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ホンモノノスキ  作者: リンゴ
言えない本音
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戸惑い     八瑠佳視点

舞風優に車で送って、アパートに着いた八瑠佳は荷物を玄関に置き、ベッドに倒れこんだ。


思い浮かぶのは、今日の出来事だ。自分のせいで舞風優に迷惑をかけたこと、そして寺沢さんに助けてもらったこと。


おんぶをしてもらったのはいつ以来だろう?幼いころに父親にしてもらった記憶がうっすらとある。


大きく安心感のある背中だった。なぜがものすごく安心できた。


「私重くなかったかな?」


今更であるが、気になってしまった。こんなことになるのであれば、ダイエットしておけば良かったと後悔した。


疲れているはずなのに、まったく寝れない。ずっと寺沢さんのことばかり考えている。


「私もしかして、寺沢さんのこと好きになってる・・・?いやいや、ないない。そうなら、私チョロすぎるよ・・・」


誰もいない部屋の中で八瑠佳はつぶやく。


「きっと助けてもらってすぐだから、変に意識しちゃっているだけ・・・きっとそうだ・・・早く、お風呂入って、ご飯食べて寝よう・・・」


ハ瑠佳はお風呂のタイマーをセットし、今日食べ損ねたおにぎりを食べる。


「やっぱり連絡先交換しておけば良かった・・・のかな・・・」


仮に連絡先を聞いていたとしたら、私はどうしたいのだろう?


もしものことをかんがえながら、少し硬くなったおにぎりを食べる。


「♪~~」


お風呂が沸いたようだ。



「ふーーー生き返るーーー」


湯船につかりながら、一息つく。


寺沢さん言われた通り、ふくらはぎを揉む。これで今日の疲労が残りにくくなるらしい。


「寺沢さん、色々なことを知っているなぁ~。登山歴長いのかな?というか何歳なんだろう?」


見た限り年上に見えた。30歳にいかないくらいかな・・・?


「って、私ずっと寺沢さんのこと考えている・・・」



今までこんなに男性のことを考えたことはなかったような気がする。


私は恋愛経験がない。学生のころから共学で、男性と話す機会はあったし、男性と話すのが苦手なわけでもない。実は告白されたこともある。


当時私は、好きになるということがわからなかったのだ。告白してきた男の子のことは嫌いではなかったし、もしかしたら、付き合っているうちに好きになっていくということもあったかもしれない。でも、彼の真剣な想いに私が向き合えるとは思えなかった。


そんなこともあって、恋愛経験はゼロだ。


「この気持ちは人を好きになるってことなのかな・・・」



結局、モヤモヤした気持ちに答えを出せないまま、八瑠佳はその日を終えた。



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