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ホンモノノスキ  作者: リンゴ
言えない本音
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本音①     舞風優視点

舞風優が八瑠佳の告白を聞いて、最初に思ったのは結局寺沢さんは八瑠佳のことをどう思っているかいってないなということだった。


正直幻滅した。同時に告白を後押ししてしまったことを後悔した。


人には好みもあるし、相性もある。世の中すべての恋愛がうまくいくとは限らない。だから、八瑠佳が受け入れられず、振られるということもあると思っていた。


八瑠佳は真剣な想いで、彼に向き合っていた。彼は真剣な想いで八瑠佳に向き合っていない。八瑠佳のことを考えているようで、自分の都合で八瑠佳から逃げることを選んだ。


私にはそれが許せなかった。自分が傷つきたくないから、八瑠佳の真剣な想いから逃げる。人の真剣な想いから逃げるのは不誠実だと思う。


私はどうしても彼に一言言いたかった。


人に文句を言うなんて普段は絶対しない。でも、八瑠佳には幸せになって欲しい。このままでは新しい恋愛をすることも時間がかかるだろう。


だから、私は彼に会いに行くことを決意した。彼の連絡先を知らない。職場しかしらない。


彼の職場の終わる時間は調べることはできるので、仕事が終わったところを突撃

することにした。



寺沢さんは職場から出てきた。職場の人と一緒といるようだ。


私は勇気を出して飛び出した。


「すみません」


「あ・・・」


寺沢さんは驚いたようだ。


「ちょっと待ってもらえますか?」


一緒に職場から、出てきた女性と話し女性は去っていった。


「すみません。お待たせしました。」


「ちょっと話したいことがあります。時間いいですか?」


舞風優はまっすぐ彼を見つめる。


「はい。」


「ここではなんですから、どこか入りましょうか。お酒は飲めますか?」


「・・・嗜む程度には。」


「ここの近くにたまに行く居酒屋があるんですが、いいですか?」


「はい。」


2人は歩き出す。会話はない。ただ歩くだけだ。雨の降る音だけが、響く。


10分ほど歩き、舞風優は立ち止まった。


「ここです。入りましょう。」


舞風優は扉を開ける。


「すみません。2人でお願いします。」


店員に席に案内され、2人は席に着く。


「生中でいいですか?」


「はい。」


「生中2つお願いします。あと、枝豆とポテトもお願いします。」


舞風優はたまにこの居酒屋を利用しており、注文はなれていた。


寺沢さんはあまり話さない。まあ、当然だろう。怯えているようにも見える。


「今日は突然すみませんでした。どうしても話したいことがあったので。」


「はい。河瀬さんのことですね。」


「そうです。まず・・・」


2人が話そうとするタイミングで、生中2つが運ばれてきた。


「じゃあ、飲んでから話しましょうか?」


舞風優はグラスを豪快に傾け、ビールを飲んだ。


これから話すことはとても酔わなきゃ話せない。そんな思いがあった。


舞風優は口を拭って話し始める。


「まず・・・」


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