表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

真の自由と平等の追求とそのために必要な政策について

私は個人の自由を持続可能な形で守るためには経済の自由をある程度犠牲にしなければならないと考えている。その理由を説明する。

 私は真の自由とは自己所有権があること、すなわちおおよそ身体の自由と言論・表現・思想・信教の自由だと考えている。また、真の平等とは、人間が、その人の人種や民族、性別、思想、宗教によって待遇に差を設けられずに、個人として取り扱われることだったはずだ。私は真の自由のためにヘイトスピーチ規制やフェイクニュース規制に反対で、又真の平等のためにアファーマティブアクションには反対だ。また、人間には思想の自由があるがゆえに何が善で何が悪かを判断する権利が個人にはあると考えている。この権利を社会や国家が侵害する行為、例えば道徳教育に私は反対だ。また私は人にはプライバシー権があると思っており、故に私はPRISM計画にも反対だ。私が絶対に守りたい自由と平等とは身体の自由と言論・表現・思想・信教の自由と、人間がその人の人種や民族、性別、思想、宗教によって待遇に差を設けられずに、個人として取り扱われる権利、そしてプライバシー権なのだ。これらの権利は人々の生活水準がある程度高ければ多くの人が尊重しようと思う権利だと、私は考えている。

 しかし、人々の生活水準が下がったり貧富の格差が広がったり治安が悪くなったりすると、徐々に人々は自分の経済状況や安全を守るために強権的な政治家や多種多様な思想を認めない政治家や人を真の意味では平等に取り扱わない政治家を支持するようになる。なぜなら人々は、自由な社会や自分たちと異なる民族や自分たちと異なる思想や宗教を持つ人たちが自分たちの貧困や社会の治安の悪化を招いたと考えるようになるからだ。これは人が、自分の境遇の責任を外部に求めたがる習性からきている。また、この考えは一部正しい。例えば現在外国人労働者が日本人の雇用を奪っているから日本人の賃金は上がらないという意見は正しいし、また経済的自由が貧富の格差の拡大を招いたのもまた確かだからだ。故に人々は自由をさも彼らの生活が貧しくする元凶のように扱うのは妥当性がないでもない。また一部の人種や民族、性別、思想、宗教の人がほかのグループに比べて結果的に貧しくなっていた場合、そのグループを政治的に優遇する政府があればそのグループの貧困は解消されるのもまた確かだ。さらに貧富の格差は治安の悪化を招く。一部の人々は、監視カメラの設置によって治安を改善すべきだと主張する。プライバシー権がその妨げになっているという考え方も、一定の論理性を持つ。しかし、これは対症療法に過ぎない。真の解決策は、貧富の格差そのものを是正することである。格差が是正されれば、治安は改善し、監視強化という自由への脅威も回避できる。これこそが、精神の自由とプライバシー権を守る唯一の道である。いずれにしても人々の生活水準が下がったり貧富の格差が広がったり治安が悪くなったりした際人々が強権的な政治家や多種多様な思想を認めない政治家や人を真の意味では平等に取り扱わない政治家を応援することは合理的なのだ。そしてそんなことが続けばやがて真の自由や真の平等やプライバシーの権利が尊重されない社会になってしまう。私としてはそれは防ぎたい。なぜなら私は真の自由や真の平等やプライバシー権を重視しているからだ。

 そんな社会になるのを防ぐためにはどうすればいいだろうか。答えは単純で、人々の生活水準を上げ、貧富の格差を広げず治安が良い状態を保てばよい。そのためには、経済に対してある程度の介入は必要だ。

 さらに、真の自由や真の平等やプライバシーの権利が尊重されない社会になるのを防ぐためには、労働市場への参加条件を適切に管理する必要がある。

 ここで重要な理論的区別を明確にする必要がある。各国政府は自国民との社会契約に基づき成立する。政府の第一義的責任は、自国民の権利保護にある。

 市場参加権は、政府が創設した制度から生じる制度的権利である。この権利は、社会契約の当事者である自国民に対して、政府が保障する義務を負うものである。

 したがって、労働市場への参加条件を設定すること、例えば外国人労働者の受入数や資格要件を調整することは、政府の制度管理権限の範囲内である。これは、自国民との社会契約を履行するための手段である。

 ただし、重要な限定がある。外国人に対しても、基本的人権(精神の自由、身体の自由、プライバシー権)は保障されなければならない。これらは政府の存在に先立つ自然権であり、国籍によらず尊重されるべきである。

