は一体何?」
独り言を呟きながら走る。もしかして、こうちゃん達が戻ってきたのか。でもあのメンバーの中に航空機を操縦できるのはいたかな?和磨ならできるかもしれないけど。
航空機が着陸したのをはっきりと見えた。段々と航空機の形がはっきりと見えてきた。
ローターのようなものが翼に付いており、例えるなら飛行機とヘリコプターを足して二で割ったような形。そんな印象を受けた。
靴の中に砂が入るのを気にしながら、尚人は着陸した航空機に近づいた。
「お前らは誰だ?」
尚人は操縦席に向けて声を発した。すると、操縦席から見慣れた顔が出てきた。
「リョスケ」
リョスケは操縦席から降りてきた。続いて、こうちゃん、健斗も。
「無事帰ってきたぞ」
こうちゃんは伸びをしながら言った。
「怪我は?」
尚人が聞く。
「皆無事だ。弾薬や食料も大量に持ってきたよ」
尚人はすぐに航空機の貨物室を覗いた。言われた通り大量の弾薬や食料があった。
「すぐに皆に知らせて。すごい情報が手に入ったと」
こうちゃんに言われると尚人は急いで村へ戻っていった。
尚人は皆が泊まっている村長の別宅に着いた。一人一人起こすのは面倒だけどやるしかないか。
まずは和司から
尚人は和司の寝てる部屋に入った。相変わらず和司はすごい体勢で寝ていた。
「寝相悪すぎだろ」
和司を起こすのは後にするか。自分が寝てた部屋には誰もいないから、上の階の連中を起こすとしよう。
尚人は階段を上がって部屋に入った。二階には康太、和磨、亮太が寝ている。康太は誰かが入ってきたのに気づいたようで目を覚ました。と、いってもまだ瞬きを繰り返してる。
和磨と亮太は熟睡のようだ。まずは半分起きてる康太から起こそう。
「康太ー、起きろ」
康太の身体を揺すって起こす。康太は寝ぼけながら上半身を起こした。
「おはよう」
まだ目がしっかり開いてない。
「こうちゃん達が帰ってきた。健斗もリョスケも無事だ」
尚人は康太に事実を伝えた。
「ああ、よかった」
康太の半分寝てる頭でも理解できたらしく、康太は和磨と亮太を起こした。
「亮太、和磨起きろ~」
二人とも起きるのは結構早かった。
「三人とも無事だったのか」
和磨も安心していた。
上の階は皆起こした。さっさと下の階で寝てる和司を起こさないと。
尚人は階段を下りて和司の寝てる部屋へ向かった。それに続いて康太たちも階段を下りていった。
和司はまだ目を覚まさない。大の字になって爆睡している。
「おい、起きろ」
尚人が揺すってみるも起きる気配が無い。
「あと、十分~」
寝ぼけた声で答える。
「これは起こすのは骨が折れそうだな」
亮太は自分のポケットから洗濯ばさみを取り出した。そしてそれを和司の鼻に鋏んだ。
絶叫が響き渡った
「痛い、痛い、痛い!」
和司が痛みで叫びだす。
「これで目が覚めたな」
亮太は和司の鼻に挟んだ洗濯ばさみを取った。ようやく絶叫が収まり和司も目を覚ました。
「なんちゅー、手荒な目覚ましだよ」
和司が文句を言う。
「そんなことより、こうちゃん達が帰ってきたぞ。健斗もリョスケも無事だ」
尚人は和司に伝える。
「おお、それはよかった」
和司も無事を喜んでいた。
皆起こし終わると、こうちゃん達が家に入ってきた。
「ただいま」
「おかえり」
その言葉のやりとりに伝えたいことは詰まっていた。
「俺達の無事を祝う前に聞いてもらいたいことがある」
こうちゃんが皆に向かって言った。
「聞いてもらいたいことって?」
康太が聞き返す。
「すごい情報を手に入れた。得一に関することだ」
一気に皆の顔が深刻になった。