別れ① 蓮視点
蓮は仕事が休みなので、自宅で2度寝をしていた。
♪~~
電話で目が覚める。
「ん・・・誰だろ・・・。」
俺はスマホに手を伸ばす。
「八瑠佳だ・・・もしもし?」
「もしもし?もしかして寝てた?」
「うん・・・」
時刻を確認すると12時ちょっとすぎだ。
「起こしてしまってごめんね。」
「いや、いいよ。どうしたの?」
「今日、舞風優が金沢に出発する日なんだ。見送りに行く予定だったんだけど・・・今日出勤の子が病気で来れなくなっちゃって、私が代わりに出勤してるんだけど・・・代わりに行ってもらうことできる?」
「うん。いいよ。名古屋駅だよね?」
「ありがとう。出発するのは名古屋駅なんだけど、実は渡したいものがあって、一度お店に来てもらっていい?時間ギリギリになりそうだけど・・・」
「わかった。すぐに行くよ。じゃ、電話切るね。」
「ほんとごめんね。」
「気にしないで。」
俺は電話を切ると、急いで着替える。
「ちょうどよかった。神谷さんに渡したいものもあったし・・・」
俺はラッピングされた袋を持って、外に出る。
「おっと・・・・」
今日は雨が降ると天気予報で言っていたことを思い出した。
傘を持って、俺は外に出た。
空は黒い雲が広がり始めていた。
◇
「いらっしゃいませー。1名様ですか?」
「すみません、八・・・河瀬さんいますか?」
「おっ・・・あなたが噂の八瑠佳さんの彼氏ですね!」
テンション高めの女性スタッフに戸惑いつつも、蓮は答える。
「まぁ・・・そうです。」
「八瑠佳さーん、彼氏さん来ましたよー。」
すぐに八瑠佳がきた。
「ちょっと・・・栞ちゃん・・・声が大きい・・・」
そう言えば、働いている八瑠佳を見たのは初めてだったな・・・。
「急に頼んじゃってごめんね・・・じゃあ、これを舞風優に渡してもらっていい?」
俺は八瑠佳から、厚みがない封筒を受け取る。
「気にしてないよ。じゃあこれを渡してくる。時間もギリギリだし、もう行くよ。」
「お願い。昼のピーク過ぎたら、私も行くけど、ギリギリ間に合わないとかなったら嫌だし。」
「そうだね。またメッセージ送る。」
蓮は店を後にする。時刻は1時を少しすぎていた。
「もう雨降りそうだな・・・」
空は家を出た時よりもさらに黒い雲が出ていた。