 したがって、外国人労働者の受入を制限することは、社会契約の枠組み内で正当化されるが、受け入れた外国人労働者に対しては、基本的人権を尊重し、人間の尊厳に値する扱いをしなければならない。

 この立場は、「すべての人は人種・民族・性別・思想・宗教によらず個人として平等に扱われるべき」という原則と矛盾しない。なぜなら、国籍による区別は、社会契約という制度的枠組みに基づくものであり、人種・民族という属性に基づく差別とは異なるからである。

 ただし、この立場には重要な理論的限界があることを認識する必要がある。

 第一に、国籍による区別は、形式的には制度的基準に基づくが、現実には民族・人種と強く相関する。したがって、国籍による区別が人種・民族差別と完全に独立であるとは言えない。この問題は、理論的に完全には解決されていない。

 第二に、平等権は政府の存在に先立つ自然権であり、本来は国籍によらず認められるべきものである。外国人労働者の制限を社会契約の枠組みで正当化することは、平等権の普遍性という理念との間に一定の緊張を生む。

 第三に、この立場は各国政府の第一義的責任が自国民にあることを前提とするが、このことを人権の普遍性という理念と調和させる必要がある。

 したがって、外国人労働者政策については、以下の原則に従うべきである。第一に、受け入れた外国人労働者に対しては、基本的人権を完全に保障し、人間の尊厳に値する扱いをする。第二に、国籍による区別が、実質的に人種・民族差別となることを避けるため、透明で客観的な基準に基づく。第三に、制限は自国民の権利保護に真に必要な範囲に限定し、不必要な制限は避ける。外国人労働者の受入は、自国の労働市場の状況、技能の需給バランス等を考慮し、透明で客観的な基準に基づいて決定されるべきである。

 これは、国際関係における不干渉の原則とも整合する。各国は、自国の労働市場政策を自主的に決定する権利を持ち、他国はこれに干渉すべきではない。同様に、我が国も他国の労働政策に干渉するべきではない。

 この立場は、理想的な解決ではなく、現実的な制約の中での次善の策であることを認識する必要がある。真の解決は、すべての人が自国で人間の尊厳に値する生活を送れる世界を実現することである。

 さらに、真の自由や真の平等やプライバシーの権利が尊重されない社会になるのを防ぐためには、国家を挙げて生産性の向上に取り組まなければならない。ただし、その具体的方法は、手続き的中立性と基本的人権保護の原則に従って、民主的に決定されるべきである。重要なのは、「生産性向上」が、労働者への過度な負担や、精神の自由の侵害(例:思想統制的な企業文化の強制や思想統制的な教育)を意味してはならないという点である。生産性向上は、技術革新、教育の充実、インフラの整備など、制度的支援によって達成されるべきである。

 そうすれば私が守りたかった真の自由と真の平等、およびプライバシー権は守られる。故に私は経済に対して政府がある程度介入すること、外国人に対する抑制的な対応、および国家の生産性の向上のための取り組みを支持する。

 もしあなたが自由主義者ならば、今一度問いたいことがある。あなたはどんな自由を守りたいかを問いたい。もしあなたが守りたい自由が無制約の商取引の自由や新自由主義的規制緩和なのだとするのなら、私の意見はあまり参考にならないだろう。しかしもしあなたが守りたい自由が言論・表現・思想・信教の自由ならば、私の意見は参考になる部分もあると思う。なぜなら、私は法的枠組み内で適切に規制された市場経済は支持するが、無制約の商取引の自由や新自由主義的規制緩和は個人の自由を侵食すると考えるからだ。

 最後に、私は人間を人間足らしめているのは人間の尊厳だと思う。そして人間の尊厳とは、人が精神的に自由であること、および人が個人として平等に尊重されることによって生み出されるものだと、私は考えている。

これで私がcivil libertarianを名乗るのにもかかわらず経済の自由に否定的かを説明できたと思う。

私が市民的リバタリアンを名乗る理由は私が人の倫理や道徳や社会の秩序や正義よりも人の言論・思想・信教・表現の自由及び人が個人として平等に取り扱われるという意味での平等及びプライバシーを重視しているからである。というのも、現代のリベラルは人の倫理や道徳や社会の秩序や正義のために人の言論・表現の自由や人が個人として平等に取り扱われるという意味での平等を犠牲にする、ヘイトスピーチ規制やフェイクニュース規制やアファーマティブアクションを肯定する傾向があるのだ。そして私は彼らと同類とは思われたくなかったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