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ホンモノノスキ  作者: リンゴ
ウソをつくということ
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言えなかったこと②     蓮視点

「俺は、神谷さんが金沢に旅立つ日。新幹線のホームで、俺は・・・神谷さんとキスをした。」


「・・・・・」


八瑠佳は何も言わない。表情もわからない。


「本当にごめん。今まで言えなくて。」


「・・・・・」


やはり八瑠佳は何も言わない。表情は変わらない。


「それだけじゃない・・・」


「・・・・・」


八瑠佳の表情が少し動いた。


「八瑠佳と付き合う前だけど、八瑠佳に黙って神谷さんと会っている。」


「え・・・」


「八瑠佳に水族館で、もう会わないって言った一週間あとぐらいに会った。」


「そういうことだったんだ・・・」


「え・・・」


何か八瑠佳が納得しているが、俺は何を納得しているのかわからない。


「なんで・・・なんで、今まで言ってくれなかったの?」


「・・・八瑠佳に嫌われるのが怖かったからだ。本当にごめん。」


俺は頭を深く下げる。


「私さ・・・知ってたんだ・・・」


「え・・・」


俺は顔を上げる。


「私さ、蓮君が舞風優とキスしたの知ってたんだ・・・」


「・・・」


俺は絶句した。


「私あの日、舞風優が金沢に出発する日、ギリギリ新幹線のホームに間に合っていたんだ。」


「・・・」


「そしたら蓮君が舞風優とキスしてるのを見ちゃった。私驚いて、階段を下りちゃったんだ。」


そうだったのか・・・


「なんで今蓮君は舞風優をかばうの?」


「・・・どういうこと?」


「私さっき見たって言ったよね。だから蓮君からキスしたわけでも、同意の上でキスしたのではないのはわかったよ・・・舞風優からキスしたのはわかったよ。」


そんなつもりではなかったが、確かに俺は神谷さんからキスされたとは言わなかった。


「舞風優のこと好きだからかばったの?」


「違う!」


「私蓮君のこと信じられないよ。」


「俺は八瑠佳のことが一番好きだ。これだけは信じて欲しい。」


「信じられないよ・・・私一年待ったんだよ・・・あなたを信じて・・・あなたから言ってくれるって・・・」


「ごめん。」


「私の気持ち考えてよ。もしかしたら蓮君は私のことを舞風優の代わりとして見てるんじゃないかとか考えちゃったりして毎日が不安だったんだよ。」


「・・・・・」


「でも蓮君のこと好きだから・・・好きだから・・・信じていたのに・・・あなたは私のことを裏切った。」


「ごめん。言い訳はしないよ。俺が悪い。あの時キスをされた俺が悪いから・・・」



「・・・・・違うよ。蓮君・・・なんにもわかっていない・・・」


八瑠佳は涙を流していた。

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