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第四十四話 覇者、主役ムーブで破滅フラグを撒きまくる  -式典前編- 投稿1週間遅らせてほしい...申し訳ない!!

投稿遅れちゃう申し訳ない...!!

体調と、精神的なやつで。

ただなんか糸口掴めてきてるし、ノープロブレムദ്ദി ˉ͈̀꒳ˉ͈́ )

来週には出せるから、待ってておくれよ!!

SIDE ショーン


琥珀の鈍感さが、讖文を彩り潰した気配をざわめかせながら。

黄金に張り巡らされた部屋は、ただでさえ煌びやかなのに――

今日ばかりは、格別な光を艶めかせていた。


涼やかに談笑する声。

歩幅をせせらぐ金属音。

竜形の明かりから漏れた金箔。

絵の具のように華やかに散らばる礼装たち。


豪奢さの隙間から、孤独な傲慢さを連想させるそれらは――

かつての緊張を弄ぶように、ただ一点を見据え続ける。


これから催される祝福に、佇んでいた黄金の玉座が軋んで。

キコリ、と。

鼓膜の奥に、盃の軽やかさを滲ませた。


そんな琴をつま弾くような、視線の移ろいを――


「びっじょおお!!!」


「キャッキャピピルゥ!!!!」


鼻息交じりの汚声が、ぶった切る。

その声の中心――エミレは、珍しく深紅のドレスを身に纏っていた。


水晶の中で千切られた薔薇が蘇るように、可憐さが際立つその姿は。

中心で栄光の如く輝いていたシャンデリアをも、霞ませる。


にも、関わらず。

荒くなった鼻息がブッハされるたびに、月光のような髪がボサつき、

膝まで伸びていたドレスの裾が、じゃじゃ馬の尻尾のように激しく揺れまくった。


エミレを美花と見誤った蜂さえも、鼻息に吹き飛ばされて遠くへ。

鼻息の導く先は、花園か、はたまた、馬糞工場か。


……まぁ、そんなことはどうでもよくて。


「これは!?夢なのか!?

 それとも、昨日までの仕事地獄の続きなのか!?」


彼女は、目の前に広がる光景を、呆然と見つめる。

その視線の奥には、蝋燭が雪景色に影を零すように。

喜びへと変貌した哀愁が目まぐるしい速度で、意識の中を旋回していく。


過ぎるは、レシャミリアに縄で連行された後の日々。


お偉いさんの護衛がてら、つまみ食いをしまくって追い出されたこと。

急遽謝罪に行くことになったが、理由がわからなかったため、

とりあえず、ブレイクダンスで相手の屋敷を破壊したこと。

なぜか借金が増えたので、高そうな鉱物を掘りに、海へ出向いたら、

途中から、なんか海水浴ではしゃぎまくっていたこと。


そんなちょっぴりズレていて、ヘマをしまくった出来事たちこそ。

瓶の中に溜めたくすみが、いつしか蜃気楼に迫るような英雄譚を灯して……。


――私が、仕事地獄を独りで片付けたのだ、と。

エミレの胸に、確かな自信を芽吹かせていた。


もちろん、そんなすばらしい現実は存在し得ない。

……実際のところは、原因を作るだけ作って、すべてほかの人に押し付けていたという事実が、本誌独自の取材で明らかになった。

(証人A:少年Sくん 隈だらけ+手には大量の領収書

 証人B:青年Rくん 額には土下座の痕がクッキリ)


そんな背景を微塵も気にせずに、希望が巣食った声で、今こそ彼女は叫ぶ。


「ほっぺた、痛くない!!

 ぼいんセンサー、反応マックス!!」


つねったほっぺたの赤みに、興奮が差し、蒸気を孕む。

頭のてっぺんから捥ぎ出たアホ毛が、けたたましい速度でヘッドバンキングをかます。


もはや、エミレを止める者など何もない。

そう、彼女はイタイやつとして、空間全てから無視されていた。


――なにせ、少年Sくんはややダウン気味なのだから。


その隙を、エミレは逃さない。


「そして何より――」


「この包容力!!」


ぼよよ~んっと。

エミレが、目の前に広がる肌色の大海原へとジャ~ンプ!


