表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/56

第二十一話 覇者、喰らわれ、魅せる(記念イラスト更新したよ~~!!レビュー感想本当にありがとうございます!!)

投稿明日の金曜日にします!!

申し訳ございません、、

が、あとがきで読者を語ろうのコーナーは投稿しましたので!!是非息抜きに!!

SIDE シルア


「エントリーナンバー8!!

 ハダカネズミの大群を倒したという期待のルーキー!

 エミレ&シルアコンビの登場だぁぁああ!!」


……この声を聞いた瞬間、正直失神しかけた。


ここは、ドウア国の中心にあるコロシアム。


円形にくりぬかれ、天井からは空が覗いてるが、どす暗く、息苦しい。

まるで牢獄のようだ。


隣には、飄々としたエミレ。

背には、震えるリュドエールル。

そして、ぐるりと僕たちを囲むように、無数の観客が押し寄せている。


その観客席の最上段――1番上には、

ざまあみろとでも言わんばかりの笑みに囲まれたギルド長(クソ野郎)、レシャミリアが。


「そして、ふたつ、君たちのためにコンテストを用意した。

 もちろん、『ギルド長専属冒険者』になるための、な。

 そこで、君たちには、それに参加して、勝ち残ってほしい。」


……あの時の言葉を思い出す。


簡単に言いやがって、マジであとで殴る。


キッと睨みを利かせた僕に、かまわずレシャミリアは鼻歌交じりに手を振ってくる。

まるで、ここが余興の場であるような悠長さで。


一方、観客は、僕たちの登場で大盛り上がりだ。

興奮、期待、羨望――そんな感情の豪雨が、僕たちに打ち付けてくる。


空気が揺れ、そして、床が反響する。

そのすべてが、じわじわと、僕たちに迫ってきていた。


まさに、圧倒的な群衆の威圧。

――いつか、体験した()()()()とはまた違ったものを感じた。


そんな熱気に包まれた勢いに、司会の進行が傘をさす。


「さぁあああて!

 対するは、ポリポリコンビ!

 『とにかく、なんでも食べられる』という冒険者最高の才腕(ギフト)を持つ彼らは、

 期待のルーキーを打ちのめせるのか?!」


……いや、司会の人のテンションも語彙力もひどすぎない!?

ほら、もうちょい、盛り上げ方ってもんが――


と、突っ込む間もなく、現れたのは、大柄な男ふたり。

ガタイが良く、まるで喰らうためだけに鍛えられたような肉体。

そして、その視線は……僕たちを『食材』としてしか見てなかった。


ぞわりと悪寒が走る。


「勝ち残るのは、謎多きルーキーか、はたまた、冒険者最強の才腕(ギフト)をもつポリポリコンビか!?」


司会の掛け声とともに、旗が高く掲げられる。


円形に切り取られた戦場の中で、足音が交差する。

緊張が、床の石から身体中に染みわたる。

勝負は近づいているのだ。


集中しないと。


互いに、睨み合うような鋭い空気の中――

ふと、エミレが僕の方を見てきた。


彼女の目にはどこか、過去を回顧するかのような深さと、明るさがあった。


「シルア、いくつか君には言っておくことがある。」


「え?」


「ギルド長が、言っていた通り、これは、私たちが『ギルド長専属冒険者』になるための()()()()オーディションだ。

 でも、だからこそ、ここでは、ただ勝つだけじゃ許されないよ?」


「それって、どういう……」


「それと!もうひとつ。

 シルア、()()()()呪印(シジル)は使わないようにね」


「……っ!?」


意味が分からない。

一度に入る情報量が多すぎる。


体裁的なオーディションだからこそ、圧倒的な力を指し示して、勝てってこと?

じゃあ、なんで呪印(シジル)はなるべく使うなっていうんだ……?


矛盾しすぎている気がする。


思考の波に溺れるたびに、試合は刻々と迫る。

司会は、張り裂けんばかりに空高く旗を掲げ、誇らしげに胸を張る。


そうして、


「すう」


小さな呼吸が、前震のように波動していく。


観客の歓声が、止む。

まるで、獲物を捉えんと肉食獣が、息をひそめるように、ひっそりと。


そんな静寂に包まれた時間の後――


「ギルド長のお墨付き!

 『専属冒険者』の座を賭けた、命のバトル、スタートだァァ!!」


試合の火蓋が切られる。


刹那、割れるほどの歓声が、コロシアム内を支配する。


……始まった。

わかんないけど、やるしかない。

迷ってる暇なんて、ないんだ。


前を見据えると、だんだんとポリポリコンビが近づいてくる。


じわりじわりと、獲物を捕らえるように。


「なぁ、ポリリ、最高だろ?

 今目の前に、かわいこちゃんがいるぞ!?

