第三十八話 バカは、鳴れない歯車を搔き回す ーー名を重ねて、歴史を纏う
あっと、今日は文字数以上に、、描写おおめだけど、モーマンタイ!!
君たちなら、乗り越えられるべっ!!(≧∀≦)ゞ((おい
SIDE レシャミリア
「ギルド長様、プレミエールに着きました。」
馬車の扉が、ゆっくりと開かれると、
わずかな軋みと共に、乾いた風が吹き込んできた。
なだれ込んできた風が、もともと入っていた沈黙を押しのける。
季節を焦らせるような、荒っぽさを燥がせながら。
開け放たれた扉の向こうは、日の光に照らされていて。
ほんの少し、心の窪みが、揺らめく。
在りし日の石片が、唸るように、懐かしさを帯びて。
その窪みの拠り所を探すように、
自然と、視線が後ろへと赴く。
けれど、その視線の先には、少女を抱えたあいつがいて。
窪みの奥に、やるせなさが、湧き出てくる。
「ほら……出るぞ。」
扉の先を見据えたまま、淡々と。
空気へと向かって、ひとこと投げかける。
すると、背後に佇む気配が、ふいに煌めく。
水泡を握りしめたような、物足りなさを漂わせて。
「――うん」
返ってきた声が、妙に真っ直ぐで、
心がほんの少し、後ろへと引きずられる。
潮が満ちるような、重さを滲ませながら。
その質量から逃れるように、
馬車を飛び降りる。
――ガサッ
土ぼこりが、衝撃に寄り添うように、宙を舞う。
ふいに、視界が開けて――日光が覆われた。
上から押しつぶされたような、あっけなさを残して。
目の前には……城壁。
石を積み上げたはずのその姿は、もはや自然に溶け込んでいて。
世界の理にさえも、存在を染み込ませたような、存在感があった。
その中央には城門が。
黒鉄でできていたそれは、首落としのようで。
外界物の一切を許さないような、現実を滾らせていた。
纏う雰囲気のすべてが、圧倒的で――
自然と、呼吸が浅くなる。
過去と今の曖昧さに、思わず、立ち尽くす。
秘宝に触れたような興奮を潜ませながら。
意識が門に取り込まれていくような感覚。
ゆったりと、時の流れが、全身に染みわたっていくようで。
心の中を、無へと還らせる。
――けれど、足の裏だけは、現実に根を下し続ける。
錨を突き立てるような、寂寥を掠らせて。
さらさらと流れていく寂寥が、ふいに、目線を横へと向ける。
足元の土が、僅かに鳴って、肌を叩く。
「ああ、これはこれは、ギルド長様!
また来てくださったのですね!!」
突然、耳が引き戻された。
錨を突き付けられたような、寂寥を掠らせて。
視線を移すと、門番が俺様へと、軽く敬礼をしていた。
その動きが、重苦しい空気の中で、やけに現実味を帯びていて。
心の中で広がり続けていた波が、一気に引き締められていく。
胸の奥で、呼びかけられた役職がかちりと噛み合う音がする。
ふいに、背筋が伸びた。
鎧をかぶせるようなぎこちなさを貫いて。
肩に一気に重みが圧し掛かってきて、
身体に染みついていた輪郭が、噛み砕かれる。
けれど、その痛みをはぐらかすように、
そっと、手のひらを握りしめた。
「ちなみに、本日のご用件は?」
甲冑をカチャリと鳴らして、門番がこちらに近づいてくる。
その眼差しに、親しみと塗りつぶした警戒を光らせたまま。
背後にそびえた堅牢な門扉と、心の奥をなぶるような鋭い視線。
そのすべてが、選ばれし者だけが通れる『特別区域』だという無言の威圧があった。
「こいつが、プレミエールを見学したいとかで。
……その案内を、しに来ただけだ。」
肩をすくめて、吐息交じりに淡々と応える。
その仕草の奥に、面倒くささが混じっていたことに気づかずに。
反射的に、シルアの肩を小突くと。
そっと、俺様も、視線を、鋭く据える。
掌を紛らわすように、柄で飾りつけながら。
「なんと、ギルド長様自らとは……珍しい」
門番の目がわずかに細められる。
言葉の裏に、細やかな困惑を揺らめかせながら。
それでも、その眼差しは、シルアへと向けられて、
そして、その腕の中――昏く眠る少女へと、静かに移っていく。
一瞬、門番の眉がわずかに動く。
少女の奥に曇らせた『異常』の気配を察知するかのように。
