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1話

 …りもとさん…

 …おりもとさん…

 …「折本奏さん!」


 …あれ、私いまさっきトラックにはねられて…


「やっと起きましたか奏さん」

「だ、だれ?」


 声のするほうを見ると、そこには目の覚めるような白髪で宝石のような紅い眼をした美少女が立っていた。


「私は輪廻転生を司る女神レイン。勝手ながら事故で亡くなったあなたの魂をここへお連れしました。」


 め、女神様だったのか…

 道理で人間離れした美しさだ…


「えへへ、ありがとうございます。」


 あれ、もしかして心読まれた?


「はい、これでも神ですので♪」


 フランクだなぁ…


「へぇ…じゃあ隠し事はできませんね。」

「心を読まれるのが嫌というならやめますが…」

「い、いえ!どうせ隠すようなこともないですし。」


 絶対そんなものは無いはず…多分…メイビー…


「あなたは心が清い方ですからね。犯罪を犯したことも無いようですし。そもそもそんな方をここには連れてきませんよ。」

「えへへ、そんなそんな。…そういえばなんで私をここに?」

「そうでした!あなた結構なオタクでしたよね!」

「そ、それはそうかもですけど…」

「異世界転生ってやつですよ!」


 い、異世界転生…よく知ってるし作品も結構見てたけど…


「私の担当している剣と魔法の世界レイディアという世界があるんですけど、そこでご自由に暮らして頂きたいんです。」

「え、異世界は憧れてましたし大丈夫ですけど、なんでですか?」

「あなたはお気づきじゃないかと思いますがあなたの魂はボロボロなんです。おそらく働きすぎで精神を病んでしまったのかと。精神と魂は強い結びつきがありますからね。」


 たしかに最近は会社に泊まることもざらにあったし少し、いやかなり疲れていたかも…


「この神界にいても魂は回復するんですけど、どうせなら楽しみたいですよね?」

「き、危険とか無いんですか?」

「そこら辺はご安心を。ちゃんと強力なステータスとスキルをあげますから。頑張ってきた自分へのご褒美だと思ってください。」


 そういうと女神様はにっこりと微笑んでくれた。

 なんか…泣きそう…


「さぁそうと決まればスキルを選んでもらいましょうか!既に安全に暮らせるようにある程度は決めてしますが、残り3つはこの『ドキドキ!ルーレット君』であなたに直接決めてもらいましょう!」

「急にエンタメになった?!」

「ふふふ…私、地球が大好きでよく見てましたからね。それではこのダーツをどうぞ!」


 うわっなにこれ!デフォルメされた女神様が載ってる!


「可愛いでしょ?ではでは、3つ連続でどうぞ!」


 そういうと女神様はルーレットを回し始めた。

 良いスキルがきますように…よっ!はっ!とっ!


「おお!良いですねー。やっぱりこういうのは思い切りが大切ですよねー。さてと…どれに刺さりましたかねー?」


『スキル:剣術【極】を獲得しました。』

『スキル:未来視を獲得しました。』

『スキル:魔法反射【全】を獲得しました。』


 うぉ!びっくりした。天の声ってやつか。


「おお!強いスキルばかり!奏さん冒険者とか剣闘士向きですねー。」

「やっぱり冒険者ってあるんですね。剣闘士というのは?」

「剣闘士とは剣のみで力を競い合う、いわば一種のスポーツですね。強い剣闘士は羽振りが良いそうですよー。」


 なるほど剣で稼ぐか…ゲームではよく剣士系を使っていたし楽しそうではあるな…


「まぁ奏さんなら魔法の方にいっても大成しそうですし、魔法剣士で冒険者という道もありますよ。生産職もありですし。」


 おお。夢が広がりんぐ…


「…それでは名残惜しいですが、渡すものも渡しましたしそろそろ転生させていただきます。体は健康体の15歳にしておきましたので。」

「え、もう行かないといけないんですか…なんだか寂しいですね。」

「大丈夫です。あちらにいきましたら『ヘルプ』といって頂ければ神界の私と繋がりますので。転生させてはい終わりなんてしませんよ!」

「え!嬉しいです!じゃ、じゃあ…その!」

「ん、なんですか?」

「と、友達になってください!女神様にこんなこと失礼だと思うんですけど…」

「わぁ!嬉しいです!じゃあ私のことは呼び捨てでレインって呼んで!敬語もいらないから!」

「や、やったぁ!じゃあ私も奏って呼んで!でも神様とこんなフランクにしてていいのかなぁ…」

「大丈夫だよぉ。私、元人間だし。神様としてもまだ子供だから。」

「ええぇぇ!そうなの!?道理でちょっとイメージより若いなぁと思ったけど…」

「まぁその話はおいおいとして。転生だけ済ましちゃおうか。」


 あ…友達になれたのが嬉しいかったのとびっくりしたのとで完全に忘れてた…


「じゃあ向こうに着いたらすぐ呼んでね。」

「うん!色々ありがとう!『ヘルプ』ね、覚えた!」

「じゃあいくよー。『転生の光』!」


 私の周りを白い光が包み込む。


「じゃあ向こうに行ってもよろしくね奏〜!」

「よろしくねレイン〜!」


 光がどんどん強くなってきて、思わず目を瞑る。

 ああ、楽しみだなぁ…そういえばレインのいる神界ってどんな感じなんだろうなー、また来れるかなー。

 そんな事を考えていると、光が徐々に弱まり消えてゆく。


「終わったのかな?」


 目を開けると先程と変わらない景色がある。


「あれ?」


 いや、よく見てみると少しだけ違うような…


「あ!レインがいない!」

―――――――――――――――――――――――――――

 その頃、世界レイディアのとある草原にて…


「ヘ、『ヘルプ』!!」

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