表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ホンモノノスキ  作者: リンゴ
ウソをつくということ
78/117

夏の終わり②     八瑠佳視点

「やっぱり気になるんですね・・・」


「・・・・・」


「顔を見ればわかりますよ。」


そんな不安そうな顔をしているだろうか?


「まあ、気持ちはわかりますよ。自分を抱いていた男が、別れた瞬間に他の女を抱くとか、嫌ですよね・・・」


「・・・・・私・・・私、彼に抱かれたことないよ・・・」


「え・・・マジですか?一年以上付き合ってそんなことあるんだ・・・」


「あ・・・」


言わなければよかった。完全に自爆だ。


「まあ、その話も気になりますが、それは置いといて。さっきの話の続きですが、私がここにいるのが答えです。」


私はほっとした。私と彼はもう恋人でもないのに何で安心しているんだろう。


「当分恋愛はいいって断られてしまいました。あなたのことまだ好きって言ってました。」


「・・・」


「あーあ。せっかく勇気を出したのに、振られちゃった。」


「ごめん。なんて言っていいかわかんないよ。」


「別に慰めなんかいらないです。というか求めてません。ただ愚痴りたかっただけです。」


「そう。」


「もし慰められたら、怒ってたかもしれません。そんな口だけの慰めいりませんって言ってます。みじめすぎますよね、それ。」


「・・・・・」


「好きな人の元カノに慰められるって、最悪ですよね。というか、自分の顔鏡で確認したらどうですか?」


「え・・・」


「ものすごくわかりやすくほっとしてますよ。」


顔に出てしまっていたらしい。


「振ったくせに未練があるなんて、最低です。もう彼の何者でもないくせに人の恋路を邪魔するなんて・・・」


「・・・・・」


「すみません。ただの八つ当たりです。さっきも言ったようにあなたはもう彼のなんでもないんですもんね。」


その通りだ。私はもう彼と、何の関係もない。


「話を聞かせてくれてありがとう。私行くね・・・」


「ええ、つまらない話に付き合わせてすみませんでした。」


私はベンチに座っている山下さんに背を向け、歩きはじめる。


「寺沢さん、来週の月曜日の昼頃に、大家さんに鍵を返して、金沢に向かうみたいです。」


「え・・・」


私は足を止める。


「いえ、大きな大きな独り言です。気にしないでください。」


私は、再び歩き出す。


少し秋らしくなってきたのか、肌寒い。


夏が終わる。そして、秋が来る。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