本当の気持ち① 蓮視点
河瀬さんにメッセージを送って一日が経過していた。返信はない。
「当然か・・・自分からもう会わないって言って、会いたいっていうのは虫が良すぎるよな。」
舞風優と会って、蓮は八瑠佳にメッセージを送っていた。
河瀬さんに話があります。時間を作っていただくことはできますか?
たったそれだけだった。既読は付いたが、返信はない。
新たにメッセージを送って、蓮は目的の場所に向かった。
蓮に迷いはなかった。どうしても河瀬さんに伝えたい。自分自身にケリをつけるために。蓮が変わるために。
これは自己満足でしかない。
◇
蓮がやってきたのは、以前八瑠佳と一緒にきた水族館の近くにある公園だった。河瀬さんに別れを告げたところだ。
時刻は午前10時だ。蓮はベンチに腰掛けた
「さて、待ちますか。」
今日は無駄足になるかもしれない。河瀬さんを傷つけた罰としては軽いぐらいだ。
・・・・・
時刻は13時を回った。蓮は持ってきたおにぎりを食べる。
さきほど、メッセージを確認すると今朝送ったメッセージには既読はついていなかった。
・・・・・
時刻は16時になった。蓮は少し歩いたりするも、座っていたベンチからは遠く離れなかった。
もしかしたら今日は来ないかもしれない。
・・・・・
時刻は18時になった。待ち人はまだ訪れない。
今が冬でなくて良かったと思う。間違いなく風邪を引いてしまうだろう。
もうすぐ日が沈む。
・・・・・
時刻は20時になろうかというところだった。日は完全に沈み、少し寒くなってきた。
ポツポツ・・・・・
「雨か・・・今日は天気予報で一日中晴って言ってたのにな・・・」
蓮は傘を持っていなかった。しかし、蓮は動こうとしなかった。
自分の電車がなくなるまでは待つと蓮は今朝決めていた。
雨は好きではない。どうもテンションが下がる。でも、山下さんは雨も嫌いではないって言っていたな。
雨が好きになれば、前向きになれて、人生が楽しくなりそうだ。
俺もいつか雨が好きと堂々と言えるようになれるのだろうか。
雨に降られるながらそんなことを考えていた。20分が過ぎただろうか。
そんな時だった。
蓮は濡れなくなった。
誰かが蓮に傘を差したのだった。
蓮はゆっくり振り返る。