けれども、その驚きさえも、職務へと凍らせて、口を開く。
「……申し訳ありませんが、念のため。
この少年の身元を確認させていただくことは可能でしょうか?」
「……あと、その腕の中にいる少女も。」
職務に徹した無機質さが、少女の微睡に揺さぶりをかける。
その眼差しに、自分でさえも、心の奥がひりつく。
砂浜が陽に炙られるような、痛みを伴わせて。
一拍、間ができて。
風が、衣に蠢く金糸をはたきつける。
肩に押し付けられた重責が、ほんの少し、潮に流されて。
鎧をかぶせたまま、星屑を降らせてくる。
いつかの決意を押し進めるような、傲慢さを帯びて。
「安心しろ、ギルド長である俺様のお墨付きだ。
――何かあっても、責任は全部、俺様がとる。」
言葉にした瞬間、なぜか唇が震える。
これまでに、何度も何度も心の中で、繰り返してきたはずなのに。
……それなのに、胸のどこかが軋んだ。
煮えくりきらない隙間が、囁いてくる。
全部背負うという覚悟の重圧を、捨てるように、と。
その余韻に、不思議と心が掻き鳴らされて、
再び、掌を指圧で刻みつける。
「承知いたしました。
では、お入りください。」
その響きに――
ふと、心の軋みが、緩む。
いつかの星光のように、境界線がほぐされた弾みで、何かが許された気がして。
言葉の重み以上に、肩の質量が和らぐ。
けれども、それ以上に。
――ガシャリ。
城門が無言のまま、その口を開けていく。
歯車のような重圧感を剝ぎつけて。
「お気をつけてくださいませ、ギルド長様。」
振り向くと、門番が直立したまま、礼を送ってくる。
言葉の底に、職務から滲み出た、暖かさを添えて。
けれど。
もう、その言葉で、心は軋むのを止めない。
ただ、目の前の黒門が、心を回し続けるだけ。
不透明に沸いた疑問の代わりに。
唇を研ぎ澄ます。
軽く、平然と流すような、冷徹さを帯びたまま――
言葉を、型に嵌めて。
「ああ」
その勢いで、ゆっくりと、門をくぐる。
転瞬。
世界が一枚、剝ぎ落とされたかのように――
空気の密度が、変わる。
肺の底で、錆と苔とが濁った残滓が、疼く。
その圧迫感の中で、沈黙だけが身体を這って、空気を送り込んでくる。
視界の先に広がるのは、石造りのアーチと、黄昏をなぞったような街並み。
崩れた円柱。
苔むす広場。
錆びた装飾。
そのひとつひとつに、時の重さが宿っていて。
血が、静謐に、身体中を駆け巡る。
郷愁を差し込みながら、ささやかに。
石造りの地面に、斜陽が沈み込んで。
踏み出した足音さえも、他人事のように感じさせる。
地面に咲いている赤花が、服を掠って、揺らめく。
年輪を重ねたかのような、哀愁を絡ませて。
そして、その中心は……宮殿。
鈍色の石で組まれたその宮殿は、
緋色に照らす暁さえも、跪くようで。
荘厳に、冷淡に、威圧を迸らせる。
周りにこびり付いた蔦さえも、金の葉脈と化して、
脈々と、その宮殿を引き立てていく。
不思議と、その情景が、心を惹きつけてきて。
思わず、鎧が、零れそうになる。
見上げたまま、ほんの短く、息を吐いた。
唸り続ける心までも、霞の中へと溶けていく。
そんな様子を見通して、試すように、
宮殿の影が空間を裂くように伸び続ける。
「これが、プレミエール……」
嘆息交じりのつぶやきが、風に靡く。
その流れに身を任せて、振り返ると。
シルアがいた。
けれども、このときだけは、少年じゃなくて。
眼差しが、交錯する。
それだけなのに、心が浮き立つ。
まるで、星どうしの軌道が捩れたように。
同じ方向へと向かいながら、微かにずれていた。
でも、確実に。
あの眼は、遺跡に眠っている記憶を重ねるようで。
この空間に、言葉もなく魅了されていた。
……心が、重なり合っていた。
その事実だけが、全身になじんでいく。
潮の満ち引きに身をゆだねるような、心地よさを孕んで。
その感覚に、意識が導かれて、
思わず、口が搔き回りそうになる。
宝物を見せびらかすように、幼さを巻いたまま。
だけど――
心の空白に、薄いひだが、ゆらりと舞い落ちる。
全身から唇へと、錘を浸透させるように。
