ネックレス② 舞風優視点
「それはね・・・今更ながら、私が失ったものの大きさに気づいたからかな。」
千愛希はネックレスを眺めながら、懐かしむような顔をする。
「・・・?」
「ごめん。分かりにくいよね・・・つまり、今更ながら、元カレと別れたことを後悔しているってこと。」
「元カレっていつ?」
「大学3年生の冬から4年生の春頃までだね。半年ぐらいかな。彼氏は一人だけ。」
「なんか意外。」
「そう?」
「千愛希ってもっと恋愛慣れしてるのかと思っていた。」
「そう見えていたんだ。そんなことないよ。」
千愛希は首を横に振る。
「彼とは、同じ小学校だったんだ。大学生の頃、偶然にも同じ建物でバイトしていたらしくて、偶然従業員口で再会したんだ。あとで聞くと彼は1年生から、私は2年生から働いていたから、出会っていたかもしれないけど・・・」
彼女は元カレとの出会いを話し始めた。
「再会してから、たまに話すような仲になったんだ。それから、ご飯行ったりして、彼から告白されて、付き合うことになったんだ。告白された時、私は恋愛対象として見ていなくて、でも友人としては好きだったから、付き合うようになったんだ。」
「普通だね。大学生の恋愛って感じ。」
「でしょ・・恋人なっても、変化はほとんどなかった。彼もなかなか踏み出せずって感じだった。結局キスすらせずに別れちゃったし・・・」
「え・・・大学生にしては、健全すぎない?」
「そう思う。彼氏のいる友達に聞いても、遅いって言われた。原因は私なんだけどね・・・私が彼のことを恋愛対象として好きかはっきりしていないのに、そういうことをするのは良くないって思ってた。彼からは求められるもあったけど、私は恥ずかしいって言って拒否していた。今思うと、そういうのが彼を苦しめていたのかもしれない。」
「わからんでもないよ。初めての彼氏だもんね。」
「その時はそう思っていたんだ。私はその時、就職活動や学業色々悩んでいて、苦しかった。彼は優しく聞いてくれたんだけど、私はその時優しさではなく、答えや決断を後押ししてくれることを求めていたんだよね。本当に自分のことしか見えていなかった。」
「・・・・・」
「元からメッセージの返信が遅かったんだけど、付き合って半年ほどして、メッセージを返さなくなった。」
「結構ひどくない?」
「本当にひどいことをしたと思う。メッセージを返さなくなって1ヶ月ぐらい経った日バイトが終わって、彼が従業員出口で待っていて、話をすることになった。彼になんて言われたと思う?」
「うーん・・・別れようとか・・・」
「普通はそうだと思う。でも彼は違った。」




