表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ホンモノノスキ  作者: リンゴ
言えない本音
43/117

別れ⑥     舞風優視点

「私、そろそろ行くね。」


「八瑠佳も来るって言ってたんだけど、間に合わなかったか・・・」


「みたいだね・・・」


私は荷物を持つが、動けない。


彼に聞きたいことがあった。求めている答えが返ってくることがないのはわかっているのに・・・


「もしさ・・・水族館で待ってた日に、八瑠佳が来なかったらどうしてた?」


「次の日も待つよ。」


彼は間髪入れずに答える。答えには迷いを感じさせなかった。


「・・・そっか。」


(そうだよね・・・もしもという展開はないよね・・・)


私は深呼吸をして、


「八瑠佳を大切にしてね・・・きっと今のあんたなら、八瑠佳を幸せにできるよ。」


「もちろん。幸せにしてみせるよ。あの日、神谷さんに怒られたことを教訓にしてね。」


彼は時計を見る。そうだ、もう時間だ。


「じゃあ、金沢でも元気で。八瑠佳と会いに行くよ。」


これで本当にお別れだ。


わかっているのに。ダメだってわかっているのに・・・私は動いてしまった。


この先に未来はないとわかっているのに・・・どうして・・・


私は手に持っていたボストンバックから手を離す。


「ゴメン・・・・・!」


私は寺沢さんにキスをした。


私は一瞬で唇を離し、荷物を持って、新幹線に乗り込む。


寺沢さんが呼んでいるのが聞こえたが、振り返ることができなかった。


ちょうど新幹線が走り出した。


私は倒れこんでしまった。


「うぅ・・・」


私は泣いていた。


この涙はいったい何の涙なのか?八瑠佳に申し訳がないという罪悪感からくる涙なのか?もっとしっかり想いを伝えたかったという後悔の涙なのかはわからない。


私はしばらく泣いていた。


少し落ち着き、私は席を探す。


八瑠佳に会わせる顔がないな・・・


八瑠佳が来てくれたら、こんなことにならなかったのに・・・


いや、私が悪いな。全部。




窓から外を見ると、雨が降っていた。


本当に私の心のようだ・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