 どんな味がするんだろうなぁ」


「おい、リポポ、早まるな。

 男もいるんだ、じっくりと楽しんでいこうぜ。」


「ま、そうだな。

 じゃ、俺はこのかわいこちゃんから行かせてもらうぜっ!」


リポポが、一直線にエミレの方へと向かう。


あの巨大で、あの踏み込みは、異常だ。

そのことが、なによりの猛者感を示す。


だけど――甘い。

エミレは、そんなに隙だらけな走りをしない。

彼女なら、もっと素早く、無駄がなく、そしてしなやかに走る。


エミレは、近づいてくるリポポに剣で応戦しようと構える。

しかし、リポポは、そんな彼女の動きにも、突進をやめない。


これは、きっとエミレが勝つ。いける。

圧倒的な一撃で。

まさに、しがなき覇者の名に相応しい一太刀で。


――そう踏んでいたのに。


「……ポリっ!!」


エミレの剣は喰べられる。

呆気なく、お菓子のように。


「ごちそうさん、かわいこちゃん。」


――え?


僕は、何が起きたかまったくわからなかった。

エミレの剣が……喰べられた?


彼らが、なんでも食べることのできるという才腕(ギフト)を持っているのは、わかっている。


問題はそこじゃない。


エミレなら、避けられたはず……だ。

なんなら、呪印(シジル)を使わなくたって、一撃で仕留められた。

それほどまでに、リポポの動きは、雑だった。


なのに、なんで?

どうして、まともに才腕(ギフト)を受けた?


「あらら、やられちゃった。

 君、なかなかやるねぇ!

 剣を喰べるなんて聞いたことないよ!」


エミレは笑顔のまま、爆弾を投げつける。

けれども、それはどう見ても、粗い攻撃。

リポポは、ポリポリと爆弾を喰らい、距離を詰めていく。


エミレが、あんな攻撃をするなんて、ありえない。


まさか。


「――おい、男。

 お前の相手は、こっちだ。」


気付けば、目の前まで、ポリリが迫っていた。

色々考えるのはやめだ。


……僕も集中しないと。


意識を研ぎ澄ます。

最高の一撃を繰り出すために。


だが、その時――


観客の歓声は、一層勢いを増した。


その声は、ある種の達成感と、激高が混ざり、渦を巻く。


横を見ると、爆炎に囲まれたリポポが。

彼の表情には、焦りと危機感が募っていた。


――そして、その中心には、尋常でないほどの爆弾を叩き落とすエミレが。

彼女は、どこか積み上げてきた小さなものが上手くいった者の形相だった。


エミレは、この瞬間、明らかにコロシアムの空気を支配していた。

彼女は、そのまま爆炎へと(タクト)を振るい、歓声を奏でる。


――そこで気づいた。


彼女は、戦っているんじゃない。

『演じている』んだ。


わざと剣を喰べさせる。

わざと苦戦させるように見せる。

わざと必死なふりして押し返す。


そのすべてが、観客を沸かせる演出。


圧倒的な一撃で終わらせるんじゃない。

ドラマを生み、歓声を紡ぎ、そして、物語を創る。


これは――

『守る』ための戦いじゃない。


――『魅せる』ための戦いなんだ。


その瞬間、僕はすべてを理解した。


もう二度と、エピネスの町のようなことが起こらないために。

人々が疑念や恐怖で、クローブの思惑に、惑わされないように。


だからこそ、『勝つ』だけじゃ、ダメなんだ。

魅せて、惹きつけて、認められなきゃ――


『ギルド長専属冒険者』になれない。


そして……僕たちは、変われない。


リュドエールル。

なるべく、()()()()として、戦おう。


リュドエールルは、小さく頷く。

その余韻が、僕の頭を撫でた。


「……エミレ」


君のこと、またひとつ、知れた気がする。


けど――


「そういう大事なことは!!

 最初から言えやぁああああ!!」


僕の叫び声が、コロシアムにこだまする。


まだまだ、試合は始まったばかりだ。

これから、どう転ぶかなんて、誰にもわからない。

例え、その戦いの意図を知ろうと知らなかろうと。


――甘く見ていたのは、僕の方だったのかもしれない。


読んでいただき、ご覧いただき、ありがとうございます。

どうも、ルアンです(*- -)(*_ _)ペコリ

今日は、シルアにぶん回されたドン。

だから、イラストは遅れてしまう、、、ごめんよおおお。


追記。

そして、イラストね、公開したよん!


挿絵(By みてみん)


ノエたんに、土下座してこのポーズとってもらった(あとちょっと賄賂も……wwww)

レビュー、感想、ブクマ、評価全部増えて、初見さんも増えたのかな?

とても感激感謝、号泣の今日ですww


追記しゅうりょ~


だんだんと、PVが増えてきていて、うれしいでござるぞ!

感想と、ポイントもいただいたのおおお!!感動の極みだよね、、、

そのくせ、イラスト仕上げで今日出せなくてごめんよおお((((


ホントに、君たちのPVという名の胎動が、励みになってるまじぃで。

前回から、130PV以上もらってるかんな!?ありがとうございます。。。


そしてね、今回の話、シルアVSルアンVSショーンになっとるって話とかw

読者のこと次話で語るんだけど、それきもくないかなって、GPTに聞くルアンとか

そういうの色々ブチこんだ、てんこ盛り回のあとがきはこちら↓(もしくは上のシリーズ一覧!!)

https://ncode.syosetu.com/n9016kh/25


次話は、木曜日更新予定~~!!(金曜日になりました、、申し訳ございません。)

楽しみにしてくれよなっ☆

じゃ、またねっヾ(≧▽≦*)o

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