ホンモノノスキ② 蓮視点
「ねぇ・・・私達別れよっか・・・」
「・・・・・」
本当は別れたくなかった。嫌だって言いたい。
でもお互いのことを考えると別れた方がいいのだろう。
俺はカバンの中にいれたもののことを思い出すも取り出すことができなかった。
もので気持ちを示すなんてなんて浅はかなことを考えていたんだろう。
俺はなんて愚かなんだろう。
俺は行動では八瑠佳の希望を叶えていたつもりだった。
その上でのものだった。
思い返せば、八瑠佳を抱く機会はたくさんあった。クリスマス、誕生日、旅行など、色々あった。
もしかしたら、八瑠佳が意図して作ってくれていたのかもしれない。
それは俺の気持ちが本当に誠実になった上で、したかった。
俺は八瑠佳のことを全然わかっていなかったんだ。
そうなれば答えは・・・
「そうだね。別れよう。」
「うん・・・・・」
そういったもののどちらも席を立たない。
「ねぇ・・・私蓮君のこと本当に好きだったよ・・・」
「俺は今でも・・・」
「でも、私はあなたのホンモノノスキが欲しかった。私はどうしてもあなたの想いがニセモノノスキにしか思えなかった。」
「・・・・・」
「私行くね。今までありがとうございました。あなたと過ごした時間は本当に楽しかった。さよなら・・・」
彼女は作り笑いだと明らかにわかる笑顔で言った。
彼女も無理をしているのだろうか。
でも、彼女が笑顔でお別れを言うのであれば・・・俺も。
「俺も楽しかった。さよなら・・・」
俺は無理やり笑顔を作った。俺は笑顔を作れているだろうか。
八瑠佳は喫茶店を出ていく。
俺は見送ることしかできなかった。
八瑠佳との楽しかった思い出が走馬灯のように溢れてくる。
俺は泣いていた。
結局俺は大学生の時と何も変わっていない。見送るだけだ。
(確かに俺の気持ちの中にはニセモノがあったのかもしれない。けど、君と過ごした時間はウソじゃなかった。まぎれもないホンモノだった。)
「ありがとう・・・八瑠佳。大好きだったよ。」
俺は独り言のようにつぶやく。
涙は止まらず、俺は人目も気にせず号泣してしまった。
本当に俺はかっこ悪いと思う。
全てにおいて。




