表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ホンモノノスキ  作者: リンゴ
言えない本音
37/117

送別会     八瑠佳視点

♪~~


「はーい。」


私は玄関に向かう。



「舞風優、いらっしゃい。」


「おじゃまします。」


今日は舞風優の送別会だ。どこかの店でやっても良かったけど、ゆっくりお酒を飲みたいということで私の家ですることになった。


「久しぶりだね~。」


「梅雨が明ける前だから、1ヶ月くらい会っなかったね。私も引っ越し準備とかで忙しかったからね・・・」


「そうだよね。あと一週間だもんね・・・」


「そうそう。へえー、色々用意してくれてるじゃん。これ手作り?」


テーブルに並べられている料理を見ながら、舞風優が尋ねる。


「全部ではないよ。でも、今日は揚げ物作ってみたんだ。」


「へぇ・・・。すごいねぇ。今まであんまり料理しなかったのに。」


「蓮君に料理する機会あるかもしれないし、練習しとかないとね・・・」


「恋人らしくなってきたね。」


「じゃあ、料理たべよ。」


私たちは座る。


「では、舞風優の金沢での活躍を願って・・・乾杯!」


「乾杯。」


私たちは、グラスに入ったワインを飲む。


「このワイン美味しい・・・」


「でしょー。結構いいの買ったんだ。料理も食べて。」


私は舞風優が食べるのを、見つめる。


「美味しいよ。」


「良かったー。ほっとしたよ。」


「寺沢さんには、料理ふるまったの?」


「うん。でも、チャーハンぐらいしかメニュー見ずに作れなくて。」


「スマホでレシピ見たらいいのに・・・」


「そうだけど、やっぱり料理できるって思われたくて・・・」


「なるほどね・・・寺沢さんとは上手くいってる?」


「うん。前会った時についにキスしちゃいました・・・」


舞風優は驚いていた。


「・・・・・おお。彼は思っていたより積極的なんだ・・・。」


「・・・?違うよ。私からしちゃったんだ。」


「そうなんだ・・・。順調だね。これなら私はいなくなっても大丈夫みたいだね。」


「舞風優がいないと、本音で相談できる人いないし、さびしくなる。舞風優ほど私のことわかってくれる人はいないよ。」


「そっか・・・」


「来週いつ出発だっけ?」


「14時に新幹線で名古屋駅発だね。高速道路崩落の影響で高速道路使えないから、下道でいこうかと思ったら、新幹線使っていいって言われた。」


「見送り行くね。」


「いいよ、今生の別れでもないし・・・」


「いや、絶対に行く。」


私は譲らない。


「わかった、わかった。」


「じゃあ行くね。そういえば、車はどうするの?」


「引っ越し会社に相談したら、料金変更なしで運んでくれるって。」


「そうなんだ。引っ越しの準備はできた?」


「ほとんど終わったよ。部屋がさびしくなっちゃったけど・・・」


2人はしばし沈黙する。


「そうだ、今日は舞風優にプレゼントがあるんだ。ちょっと待ってて。」


私は席を立って用意していたプレゼントを持つ。


「大したものではないけど・・・」


「ありがとう。開けていい?」


「うん。」


舞風優が包装紙を開ける。コーヒーカップと写真立てだった。


「ありがとう。使うよ。」


「仕事中とかに使ってもらえると嬉しいです。さあ、ワインもまだまだあるんだし、食べよう。」


私たちは大学時代のことなど今までの思い出話をした。いま思うと約6年間私の隣にはずっと舞風優がいたことに改めて気付いた。嬉しいときも悲しいときもずっとだ。


本当に舞風優に出会えて良かった。


「舞風優本当にありがとう。」


「なにを今更。私もありがとう。」




・・・・・



ワインが空になった。時刻は22時前だ。


「私そろそろ帰るね。」


「泊まっていきなよー。」


「明日も色々することあるし、ごめん。」


舞風優は荷物をまとめ始める。


「わかった。玄関まで送るよ。」


私は舞風優の用意ができるのを待って玄関まで、行く。


「あっ!忘れてた!」


「なにを?」


「実は蓮君からメッセージあったんだ。」


「え・・・・」


私はスマホを操作し、読み上げる。




「神谷さんお久しぶりです。


始めて山で2人に出会った日には、まさか八瑠佳と付き合うことになるとは思いませんでした。


あの日、おんぶを遠慮していた八瑠佳を見かねて、神谷さんがおんぶをしてくれって言いましたよね。それがなければ、俺と八瑠佳は付き合ってることはなかったでしょう。本当にありがとうございました。


金沢にはまた、八瑠佳と旅行に行こうと話しているので、またお会いしましょう。


八瑠佳のことは任せてください。誠実に向き合って彼女を大切にします。


                                        寺沢 蓮」



「・・・・・・・」



「もおー蓮君かっこつけすぎだね。読んでいるこっちが恥ずかしいよ。」



「・・・・・・・」



「舞風優?」



「あぁ、ほんとにね。じゃあ帰るね。」



「うん、バイバイ。」


舞風優はドアを開けて、外に出ようとする。しかし、止まってしまった。


「・・・・・寺沢さんと幸せになってね・・・・・。」


舞風優はこちらを見ずに話す。


「うん・・・。」


「じゃ・・・バイバイ」


ドアが締められる。


「・・・・・・最後のどういうこと?」


私は舞風優の気持ちをある程度はわかっているつもりでいた。でももしかしたら、そんなことはなかったのかもしれない。


「・・・・・まさかね。」


何とも言えない不安が湧き上がってきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