きめ細やかに波打つ皮膚は、蓮を慕う燕のように瑞々しく。

揺れるたびに、垣間見える臙脂色の筋が、黄道の如く、煌めいた。


それは、抱き寄せるものの命を溶かし、

抜き出た魂さえも、この弾力の為に彷徨う。

まさに、神話の時代から現存する、人類の始祖。


これまでの激務(仮)の苦労がすべて綿となって、包み込んでくる感覚に。

エミレの鼻息は、これ以上ないほどの威力で、ブッハし続ける。


「ああ、動悸が激しいっ。

 こんなの初めてだよ……天国(マーベラス)ッ!!」


だが。

その艶やかな弾力にいつまでもかまけている暇は、エミレにはない。

なにせ、彼女が冒険者になった目的は――


「ねぇ、おねーさん。

 君のそのふくよかなぼっいーんには、世界を征服する力があると確信したっ……!!

 どうか、私の仲間になってくれないか?」


ズバリ!!

ぼいんなおねーさんとの運命的な出逢いっ!!


瞬間。

エミレが、鏡を宿したような宝石を宙へと散りばめる。


すると。

少年の背に括り付けられていたはずの剣が、身動きを取り始め――


「……キャキル、ケッケ~!!」


リュドエールルが、ドヤ顔で剣を輝かせる。


光沢を纏った宝石と、黒沢のぎらつく剣が織り成すその姿は――

神話に潜られた双璧の彗星のように、

因果を司る星々の軌道をなぞりながら、勇ましく天を穿つ。


まるで、御伽話の王子様が迎えに来たような情景に。

おねーさんは、エミレたちと共に世界征服することを決意する。


この瞬間、クセギブ!?史上、最もえっちぃなおねーさんが仲間入りしたのだ。

これぞ、エミレ奥義、必殺プロポーズ(エモきらっ☆)


となる前に。


「いや、絶対ダメ!?」


ガッチリと、すかさずシルアがリュドエールルを拘束する。

こちらも、珍しくタキシードを着こなし、髪をひとつに束ねていた。


光の果てで、夜空が深海と逢瀬を交わすような曖昧さが。

藍色へと染まった服の上で、結った髪を架けていく。

その風貌からは、欠けた蝶の羽根を収集するような、耽美さを醸し出していた。


はず、なのに。

かっぴらいた目には、血管がバキバキに浮き出ていて。

まさに、THE 四徹明けのサラリーマン。


……こっちもこっちで、雰囲気が台無しだ。


「なによ、シルアの意見求めてないんだけど!?」


一方のエミレは欲望に忠実。

あと一歩で、おねーさんを私のものにできたのにと、

言わんばかりの風貌で、メンチを切りまくる。


「ね、キラッッぴこーんZ(ゼヱター)

 ぼいんなおねーさん、仲間に欲しいもんね?」


「ギョギョギョビビビビ!!」


この世の貪欲さを搾り出したような雄たけび。

シルアの手を必死に搔い潜ろうと、激しく抵抗を繰り返す。

……とてつもない、美女への執念だぜ、アニキ――。


だが、対するシルアは。


「いや、ぜっったいに!!

 いらないね。」


羽衣の繊維に鶴の羽根を綴じるような、強かさを込めて。

腕の力をさらに強める。


そうして、そのまま。

瞬発的に出てしまった棘を均すように。

くぐもった喉を、なんとかへし上げる。


「だって、その人が仲間になったら……エミレが夢中になって危険に気づかなくなるかもしれないし!

 それに、教会の手先だったりしたら、それこそ大惨事じゃないか!」


その声が、あまりにも掠れていて。

摺りガラス越しに、色を見極めるような虚しさがほつれる。


でも、この違和感を言葉にする勇気が出なくて。

ただ、誤魔化すように視線を尖らせると。


「はっは~ん……シルアくぅん。

 ――もしかして、嫉妬しているんでしょ?」


エミレが、すかさず言葉をくすぐらせてくる。

その笑みがどこか、髪束を受け流すような悪戯っ気を帯びていたから。


拍動が唸って、胸を踏み荒していく。

喉がさらに引き締まって、飛び出る声を嬲り取ろうとする。


それでも。

鋏の空振りの滑らかさに呼応するような気概を添えたまま。


――何とか、唇を放つ。


「ち、ちが……!!

