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2話

「へ、『ヘルプ』!!」


 思わず草原で叫んでしまった。もしここに強力な魔物がいたら…

 まぁ大丈夫か、私女神だし。

 そんなことを考えていると神界にヘルプが繋がる。


「レイン!なんでレインがそっちに!?」


 奏が慌ててた。私も慌ててたけど。


「一旦落ち着こう奏。…多分だけど『転生の光』を奏がスキル:魔法反射【全】で反射しちゃったのかも…」

「ええぇ!?あれって反射できるものなの!?」

「私も初めてだったからびっくりしたけど、よくよく考えみたら『転生の光』って神聖『魔法』だし…えへっ。」

「えへってなんだよ!レインは大丈夫なの!?戻ってこれるの!?」

「大丈夫大丈夫、アカンパ○ーオン!神界へ!」

「それハ○ター×○ンターでしょ!」

「呪文はなんでも良いんだよ。イメージが大事なんです。」


 ………あれ、なんでかな発動しない。


『権限が解放されていません。』


 なぬぅ!何故だ天の声!


『神は存在の容量が大きすぎるため能力が制限されます。』


 まじかー、どうしようかなぁ…


『善行を積めば少しずつ権限を解放することができます。』


「なるほど!その手があったか!」

「レイン、どういうこと?」

「神はね、善行を積むと存在が小さく濃くなるの。存在の密度が上がるってこと。」

「な、なるほど分かるような分からないような…」

「まぁ善いおこないをして強くなろう、ってことだね。」

「じゃあ今のレインってめちゃくちゃ弱くて危ないんじゃない?」

「まぁ仮にも神だからそれなりには強いはずだけど…さすがに古代龍(エンシェントドラゴン)が来たらまずいかなぁ…」

古代龍(エンシェントドラゴン)は分からないけど、とりあえずは大丈夫ってことだよね。」


 古代龍は最強の魔物の一種だからね。そうそういない。とりあえずは大丈夫だろう。


「それよりごめんね奏、異世界生活楽しみだったよね…」

「ふふ、大丈夫だよレイン。ドジなレイン見てる方が楽しそうだもん。」

「だ、誰がドジじゃ!…でもありがとう奏、すぐにそっち戻れるように頑張るからね。」


 奏はえぇ子やのぉ…

 わしの目に狂いは無かった…


「どうしたのレイン、おばあちゃんみたいな顔してたよ。」

「なんでもないよ。それより善行の旅にでるのはいいんだけど、ここはどこだろ。『地図(マップ)』。カナチス平野っていうのか、森を挟んでノンノって街がありそうだね。」

「レインが担当してる世界なのに、あまり知らなそうだね。」

「担当はしてるけどあまり関わらないようにしてたからね。世界の危機のときは流石に助けるよ。自業自得のときは周りに影響が出ないようにして放置するけどね。」

「そうなんだぁ。私も何かできることないかなぁ…」

「そうだなぁ、しばらく離れることになるけど、奏には神になってもらおうかな。」

「ええええぇぇぇ!?神様になるってそんな簡単に!?」

「まぁ、それなりにきついんだけど私の師匠に頼めば修行してくれるよ。」

「お師匠さんいるんだ…」

「その(ひと)はね剣神なんだけど、私の神としてのお父さんなの。私を神にしてくれた(ひと)。」

「へぇ、どんな方なんだろう。でも本当にそんな簡単に神様になっていいの?」

「はぁ…そんな簡単にってねぇ、奏って無自覚チート主人公みたいなこと言うね。」

「な、なんでよ!」


 この子、本当に心当たりがないのかな…


「あなたが作った医療AIで何百万の人が救われたと思ってるのよ!」

「なんでちょっと怒ってるの… あれは別に私だけじゃなくて色んな人の協力があって出来たものだし…」

「発案者がいなければ協力もなにも無いってことよ。まぁとにかくあなたは資格があるから神になってもらうからね!」

「決定事項なんだ…わかった、頑張るよ。私もレインの隣にいれるようにね!」


 …っ、泣いてなんてないだからっ!

 さてと…『連絡(テレフォン)


『どうしたレイン。パパが恋しくなったか。』

「そういうのじゃないよお父さん…ちょっと神にしたい子がいてね修行をつけてほしいんだ。私の部屋にいるから。」

『そうか、レインがパパ大好きって言ってくれたらやってあげよう。』

「………パパダイスキ。」

『よしよし、ではその子に稽古をつけてやろう。最後にもう一度ババだい…』プツッ


「レイン…失礼だけどそのひと大丈夫?」

「だ、大丈夫だよ奏。ああ見えて凄い神だから。」

「わかったよ、レインを信じる。………私、頑張るね!行ってきます!」

「行ってらっしゃいー。」

 

 物凄く信じてない目をされてたけど…

 じゃあそろそろ街目指して移動しようかな。

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