不安② 八瑠佳視点
店長がこっちに向かってくる。
「ごめんね・・・やっぱり急だった?」
「そうですね・・・」
「だよねぇ・・・事前に言っておけばよかったね・・・」
「その方がありがたかったです。」
「プレッシャーをかけてしまうかもしれないけど、私は八瑠佳ならできると思っているから、任せようと思っている。」
「・・・・・」
「副店長は嫌?」
「嫌というわけではないです。ただ、私が副店長でいいのかなって、力量的にも不安で・・・」
店長が私を副店長に指名してくれるのは嬉しかった。ただ私はしっかりできるだろうかそれが怖い。
「嫌じゃないんだ。良かった。答えは急がなくていいから、じっくり考えて。」
「はい。」
「じゃあ、私先に上がるよ。戸締りはお願いしてもいい?」
「はい。戸締りはしておきます。お疲れ様です。」
「お疲れ様。」
フロアに1人になる。
私にできるだろうか・・・副店長を・・・そして将来的には店長を・・・
不安しかない・・・
「蓮君・・・私どうしよう・・・」
私は早く蓮君に早く相談したかった。
・・・・・
私はしばらく座っていたが、立ち上がる。
更衣室では、栞ちゃんが座って待っていた。
「お疲れ様です。八瑠佳さん。」
「お疲れ様・・・待っていてくれたの?」
「ちょっと言いたいことがあって・・・」
「うん。」
何を言うんだろう。わからなかった。
「私は八瑠佳さんのこと応援してますよ。八瑠佳さんなら大丈夫です!」
「ありがとう。」
「もし、八瑠佳さんが新しい店長になるなら、私も一緒に行きますよ、どこでも。力不足かもしれないですけど・・・」
「え・・・そんなことないよ。すごく心強いよ。」
「私八瑠佳さんがどんな結論出しても、批判しませんし、味方でいますよ。」
「・・・・やめてよ。そんな嬉しいこと言われたら、私泣いちゃうよ・・・」
「本心ですよ。言いたかったことは言えたのでお先失礼しますねー。」
栞ちゃんは早足で出ていこうとする。もしかしたら、彼女は照れているかもしれない。
「ありがとう、栞ちゃん。」
彼女はこちらを振り向き、いつも通りの笑顔で
「いえいえー。では、次の出勤日に!」
そう言った。
私はいい後輩に恵まれていた。今の言葉でだいぶ前向きになれた。栞ちゃんに感謝をしなければ・・・
戸締りをして、私は裏口から出る。
「え・・・」
「や。お疲れ様。」
そこには私が今一番話したかった蓮君がいた。