 嫉妬なんかじゃ……!?」


否定の言葉を並べるたびに。

鼓膜で透けた血管に、赤みが雪崩れ込んできて。

漏れた声の余韻をうわずらせようと、企んでくる。


その意地悪さが、かつての過ちを抉ってきて。

心の床がまたひとつ剥がれ落ちるような、後悔がむせ上がる。


唇が震えて、握った拳越しに痛みが刻み付けられていく。

擽ったかったはずの脈拍が、弁に圧迫されて――脆さが目立つ。


それでも、あの時の決意を違えないようにと。

昏さを捲る気合を、なんとかして奮い立てて、勢い任せに喉を滑らせた。


「ただ……理由はわかんないけど。

 エミレがほかの人ばっかり見てたら……いや、なんだ。」


――僕だけに、その彼岸色の瞳を輝かせてほしい、なんて。


これ以上は、言えなかった。

もう、あの時のように、この沸き立つ衝動のままに、

剣を振るうことだってできなくなってしまった。


彼女へ募り零れた僕の願望(エゴ)の痛みを、醜さを。

……認めてしまったから。


己の弱さを知ってもなお、彼女と居ることを選んだから。


だからこそ、より一層。

――いつか漏らした願望(エゴ)が生まれた理由の名前を、僕はまだ、知らなかった。


その実感が、這い上がってくるごとに。

手を伸ばしたいような気がして。

でも、まだ手を伸ばせないことに、拳が緩む自分もいて。


軋轢がだんだんと、心を蝕んでいく。

その度に、継いだ面影が褪せる気配を擦らせて。

旋回する疑問に、重圧がこびりつけてきた。


その感覚から、手を離すように。

自分の殻を、またひとつ、掘るように――


「……んんっ、そんなことより!!

 今日は僕たちが()()なんだから!!」


シルアは、声を、張り上げる。


そうやって。

耳たぶに熔けた捩れを、瑠璃色に浸らせているうちに。

ようやく、震えが引いてきた。


「お願いだから、エミレ、少しだけ落ち着いてよ。

 せめて、世間の体裁だけは守らないと……って。」


エミレの様子を覗き見るように、辺りをぐるりと見渡すと。


……見事に、包囲されていた。


涼やかに、社交を交わす正装たち。

だが、その視線は――確実に、エミレ一行へと向けられていた。


好奇な網膜の奥に、吟味を咥えた、

まさに、動物園の檻を見るような眼。


その冷淡さが、不思議と。

コロシアムでの狂気を舐めた、あの目つきを連想させてきて――

シルアの背中に、悪寒を封じ込める。


「……もう、手遅れだね。」


なにか、底知れない悪意が近づいてくる予感に。

睫毛に影が滴って、心の疼きを焦がしてくる。

蜘蛛のベールが勾欄を転がすように、燦燦と。


けれど。


「てへへ~!

 開始早々、主役って感じでこれはこれでよくない!?」


エミレが、計算通りと言わんばかりのドヤ顔で胸を張ってくる。

観衆の鋭い眼すらも、自分を照らす照明へと変えてしまうような、その無邪気さに。


――胸の縮みが、膨らみ綻んでいく。


「ふはは……確かに。

 ま、今日ぐらいは主役だからいっか。」


腫れの底に蔓延った優越感が、鋭さの上に酔いを塗りたくってきて。

緩んだ笑みの隙間に、僅かな燻りを鋏んでくる。


まだ、この感情に名前を付けずとも。

この先に埋まっている脅威に立ち向かう気合を込めて。


「――ほら、エミレ。

 もうすぐ始まるから、席につくよ」


さらりと、エミレに手を差し伸べようとする。

けれど、シルアの指先が短く整えられた、ふた房を掬う前に。


衍字の刻まれた葉に、糸が吹き上げるような悲哀を伝って。

拳が、勢いを、緩めさせてくる。


……なんで、こんなことで、躊躇うんだろ。


「ほいほ~い!

