再会 蓮視点
イベントの下見から、2週間が経った。下見の成果もあって、イベントは成功と言って良かった。
そろそろ閉店まであと2時間ほど、そろそろ仕事終わりの客が増えてくる時間である。
「早く終わらせないと」
現在蓮はイベントの報告書を書いていた。
「寺沢さーん。ちょっと聞きたいんですけどー。」
そう呼ぶのは、1年後輩の山下 菜都美だった。
「了解。今行きます。」
そう言い、机から立ち上がる。
「何を聞きたいの?」
「前に教えてもらった、売り上げデータの出し方なんですけど、こっからさらに細かく品目別にデータをだしたいんですけど。」
「ああ、これはね・・・」
蓮は操作方法を教える。
「なるほど、こうするんですねー。」
早速、菜都美もやってみる。
「やっぱ寺沢さんはすごいなぁ・・・」
そうつぶやく。
「山下さんもあと一年したらできるようになっていると思うし、そうなってないと困るなぁ・・・僕もいつまでこの店にいるかわかんないし・・・」
「それは困ります!」
「いや・・・そんなこと言われても・・・決めるのは会社だし。」
蓮が入社して、名古屋中央店に配属されもう二年になる。同期でもすでに半分ほどが異動している。
「ですよねー・・・」
そんなことを話していると、新しい客が入店した。
「「いらしゃいませ」」
ショートカットのスーツの女性だった。おそらく仕事終わりの女性だろう。
「あれ、もしかして寺沢さんですか?」
「・・・。え・・・」
蓮は困惑した。しかし、すぐに思い出す。
「あっ・・神谷さん?」
イベントの下見で出会った女性であった。
◇
「申し訳ないです。スーツ着ていると全然雰囲気違っていて・・・」
「いえ。でも納得できました。アウトドアショップの店員だったんですね。」
「確かに話してませんでしたね。」
「考えていたらわかったかもしれないです。だって寺沢さん全身ここの服だったから・・・」
「よく見てますね。今日は買い物ですか?」
「冷やかしにきただけです。」
「そうなんですね。ゆっくりしていってください。」
蓮は軽く頭を下げ、その場を去ろうとする
「あの・・・」
舞風優が呼び止める。
「八瑠佳にも寺沢さんがここで働いていること教えていいですか?」
「・・・ええ。いいですよ。」
少し考えて、蓮は答える。
「ありがとうございます。」
こうして二人は別れた。
◇
「知り合いですか?もしかして彼女さんですか?」
菜都美がニヤニヤしながら聞いてくる。
「違うよ。前に山で会っただけ。彼女はいないよ。」
答えてから蓮は後悔する。言わなくていいことを言ってしまった。
「ふーん。そうなんですねー。」
菜都美は答えを聞いて行ってしまった。
「なんで聞いたんだよ・・・」
もしかしたらまた二人と会うことができるかもしれない。蓮は期待してしまう。
「会ってどうしたいんだか・・・仕事に戻ろう。」
まだまだ、仕事は残っている。