ひとつの温度が、遮られていく。
そのひだを、手で振り払う前に。
咲きかけた言葉は、沈黙で塗りたくられたまま。
気配へと――枯れていってしまって。
だから、もう一歩踏み出す代わりに――
「……じゃあ、俺様はここで。」
響きだけが、記号と化して、空気へと託されていく。
行き場を求めて、彷徨うような、無気力さを移ろわせて。
言葉は宙にとどまらずに、呆気なく、足元へと堕ちていく。
浮き始めたしゃぼん玉に、足枷の付けるような、残酷さを捺したまま。
「プレミエールまで連れていくという、俺様の役目は済んだからな」
言い放った勢いで、踵を返す。
硬質な靴音が、無造作に響いた。
曖昧さも、鎧も、置き去りにしたまま――
踏み鳴らすたびに、心の時計を狂わせていく。
すると。
「リュドエールル、一瞬エミレを頼んだ。」
残骸を拾うような詞。
「キャッケケ!」
その詞に、隙間を散りばめる鳴き声。
少年の腕が、ふいに緩んだのを――
空気の手触りで、感じ取った。
振り返るまでもなく。
――カサッ。
少女が、地面へと滴る音。
その存在だけが、後ろでゆっくりと剣へとゆだねられたのが、わかった。
目線も、足取りも、逸らしたまま。
……けれど、その仕草がやけに、心に引っかかる。
離した、のでもない。
置いた、のでもない。
まるで、託したかのように。
織りなおした栞の縫い目さえも、抱きしめるように。
そっと、たったひとつの、まぎれもない何かを、
――迎えに行くためのしぐさ。
その違和感に、言葉を探しかけた時には――
足が、動かない。
拳が、握れない。
唇しか、紡げない。
「は?
お前ちょ――離せって!?」
腕が、掴まれていた。
足蹴に報復するような、鋭さを携えて。
「――あのさ。」
青年の声は、痛いほどまっすぐで。
靴音ごと、心を繋ぎ止めてくる。
「その役目っていうのは、ギルド長としてのものなのか?
それとも……」
「レシャミリアとしてのものなのか?」
刹那。
鳴らない歯車が、急に拉げるように。
胸のどこかで、何かが結い始める。
見えなかった何かが、ようやく編まれていくように。
それでいて、まだ、名を持たない者のように。
「ッ……」
掴まれた腕に、脈が伝う。
それは、きっと――
繋ぎ止めるための熱を孕んだ、流れ星のような。
拙い、星屑の祈り。
ずっと前から、胸の奥に澱み続けていた『答え』の気配。
けれども、それを言葉にするには、足りなくて。
問い続ける。
なにに、なりたかったんだ?
どこに、立ちたかったんだ?
それとも。
ずっと。
俺様は――
なにを、してほしかったんだ?
自然と、手を握り返していた。
まるで、引かれることを待っているかのように。
重責さえも打ち砕くような新鮮さを吹き込めて。
……ああ、きっとこれは。
この手を、待っていたんだと気づかされて。
すこし、拍子抜けして、悟る。
でも、してきたことも――
誰かにしてほしかったことに、変わりはないから。
「それに、僕にプレミエールを案内してくれるんだろ?
……『ギルド長』としても、さ?」
――逃げるな、と言われた気がして。
その言葉が余計に、歯車を掻き鳴らしてくる。
でも、今は……その軋みさえも、結び付けておきたい気がした。
「というわけで、案内してくださいな。
……ギルド長さん。」
預けられた虚空が、心の軋みさえも、掬い取って、
――鎧さえも、繋ぎ止めてくれるから。
それはたぶん、扉が呼ばれているのをまっている空頁。
けれど、今じゃなくていいと任せられてもいて。
強引じゃない。
強制じゃない。
いつか、ほんとうにそう思えた時に――と。
記憶と、記憶の隙間に差し込んだ栞のように。
遺跡のような堅苦しさをとりはらって、包み込んだまま。
蕩けた向日葵越しに、青年が、そっと伝えてくる。
「……受けて立つ」
きっと、この後に呼ぶ手を引いてもらうには。
星屑の名前を口にするには、まだ、足りないから。
泡沫を包んだことばで、時をほどいていく。
歯車の音が、鐘を鳴らせるようにと、瞬きながら。
ご覧いただき、読んで下さり、ありがとうございますっ!!
