1年後① 蓮視点
ここから前回から約1年後の話になります。
これからもよろしくお願いします。
「暑いな・・・」
蓮は駅から下車し、夏の温度を感じる。
季節は流れ、俺と八瑠佳が付き合って1年が過ぎた。
今日は付き合って1周年記念ということで、2人が結ばれた水族館に行くことになった。
ここに来るのは、1年ぶりということになる。
蓮は待ち合わせ場所に向かう。
おそらく、彼女は先に来ているだろう。付き合いたての頃は自分が先に着くことが多かったが、今では八瑠佳が先についていることがほとんどだ。
蓮は時計を見る。集合時間の15分前だ。
「蓮くーん。」
八瑠佳が手を振っている。やはり先に来ていたようだ。
「お待たせ。」
「全然、待ってないよ。まだ、集合時間の15分前だよ。」
「じゃあ行こうか。」
「うん。」
2人は何もいうことなく、手を握った。これが当たり前と言わんばかりのように。
「今日は暑いねー。」
「だね。40℃超えるかもって天気予報で言ってたな。」
「夏だね・・・」
八瑠佳はきれいになった。彼氏のひいきめを抜きにしてもだ。
出会った時よりだいぶ大人の女性になったと思う。
自分と釣り合ってないというのは、常に感じていた。
それを八瑠佳に言ってみたら、本気で怒られてしまったことがある。それ以降、話題にすることはなくなった。
俺たちの交際は順調に見えた。
週に1回は必ず会うし、電話もほとんど毎日している。
交際がすべて順調というわけではなかった。喧嘩もしたし、すれ違いも何度もあった。
その度に乗り越え、絆を深めてきた。
周りから見てもしっかり恋人に見えるようになったと思う。
・・・・・
「中に入ると、涼しいな・・・」
「そうだねー」
クーラーが聞いている館内は快適だった。
「ここも懐かしいね・・・」
八瑠佳がしみじみとつぶやく。
「1年ぶりだもんな・・・よく覚えている・・・」
「私も・・・あの時本当に緊張していたんだよ。」
「そうだったっけ?」
「そうだよー。でも、あの後にね・・・」
八瑠佳がこちらをにらむように言う。
「う・・・あの時は若かったんだよ・・・」
「1年しか経ってないじゃん・・・」
「「ははっ」」
2人同時に笑う。
俺たちは思い出に浸りながら、水族館を巡る。




