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ホンモノノスキ  作者: リンゴ
言えない本音
31/117

姉     舞風優視点

「暑い・・・」


梅雨は明け、八月になろうとしていた。日中の暑さは連日30℃を超える日が続いていた。


異動まで約1ヶ月となり、引っ越しの準備もほとんど終わろうとしていた。


今日は休日でショッピングモールに来ていた。


引っ越しのタイミングで家具を少し新しくしようと買い出しに来ていたのだ。


本当は一人で買い物する予定だったが、一緒に行きたいという人がいたので待ち合わせをした。



「すみません、お待たせしました。」


「いや、まだ集合時間前だし、気にしないで。」


待ち合わせ場所に来たのは、八瑠佳の職場の後輩の森田栞もりたしおりだった。


「じゃあ、行こうか。でもいいの?私の買い物に付き合ってもらって。」


「全然いいです。最近八瑠佳さんが遊んでくれなくなっちゃって、休日遊ぶ人減っちゃって・・・」


「そうなんだ。前に話した時は明るいから友達とか多いだろうなぁって思ってた。」


「そんなことないですよ。むしろ少ないです。舞風優さん最近八瑠佳さんと会ってます?」


「会ってないよ。私も異動の準備で金沢に家を探しに行ったりして、色々忙しいっていうのもあったけど。」


私は八瑠佳と最近会っていない。電話やメッセージのやり取りはするが、それだけだ。


「彼氏ができると変わっちゃうものですね・・・」


「初めての彼氏だし、最初は好きにさせてあげたらいいんじゃない?」


「最近職場で惚気話すごいですよ!」


「へぇ・・・まあ愚痴を聞かされるよりはいいんじゃん。」


「それは、そうですけど・・・」


八瑠佳はあいつと上手くいっているようだ。


「このカップどう思う?」


「すごく機能性に特化した感じですね・・・こっちの方が可愛くないですか?」


2人は買い物を続けた。





「あんまり買わなかったように見えましたけど、良かったんですか?」


「大きな家具は今のをそのまま使う予定だから、あんまり買うつもりはなかったよ。」


2人は買い物を終えた後、近くの喫茶店に来ていた。


「そういえば来週の水、木、金曜日って空いてます?」


「えーと、木曜日は休みかな。」


「姉が金沢から、遊びに来るんですよ。もしよかったら会いませんか?」


「姉妹水いらずじゃなくてもいいの?」


「それは全然大丈夫です。姉にとって余計なお世話かもしれないんですけど、姉めちゃくちゃ友達少ないんですよ。できれば友達になってくれると嬉しいです。」


「別に良いけど、世話焼きすぎじゃない?」


「社会人になる前は結構友達も多くて、休日も外に遊びに行くことも多かったんです。けど、就職活動が上手くいかなかったみたいで、今は休みの日も家に引きこもってアニメ見たりして、なんか変わっちゃたんですよね・・・」


「・・・私に期待しないでね・・・」


「ありがとうございます。助かります。」



・・・・・



「今日はありがとうございましたー。来週お願いしますね。」


「またね。」


私は栞ちゃんに手を振る。


なんというか重い案件を受けてしまった気がする。


栞ちゃんの姉と仲良くなれるだろうか?



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