 えへへっ、どんな料理が食べられるかなぁ~」


気づくと、隣まできていたエミレに。

無意識の仕草が、霞まされていく。


どこかで教えられた暗示を編むように。

腐るほど熟れた果実を潰した、追憶の粘り気を、手のひらに頬張ったまま。


――式典の幕は、もうすぐ開かれる。

その背後に秘された、迷い撃ち込まれる楔に気づかずに。


読んでくださり、ご覧くださりありがとうございます(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾

どーもっ!!ルアンでぇえす!!

えびりばでーただいまぁあああ(*´ ˘ `*)ノ


それよりも

びじょおおおおお!!

はー我とても好きよこの話!!!!!


なぜか!?!?

簡単!!!!


このすばらっしぃ、びじょぉのぼぉいんの描写が出てくるからデース


まぁ?

正直、エミレがぼいんに飛び込んだ事実が羨ましすぎて、今もハンカチをくわえながら綴っていますが??

なにか???((www


というのは置いといて!!

なんか!!始まったね!!

ドウア国後編が!!


もうびっくりだ〜

このまま何が始まるかわかんないのにここで切るなんて...!!

全く、誰が綴ったのか((


ままま、サブタイの通り〜前編と後編で分けちゃった(*ノ>ᴗ<)テヘッ

なんなら、45話分までが、全てこの話に詰める予定だったんだけどね...密度が間に合わなかったよねっていう((


まーまーまー!

お久しぶりのグリーティングとでも思ってくれたら幸いだわよん!


つぎの話は、んー早ければ、今週中だけれども

数学のテスト2もあるし...23日投稿が濃厚だわよ( ̄^ ̄)ゞ


(執筆カレンダー書いてみたから、気になる人はぜひ見てみて〜

みてみんのリンク貼っとくね!

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん))

ていうか今日知ったんだけど、、

カレンダー出しましたってあとがきにはっつけて置いたはずのみてみんのリンクが消滅しててさ...

カレンダーというサムネだけしといて、カレンダー出してないあとがきを書いたわけじゃないよね私...大丈夫だよね((((;゜Д゜)))))))www)


でもこの調子で行くと45話で、中間試験挟んじゃうなのよ

あの45話で!!

ルアンさん的魔境で!!www

こぉわすぎる...まじで震えながら冒頭書いているのよ45話

オホホホ

ま、試験中もゆるゆる描くから投稿できるかも...?

その時はまたいうわよ(多分だけどね!!←重要w)


って感じで、匂わせてけふは締めますかな〜((

多分性癖の詰まったあとがき、ご飯食べたら綴ると思うわよ〜

特に内容が進んでないから、性癖しか込めれないんだろって??

(○`х´○) セイシュクニww


最後に。

ドウア国後編、ざっと見積もり立てているけど

ほんちょぉに長くなりそ...1年くらいかかるかもなって感じ!!(あくまで目安だけどw)

すでに、ショーンから聞いている範囲だけども、めちゃ良さげなことを...我愛し子たちがかましてくれているそうなので、お楽しみに( ̄∀ ̄)


エミっさんもシルさんもレッシャさんもリュドーさんもね、それぞれに見どころがあって...特にレシャシル+あの子あたりがね。

これからグッと踏み込んでくる予感がしてるわよね( ≖ᴗ≖)

ま、どうぞこれからも、ゆるゆるとお付き合いくださいナ


てか感じで、2度付け匂わせもしたし、こんくらいで締めますかな!

本当に待っててくれてありがとう〜!

あと、人気投票ね!!

あと一週間くらいだから、やりたい方はお忘れ無く!!

一応あとがきとか使って、結果発表する所存ではある(ラジオもしたいけどね!!)

フォームはこちら!(その他xとか感想欄、マショマロでも参加おっけい!)

https://forms.gle/sXvDGnjeR8x1sCvz5


てなわけで、三連休最終日!!

ゆったりと休んで、明日から無理せずにね!

今日も読んでくれてありがとう(*´꒳`*)

じゃまたねっ!!



追記:

テストやら提出物やらと無慈悲な現実から逃げたいがために!!いつものカオスと比べものにならない量の!!欲にまみれた性癖を!!綴ってしまいました!!www


怖いもの見てみてぇなって英雄さん、全力のオタトークとやらを体験したい勇者さん型はぜひ( ̄∀ ̄)


https://ncode.syosetu.com/n9016kh/56/


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