どーもルアンです( ノ ゜ー゜)ノ
いや、まずは本当に、いつもながらにお疲れ様……とくに前半ね!!
これは、ちょっとあとで言わせておくれよ。
前話あんなに、テンポ悪くて、今もテンポ悪い……??
わからんけど。
いや、ね。
本当に、ここまで付き合ってくれててありがとう。
それは、もう、あいつらの代わりとしても、綴り手としても、土下座レベルで感謝だよ。
正直言うね。
ここまで、本当に今話も、前話も、深める気はなかった。
なんだけど、それを私の綴り手としての直感が、使命が許さなかった
……んだと思う??
ごめん、本当にこればっかりはなんでかって説明がつかんww
けど、これがなかったら、色々なもの踏みつぶしちゃってたんだと思うから。
私は、この描写の重さにこそ、誇りがあるのかなって、感じてまする。
本当にさ。
前半、アホほど重かったでしょ?
でも、やっぱり、前話と、今の話の重さは不可欠だった。
それは、あの馬鹿どものためにも、ルアンの為にも、
そして、きっとこれが沁みて沁みて仕方のない、読むのがアホ辛かった部分がある君たちにも、ね。
まぁさあ、ちょっと話すとさ。
やっぱり……たぶん初めてまじめルアン出した時だと思うけどさ。
決意したからって、何事もうまくいかないんだよ。
それは、今までしてきたことが足かせになったり、
やっぱり、自分が可愛くて、他の為に傷つくのが怖かったり、
単純に、想いの質量が足りなかったり。
理由は百万人無限色。
十人十色なんていうケタじゃ収まりきらないくらいだとマジで思うww
だからさ、この前話とか今話読んでて、もうもどかしくてしょうがないでしょ?
いや、え?お前らまた、言い合いするん??とかさ
えここで、いおうやぁ……とかさ
もう、まじでそう
これ綴ってるときルアンも想ってたもん
ああああこいつら、本当にバカ野郎だなってww
それは私自身も含めてだけどwww
それでなによりも、この重さの元凶はさ。
本当にこれだよね。
レシャミリアか、ギルド長様なのか。
でも、きっと、名前がついても、そうでなくても。
どちらも、自分自身なのには変わりがなくて。
時に、役目に救われたり、役目が義務になったり。
そのあんばいが、本当に難しいんだよなって。
でも、それでも、繋ぎ止めてくれるのなら。
そのあんばいさえも、抱きしめてくれるのなら。
きっと、鐘は、鳴るんだろうなって。
思ってる。
……やべゆ、やべゆ
ほうろこうは……次話だからね?!?!?
うん、次話だからね????((大事w
んんっ!!
PV3000も行ってたし、ブクマも1頂いてるし……
本当に、君たちありがとおおだよおおおo(≧∀≦)o
まじで、前話そわっていたので……めちゃ支えになったべよ!!
ささ、ルアンもう寝るww
絶対に、怒られるww
最近、0時超えりつ高くてww
……本当に、、、気を付けます()
時間、見ないとね、、、本当に。。。。
ままっまま、、次話はいつだろう……。
明後日だと思われる!!
ちなみに、ペースはめちゃくちゃやばゆ
ドウア国前編、描写やばすぎてなwww
えっと、、、、まぁ、
妥協せず、時間見て、、、、うん。。。
ま、色々ちょっとまた兼ね合いあるかもです
投稿は遅延とかしないけど、描写が増えて話数が増えたのでね、、、調節が、、
ままま、ごゆるりと、殴りながらお待ちください(っ °Д °;)っ
てなわけで、本当にねる!!
今日も読んでくれてありがとう!!
また、次話にてお会いしましょ
またねっヾ(≧▽≦*)o




