邂逅① 舞風優視点
私は今日金沢駅前に来ていた。
千愛希と兼六園に行くためだ。行ったことないことを話すとせっかくだし行こうということになった。
「お待たせー」
「全然まってないよ。」
千愛希が到着した。時間ぴったりだ。
「今日は髪まとめているんだ。」
「うん。こっちの方が動きやすいし。」
「舞風優髪伸びたよね。」
「うん。」
金沢に来た時から私は髪を伸ばしている。
言われてから、改めて意識する。もしかしたら、八瑠佳に憧れて意識をしていたかもしれない。
「じゃあ、まずはご飯食べよっか。」
「うん。前に言っていたパスタの店でいい?」
「おっけ。お腹すいたなー。」
時刻は13時になる前だった。休日なのでもしかしたら、混雑しているかもしれない。
・・・・・・
「結構混んでるね・・・」
「休日だから仕方ないよ。」
「そりゃそうか。」
私たちは外で待つ。
「千愛希ってパスタ好きだよね?」
「うん。好きだよ。もしかして、舞風優は嫌い?」
「ううん。好きだよ。ただ、千愛希と店行くとき必ず選択肢に入るなーって思って。」
「言われてみれば・・・そうだね。いつも言ってたね。」
「私も好きだからいいけど。」
「そういえば、あの時もパスタの店だったな・・・」
「え・・・あの時って?」
私が質問したと同時に席が空いたらしく、店員に席に案内される。
「行こっ。」
「うん・・・」
結局聞くことができなかった。あの時っていつのことだろう?
◇
「美味しかったねー。」
私たちは食事を終え、金沢駅の方に向かう。
「うん。やっぱり私カルボナーラ好きだなー。」
「カルボナーラ美味しいよねー。じゃあ兼六園に行こうか。」
「うん。」
そんなことを話しながら、私たちは兼六園に向けて歩き出す。
休日ということもあって、観光客で道は混雑されていた。
信号が変わる。私たちは歩き出す。
「千愛希は兼六園行ったことがあるの?」
「金沢に来た時に一度ね。」
「そうなんだ。」
もうすぐモンタの前を通る。あいつがいるわけではないとわかっていてもどうしても意識してしまう。
「ウソ・・・」
今店から出てきた人。あいつ・・・寺沢蓮に似てる・・・
するとあいつらしき人も立ちどまり、こちらを見る。
彼の目線はこちらを向いている。
(まさか、本当に・・・)
「あっ・・・」
驚きから立ち止まってしまうと、後ろからぶつかられてしまう。
「すみません。」
あいつらしき人を見失ってしまった。それだけではなく、あいつことを考えてしまって、千愛希まで見失ってしまった。
私は人込みを抜ける。
辺りを見渡すが、完全に見失ってしまったようだ。
(千愛希は・・・)
いた。千愛希は立ち止まっていた。道を行きかう人は邪魔そうにしている。
「千愛希。」
私は千愛希を呼ぶ。
「・・・うん。ごめん。」
「大丈夫?」
「うん。大丈夫。いこ。」
私たちは再び歩き出す。
「まさかね・・・見間違いだきっと」
私は自分を無理やり納得させる。
私たちはそのまま兼六園に向かった。
千愛希はその後うわの空で、早めに観光を切り上げて解散になった。




