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ホンモノノスキ  作者: リンゴ
言えない本音
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別れ⑧     八瑠佳視点


今日蓮君はが休みなのは知っていた。本来の私であれば、最初から一緒に行く約束をしていた。


だが、私は前回の送別会の様子から、舞風優に彼を会わせるのが怖くなってしまった。


もしかしたら、舞風優は彼のことを好きなのではないか・・・なんてことを私は考えてしまった。


結果私は、一人で見送りにおくことを選んだ。


舞風優が彼と会ったのは2回で、1回は話していないはずだ。お互いを知るのはあまりにも短い。


まさか2人は私が知らないところで会っていたのだろうか?可能性はゼロではない。


でも、私は2人を信じたかった。大好きな2人を疑いたくなかった。


いや、この考えが真実であることを少しでも考えたくなかった。


私はこの疑問から逃げてしまったのだ。


私は見送りに行けなくなったと決まった時迷った。


写真を渡さないか蓮君に届けてもらうかどちらの選択肢をとるか。


迷った結果、私は2人を信じることに決めた。私の疑問は気のせいであったとそう思うことにした。


(一体私はいつから、こんなに人を疑うようになってしまったのか・・・)


こんなことを考えてしまう時点ですでに、2人を信じきれていないということになる。自分で自分のことが嫌になる。


蓮君と出会ったことで、私は自分の嫌なところが見えるようになってしまった。


いや、ちがう・・・私は自分の嫌なところを見てこなかったんだ・・・



・・・・・



「八瑠佳さん、店長から電話があって、来てくれるそうです。八瑠佳さんは帰ってもいいよって言ってました。」


栞ちゃんから、報告を受ける。


「いや、店長が来るまではいるよ。今はそれほどだけど、急に忙しくなるかもしれないし。それに、用事は他の人に頼んだから、大丈夫だよ。」


「本当にありがとうございます。」


「気にしないで。」







今日は昼のピークはそれほど、忙しくなかった。


伝票の整理をしていると、


「八瑠佳さーん、彼氏さん来ましたよー。」


「ちょっ・・・」


私は急いで入り口に向かう。


「ちょっと・・・栞ちゃん・・・声が大きい・・・」


入り口には蓮君が来ていた。


「急に頼んじゃってごめんね・・・じゃあ、これを舞風優に渡してもらっていい?」


私は用意していた封筒を蓮君に渡す。


「気にしてないよ。じゃあこれを渡してくる。時間もギリギリだし、もう行くよ。」


「お願い。昼のピーク過ぎたら、私も行くけど、ギリギリ間に合わないとかなったら嫌だし。」


「そうだね。またメッセージ送る。」


蓮君は出ていく。



・・・・・


蓮君が出ていってから、30分ほど過ぎた。


「あの人が八瑠佳さんの彼氏なんですね・・・」


栞ちゃんがニヤニヤしながらこちらを見る。


「そうだよ・・・」


改めて言われると、照れてしまう。


その時、入り口のドアが開いた。入ってきたのは店長だった。


「お待たせー。遅くなってごめん。」


「お疲れ様です。そんなことないです。」


「八瑠佳ありがとうね。もう上がっていいよー。」


「ありがとうございます。すみませんが、失礼します。」


「お疲れ様。」


「八瑠佳さん、ありがとうございました。」


私は2人に軽く頭を下げ、バックルームに行く。


「八瑠佳さん、今日予定あるのにそれをキャンセルしてきてくれたんですよ。」


「本当に良い子だね。」



・・・・


私はさっと用意を済ませ、裏口から、出ていた。


時刻は13時半を少し過ぎたところだった。


「間に合うかな・・・」


私は早足で歩く。


空は今にも雨が降りそうだった。


「あ・・・店に傘忘れた・・・」


私は傘を忘れたことを思い出したが、戻らずそのまま駅に向かった。

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