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プロローグ
初投稿。サイトの使い方がわかっていない部分があるかと思いますが、その時はご指摘頂けると幸いです。
『皆の光でありなさい。しかし決して驕ることはなく、稲穂が実るほど頭を垂れるように、謙虚な人でありなさい。貴女に贈る、真珠星に祈りを込めて。』
ーーー初代エレオノーラの言葉より。
それは物心つく前から繰り返し繰り返し、聖書の一節のように聞かされてきた言葉。
「ねえ、いつか貴女に出会う日を思って、肌身離さず持ち歩いていたのよ。」
まだ見ぬ妹を想い買ったブローチ。迷いなどなく信じていた。きっと私達が一番美しい姉妹になるのだと。エレオノーラになるのは私なのだと。
「もう、わからないの」
貴女に相応しい私であるか。
ステンドグラスから眩い光が差し込み、少女を照らす。
手にしていた青と白い薔薇のブローチを天高く翳し、あまりの眩しさに目を細めた。その拍子に、一筋の涙が白い頬を伝う。
宗教画のようにすら感じられるほど美しいその姿を、目にする者はここには1人としていなかった。
これは、少女を救う物語である。