後輩② 八瑠佳視点
私は山下さんとコンビニから出て、近くの公園に来た。
私に話があるらしい。
「率直に聞きます。寺沢さんと何があったんですか?」
そうだろうなとは思った。
「・・・・・」
彼女に話すべきだろうか?私と彼の問題だ。
それに、あまり関係ない人に話すべきではないような気がする。
「あまり関係ない人に話すことではないです。」
自分でも驚くほど、冷たい言い方だった。
「なんですか・・・それ・・・」
「・・・」
「寺沢さん最近元気全然ないんですよ!睡眠も取れてなさそうだし、体調も良くなさそうです。いままでも元気ないことはありましたけど、あれほど元気ないのは初めてです。」
ああ。彼は職場でも愛されているんだな。
「別に話して欲しいわけじゃないです。寺沢さんと仲直りしてください。」
「・・・関係ない人に話せる問題じゃないんです。だから・・・」
私が言い終わる前に山下さんは話し始める。
「私じゃ、元気にできないから・・・私じゃ、どうしようもできないから・・・あなたしか寺沢さんを救えないから、言ってるんです。」
あ・・・この子・・・
「私の気持ちも何が起こったのかも知らずに、私を悪者扱いですか?ひどいですね・・・」
「おっしゃることはもっともです。でも・・・」
ああ・・・この子は昔の私を見ているようだ・・・まっすぐに真剣に相手と向き合うところが好きと彼に昔言われたな・・・
今の私はどうだろうか・・・ウソをつき、本音ではなさない、私は変わってしまった。
彼女がまぶしい。羨ましい。
私もこうありたかった。
私は嫌な女になってしまった。
だから・・・
「あなたに話すことはありません。関係ない人は口を挟まないでください。」
だから、私は嫌な、最低な返答をしてその場を立ち去ろうとする。
「そうですよ!関係ない人ですよ!でも、本当は関係ある人になりたかった・・・」
「え・・・」
「私は・・・寺沢さんのことが好きです。2年前からずっと。」
彼女の告白に私は固まる。
「でも、寺沢さんはあなたと付き合いだして、私は身を引きました。だって、寺沢さんすごく幸せそうだった。私は寺沢さんが幸せならそれで良かった。」
「そう・・・」
「もし、あなたが寺沢さんに悲しい顔をさせたままであれば、寺沢さんをとっちゃいますよ。いいんですか?」
私はその問いに答えることはせず無言で立ち去った。
山下さんは追ってくることはなかった。
そろそろ結論を出さなければならない。彼とどうするべきかを。




