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ホンモノノスキ  作者: リンゴ
ウソの中のホンモノ
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たとえ出会いが偶然だとしても①     千愛希視点

「まだ、返信はかえってきてないか・・・」


昨日の夜に寺沢君にメッセージを送ったが、返信はない。既読は付いているので読んでくれてはいるのだろう。


急に出会って、いきなりご飯に誘うのはおかしかっただろうか?


それに寺沢君には彼女がいるかもしれない。そこも含めてもっと慎重にいけば良かった。


「・・・つらいな・・・」


まだ、半日も経っていないのに不安な気持ちが広がる。このまま既読スルーされたらなどと思ってしまう


「こんなに返信が帰ってこないのがつらいとは思わなかった・・・私はこれをもっと長い間したんだよね・・・」


今になって過去の自分が彼にしてしまったことの大きさを知った。



・・・・・



8月に彼を見かけた時、私は道の真ん中であるのにも関わらず足を止めてしまった。


彼も私を見つけたのか、一瞬目が合った。


すぐに人の波に押されてしまい、見失ったが私は似ている人の見間違いではないと確信できた。


彼と出会った場所がモンタの近くだったからだろうか?


彼と付き合っていた時モンタでアルバイトをしていた。そのまま就職したのではないかと予測できた。


彼は金沢店に異動してきたんだと自分なりに結論をだした。


私は次の日の仕事終わりに一人でモンタ金沢店に行ってみた。しかし、彼はいなかった。


私は次の日も、その次の日もモンタに行った。


しかし、彼はいなかった。


あの日見た彼は幻なのかと考えてしまう日もあったが、私はモンタに通い続けた。1週間も連続で行くとさすがに顔を覚えられていたようで、声をかけられてしまった。


その時に寺沢さんはいるかと尋ねられれば良かったが、私はそんな勇気が出なかった。


何も買わないのも申し訳ないので、普段も使えそうなTシャツを購入した。それ以降は一週間に1回モンタに足を運ぶようになった。


9月に入っても彼に会うことはなかった。


彼に連絡をしたら話は早かったが、できなかった。


こちらから振っておいて、何もなかったように連絡するというのは自分勝手過ぎるのではないかと思い連絡できなかった。


私が彼に会うのは偶然を装うしかなかった。


その日も習慣のようにモンタに向かった。


「あ・・・」


彼がいた。





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