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5話

「そろそろお昼時ね。レインちゃん一緒に食べましょう♪」


 ナリアさんのお言葉に甘えることにして、私たちはリビングに向かった。


「おおう、美味しい。」


 神になってから食事をとらなかったけど、やっぱり良いものだな。

 これからは毎日食べよう。地球でみた料理も作ってみたいし。


「お口に合ったようでなによりだわ。ところでレインちゃん、なにか欲しいものとかある?シルヴィアを助けてもらったお礼がしたくて。」

「そんな。当然のことをしたまでですし…」

「そんなこと言わないで。私たちも一応貴族なのだからなにか褒賞を与えないといけないのよ。」

「そ、それじゃあ。私、旅に出たばかりで無一文なので少しだけお金を頂けたらうれしいです。」

「あら、それだけでいいの?じゃあせめてこれも貰ってくれる?」


 そういうとナリアさんはポケットから黄金のバッジを取り出した。


「このバッジにはシスト家の家紋が彫られていて、自分の後ろにはシスト家がいるんだぞー、っていう証明になるの。」

「へぇ、そんな凄いものをこんな簡単に渡しちゃっていいんですか?」

「あなただから渡すのよレインちゃん。これにはね、シルヴィアと友達でいてくださいって意味もあるんだから。」

「お、お母様…」

「そういうことならありがたく頂戴します。」


 友達の証かぁ…なんかこそばゆいなぁ…

 奏が戻ってきたら奏にもシルヴィアを紹介しよう。


「レインちゃんはこれからどうするの?」

「ひとまず冒険者ギルドに行って冒険者になってきます。」

「えぇ!レインさんまだ冒険者じゃなかったんですか!?そんなに強いのに…」

「レインでいいよシルヴィア。遠いところで修行してたからね。」

「遠いところって、レインちゃんはどこからきたの?」


 あー、神界なんていったらまずいよね…


「『ニホン』ってところなんですけど、凄く遠いので多分分からないですよね。」


 ごめん奏。借りるね。


「『ニホン』…ごめんなさい、分からないわ。レイディアは広いものね、いつか行ってみたいものだわ。」


 騙しているようで悪いけど、流石に女神ってバレるとまずいから。ごめんなさい。


「それじゃあ私はそろそろ行きますね。色々ありがとうございました。」

「あら、もう行っちゃうの?またいつでも遊びに来てね。」

「はい、ありがとうございます。シルヴィアもまたね。」

「はい!またいつでも来てねレイン!」


 お金の入った袋をいただき、別れを惜しみつつ冒険者ギルドに向かう。

 振り返ると門のところでまだシルヴィアが手を振っていたので手を振り返した。

 なんで私の周りはこんなに良い子ばかりなのだろうか…女神パワーかな。


『善行を積みました。一部権限が解放されます。』


 うわっ、びっくりしたー。天の声さん、いきなりすぎますよ。

 ちなみに天の声さんの正体は私にも分からない。剣神(お父さん)曰く、「天の声さんは天の声さんだ。それ以上でもそれ以下でもない。」らしい。


『使用可能魔法が上位魔法Lv8までとなりました。』

『ステータスが上昇しました。』

『その他、56のスキルが解放されました。』


 おお!順調順調。まんまん満足です。

 何気に使用可能魔法を教えてくれたのはありがたい。

 天の声さん、ありがたやーありがたやー…



 そんなこんなでギルドに到着した。

 ギルドには酒場が隣接しているようで、仕事を終えた酔っ払いたちがたくさんいた。

 私も年齢的には飲めるのだが、女神である私の体はアルコールの分解が早すぎてほとんど酔うことができない。健康的なこの体が憎いぜ…

 まぁそんなことはさておき、受付に向かう。


「すみませーん。」

「はい、本日はどういったご用件でしょうか。」

「冒険者登録をしたいんですけど。」

「かしこまりました。それではこちらにお名前と年齢、職業をお書き下さい。」

 

 名前はレイン。年齢は…本当は1500歳なんだけどとりあえず15歳と書いた。

 職業は剣士とか魔法使いとかのことだね。とりあえず、魔法剣士と書いておく。


「できました。」

「はい、ありがとうございます。レインさん、15歳、魔法剣士… 珍しい職業ですね!」

「はは、器用貧乏なだけですよ。」

「それでも両方使えるのは凄いと思いますけど…

 あと登録に必要なのは簡単な試験ですね。」

「試験?」

「はい、Bランク冒険者の方と模擬戦をしてもらいます。

 ガッツさん!新しい冒険者志望の子です!」


 受付嬢が呼びかけるとギルドの2階から顔に傷のあるコワモテな男が降りてくる。


「おお、アリアちゃん。この子が冒険者志望の子か。

 俺はBランク冒険者のガッツ。よろしくな嬢ちゃん。」

「レインです。よろしくお願いします。」

「おう、じゃあさっそく演習場に行くか。」


 案内されるまま、ガッツさんの背中について行く。

 背中を見ていると武器であろう、ショートソードと盾を背負っていた。

 大剣じゃないのかぁ…ちょっと惜しい感じがした。

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